患者さんは10代から70代まで!?針脱毛とレーザー脱毛を組み合わせてVIOにアプローチ | ひなたクリニック:三橋 裕一 先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
ひなたクリニックには、どのような悩みで来院される方が多いのでしょうか?
生理痛や生理不順など、月経に関する悩みをもつ患者さんが多いです。
最も多い相談内容は、女性の体とは切っても切り離せない生理のお悩みです。とくに20〜30代は半数以上が生理痛や生理不順の悩みを抱えており、生理が日常生活に支障をきたしています。
生理が原因の症状には、主にピルで対応しています。ピルは避妊薬というイメージをもつ方も多いと思いますが、ホルモンをコントロールできるため、生理痛や貧血の改善もできます。
とくに年齢が上の世代には、ピルより漢方を希望する方も少なくありません。しかし、ピルは漢方よりも服用回数が少ないことや、生理日を移動できることなど、漢方にはないメリットがあります。
ピルにも保険適用のものと保険適用外のものがあるため、予算や改善したい悩みに合わせて提案します。
体質的にピルを飲むのが難しい方には、「ディナゲスト」というピルとは異なるホルモン剤や、「ミレーナ」という子宮に装着する器具など、患者さんにあった治療法を提案しますよ。
生理のほかにはどのようなお悩みの患者さんが多くいらっしゃいますか?
生理のほかには、妊娠に関するお悩みも頻繁に伺います。当院ではブライダルチェックも実施していますよ。
妊娠中・出産後の悩みを相談しに来られる患者さんだけでなく、自分が妊娠できる状態かを相談に来られる方もいます。そんな患者さんにおすすめしているのは、体が自然に妊娠できる状態かどうかを調べるブライダルチェックです。
ブライダルチェックでは、血液検査、おりもの検査、尿検査、超音波検査を通じて、子宮筋腫や卵巣腫瘍、性病など、妊娠の妨げになる原因がないかチェックします。
女性だけでなく、男性のブライダルチェックもおこなっていますよ。男性の場合は家で精子を採取していただき、クリニックに持ってきていただくことで、精子の数や運動状況を確認します。
出産後の患者さんから多く受ける相談は何ですか?
膣の緩みに関するお悩みです。当院では主に膣ハイフで対応しています。
出産後は膣が広がるため、膣からの空気漏れ、入浴後の膣からのお湯漏れ、性交渉での感覚の変化にお悩みの方が多くいらっしゃいます。加齢で同様の症状が出る方もいますね。
そんな膣の緩みには、主に膣ハイフで対応します。ハイフといえば、肌の美容施術としてご存じの方も多いのではないでしょうか。膣へのハイフも肌と同様に、筋肉に熱を加えて締まりを良くする効果があります。
施術の際は粘膜に表面麻酔をしますが、針で刺されるようなチクッとした痛みがあります。しかしその分、1回目の施術から効果が出やすいです。施術回数の平均は3回ほどですが、1回の施術で満足される方もいらっしゃいますよ。
※機器の入れ替えにより、記事作成時2024年8月にはハイフを行っていないが、2024年10月より再開予定。
レーザーと針を組み合わせたVIO脱毛
ひなたクリニックでVIO脱毛を受ける方はどのような方が多いですか?
若い方もいらっしゃいますが、40~50代の女性が多いです。
現在の若い方には脱毛が普及していますが、40〜50代の方が若い頃には脱毛はあまり一般的ではありませんでした。そのため、今の40〜50代に脱毛を希望する方は多いのです。
しかし、エステ脱毛には若い方が通うイメージが強く、抵抗感を抱く方も少なくありません。その点、婦人科だとさまざまな世代の女性が集まるため恥ずかしさが軽減されるそうで、40~50代の方々から頻繁に脱毛の問い合わせをいただきます。
脱毛の目的は患者さんによってさまざまですが、近頃は介護を見越して来られる方が増えた印象です。ただ、将来のために施術したつもりが、デリケートゾーンの不快感が軽減されて日常生活の質が上がったと喜ぶ声も多くいただいています。
当院でVIO脱毛をした最高齢の方は74歳でした。脱毛に年齢制限はないため、さまざまな方にお越しいただきたいです。コース制ではなく1回ずつの都度払い制なので、挑戦していただきやすいと思いますよ。
VIO脱毛の施術は何回くらい通う必要がありますか?
5回ほどで満足される患者さんが多いです。
個人差はありますが、患者さんには、平均5回の施術で満足していただけています。5回で終わらせることを院の方針にしているので、6回目以降は半額の値段で施術します。
娘さんから脱毛を勧められたお母さんが来院して、エステ脱毛に通う娘さんより早く脱毛が終わり、今度はお母さんに勧められた娘さんが当院に来ることもあるんですよ。
なぜ5回という少ない回数で患者さんが満足できるのでしょうか?
強い出力でレーザーを当てているからです。内診台の上で施術を受けていただくため、レーザーの打ち漏れがないことも要因ですね。
効果を高めるために、最初に痛みがあるとお伝えしたうえで、強い出力のレーザーを当てています。そもそも痛くない脱毛は存在しません。
そのため、一時的な痛みを我慢していただく代わりに早く脱毛を終えられるほうが、患者さんのためになると考えています。
もちろん、麻酔クリームの塗布や冷却など、痛みを軽減するための配慮は欠かしません。とくに重視しているのは声かけです。あとどのくらいで終わるのかなど、こまめにゴールを伝えると安心される方は多いですね。
また、ほとんどのエステではベッドでVIO脱毛をおこないますが、当院では診療と同様に内診台でVIO脱毛をおこないます。VIOが完全に見える状態でレーザーを当てるため、打ち漏れがないことも、早く脱毛が終わるポイントのひとつです。
レーザーで抜けづらい毛は針脱毛(絶縁針脱毛)で処理できるため、仕上がりもきれいです。他のクリニックやエステで脱毛した後に残った毛が気になる方への対応もしていますよ。
レーザー脱毛と針脱毛はどのように使い分けるのですか?
広範囲に広がる黒い毛はレーザーで対応し、レーザーで処理できない色素の薄い毛には針で対応します。
効率よく施術するためにも、基本は広範囲に出力できるレーザーで脱毛します。ただ、レーザーは色素の濃い毛にしか反応しないため、白髪など色素の薄い毛は針脱毛で対応しています。
レーザー脱毛では皮膚の表面から毛根の組織を破壊しますが、針脱毛では皮膚の中からアプローチします。毛穴に針を入れて電気を流すことで毛根の組織を破壊するため、レーザーで対処できない毛にも有効です。
そのため針脱毛は確実性が高いのですが、毛穴の1つひとつに針を入れる繊細な作業が必要なため、1日に処理できる本数には限界があります。
皮膚への負担も大きいため、どんな患者さんでも1日の施術時間は45分と決めています。患者さんの様子を伺いながら施術しますが、45分で処理できる本数は多くて150本程度です。
また、皮膚へのダメージを考慮して、針脱毛とレーザー脱毛を同日に受けていただくことはできません。組み合わせて通っていただく場合は、レーザー脱毛と針脱毛の間を1ヶ月空けていただくようにお願いしています。
脱毛施術をしてくださるのは看護師さんですか?
現在、針脱毛は医師である私が担当し、レーザー脱毛はライセンス所持者を含む2人体制で看護師が担当しています。
現在、針脱毛は医師が担当していますが、施術者を増やせるように看護師のトレーニング中です。
レーザー脱毛は、主に看護師が2人体制で役割を分担しながら担当しています。もちろん、医師が事前に患者さんの肌や毛量などの状態を確認しますので、施術のクオリティにはご安心ください。
施術を担当するスタッフ2人のうち1人は、基本的には日本医学脱毛学会認定のレーザー脱毛士の資格保持者が担当します。資格がない看護師だけで施術しても法的な問題はないのですが、資格保持者は照射や患者さんのケアのコツを深く理解しているため、患者さんの負担を軽減できます。なお、資格保持者が同席できない場合は、医師が同席して確認しながら施術を行います。
万が一トラブルが発生しても、産科・婦人科専門医だからこその適切なアフターフォローをさせていただきます。
プライバシーへの配慮を徹底し、何でも相談できるクリニックに
ひなたクリニックの特徴を教えてください。
患者さんがデリケートな悩みを抱えていることを理解して、プライバシーへの配慮を徹底していることです。
病院で、壁やカーテン越しに人のカウンセリングの声が聞こえた経験をもつ方は多いのではないでしょうか。
本来はどんな病院でも人のカウンセリングが聞こえてはならないと思いますが、産科・婦人科はとくに誰にも知られたくない相談が多く寄せられる場所なので、念入りにプライバシーへ配慮しています。
当院は完全個室なうえに、待合室から診察室の間も廊下を設けているため、声が漏れない設計です。
カウンセリングでのこだわりを教えてください。
病気ではなく、患者さんを診る、丁寧なカウンセリングを心掛けています。
カウンセリングでは、患者さんの隠れた悩みを引き出すことが得意です。とくに女性はメンタルが体調に及ぼす影響が大きいため、不調の原因を取りこぼさないよう丁寧にカウンセリングしています。
その心がけの根底にあるのは、恩師から教わった「病気ではなく患者さんを見なさい」という言葉です。単なる生理痛の悩みでも、蓋を開ければ家庭環境やパートナーとの関係によるメンタル不調が原因となっているケースもあります。
普段の生活を根掘り葉掘り聞いたりはしませんが、何気ない話や、服装、持ち物から患者さんの特徴を見出し、気になる点がある場合はさりげなくお話を聞いています。
こちらから振ったお話をきっかけに、さまざまな悩みを自発的に打ち明けてくださり、不調の改善につながることも多々ありますよ。
最後に読者の方へメッセージをお願いします。
今後はフェムテックにも力を入れる予定です。満足と感動を提供しますので、どんなお悩みでも相談しに来てください。
ひなたクリニックは、患者さんのプライバシーを最大限に守り、いち早く疾患の発見や悩みの解決ができる場所をつくりたいと思い、開業しました。
産科・婦人科の受診は、女性にとって勇気がいることです。そんな中で、受診を決断してくださった患者さんには、満足してもらうのはもちろん、感動してもらえるような診療を提供したいと考えています。
今後は、テクノロジーの力で女性の健康課題を解決する「フェムテック」に力を入れたいです。フェムテックに注目する産科・婦人科はまだ少ないのですが、技術の進歩に伴って女性の悩みを解決する手段も増えているため、積極的に取り入れるべきだと考えています。
これからも、多くの女性に寄り添い、1人でも多くの力になりたいです。どんな相談でも構いませんので、悩みがある方はぜひひなたクリニックへお越しください。