「AGA治療はかっこいい」美容師・医師・毛髪診断士が頭皮にとことん向き合い、髪にまつわる全ての悩みを解決|Dr.TOUHI AGAクリニック 勇亜衣子先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
頭皮データ計測ではどのような項目をチェックし、活用しているのでしょうか?
頭皮・髪の状態を見る5項目を美容師が計測し、治療方針の決定や経過の数値化に役立てています。
当院には、薄毛や白髪、癖毛や髪のパサつきなど、あらゆる頭皮・髪のお悩みをお持ちの方が来院されます。例えば一言で「薄毛」といっても、女性の薄毛のFAGAや化学療法の後遺症による薄毛、抜毛症によるもの、繰り返す円形脱毛症など、症状は患者さんによってさまざまです。
そこで、患者さんの頭皮環境を知るために、脱毛タイプ、頭皮状態・密度、角質量、敏感炎症状態、毛髪の太さの5項目を、美容師がマイクロスコープを用いて計測しています。
薄毛などの現状を把握して治療方針を決めるためには密度・太さ、頭皮の状態は角質・炎症度合いの項目が参考になります。データは毎回計測しますので、治療経過を数値化して観察できるのがメリットのひとつです。
メディカルヘッドスパで解決できる悩みは何ですか?
さまざまな髪悩み解決への近道になりますし、顔のリフトアップも期待できます。
頭皮環境を整える目的でおこなっているメディカルヘッドスパは、筋膜リリースの頭皮バージョンというイメージです。1回の施術でも血行が促進されて頭皮が柔らかくほぐれ、髪にも栄養が届きやすくなり、さまざまな悩み解決への近道になります。
施術はできるだけ長く継続するほど効果的です。例えば月に1回のメディカルヘッドスパを1年継続した方は、髪のツヤや密度、ボリューム感が変わってきます。
また頭と顔の皮膚は1枚でつながっていますので、頭皮が老化して重力に負けると顔もたるみやすくなります。メディカルヘッドスパで頭皮をやわらげて血行をよくすると、顔のリフトアップにも有効です。
9割以上の方が、メディカルヘッドスパと頭皮の注射を組み合わせた治療を受けてくださっています。ヘッドスパで血行促進・洗浄をした後に注射を打つことで、効果がより高まります。
オーダーメイドの再生力が期待できるPRP治療
PRP治療とはどのようなものですか?
ご自身の血液を利用した、オーダーメイドの再生力が期待できる治療です。
からだに傷ができたとき、血小板が集まって傷口を修復する作用のことを創傷治癒力といいますが、それを活用したのがPRP(多血小板血漿)治療です。元は歯科や婦人科などで使われていた古典的な治療法ですが、最近では肌や頭皮にも応用されています。
当院では、ご自身の血液から血小板だけを取り出して加工・抽出し、頭皮に注射で投与します。まさにオーダーメイドの再生力が期待できます。
PRP治療では自身の血液を利用しますので、基本的にはどなたにも受けていただけます。ただし血小板を扱う性質上、血小板減少症という血液の病気や高度の貧血などを治療中の方、白血病や悪性腫瘍疾患の治療をおこなっている方への治療は難しくなってしまいます。
治療の流れや、痛みについて教えてください。
血液を専門機関に送って加工し、院内で成分をブレンドして注射します。痛みはほとんどありません。
まずは50㏄ほど採血し、信頼できる専門の細胞加工施設にお送りして加工します。施設では、2週間ほどかけて痛みや内出血の原因となる不純物を取り除き、成長因子のみを丁寧に抽出します。完成したPRPが施設から戻ってきたら、院内で髪によい成分などをブレンドし、頭皮に注射する流れです。
PRPを注射する方法は2種類あります。メソガンという高速注入器を使う場合は、爪楊枝で頭皮をつつかれているような感覚で、痛みはほとんどありません。注射器で直接手打ちしていくパターンの方が痛みが出やすいものの個人差が大きく、中には痛みを感じない方もいらっしゃいます。
どのような効果が期待でき、どれくらいの期間継続するのでしょうか?
頭皮状態を改善することで、さまざまな悩みの根本治療につながります。効果は半年~1年ほど続くとされていますが、2~3ヶ月ごとのメンテナンスがおすすめです。
PRPを投与することで頭皮状態がよくなり、薄毛改善や髪のハリ・コシアップなど、さまざまな効果が期待できます。頭皮が健康になることでハリが出て、うねり毛の一因になる毛根の歪みが改善することも少なくありません。一時的ではないさまざまな悩みの根本治療になり、将来の髪質が変わってきます。
効果の持続期間は半年~1年ほどとされていますが、当院では長くても半年に1回、可能であれば2~3ヶ月ごとのメンテナンスを推奨しています。
内服薬の服用をベースに、ヘッドスパや注射も組み合わせる薄毛治療
薄毛の原因と、治療法について教えてください。
遺伝性のAGAが大半です。内服薬の処方を基本とし、ヘッドスパや注射もおこないます。
圧倒的に多いのは、遺伝性のAGAです。その場合、基本的には内服薬の服用で治療していきます。当院の治療では、工場と直接やり取りをして質の高い成分を配合した、オリジナルのお薬を使用しています。
内服薬にプラスして、先述のメディカルヘッドスパや頭皮への注射を取り入れることも多いです。データ計測の結果をもとにカウンセリングをし、メディカルヘッドスパで頭皮を整えた後、高い効果が期待できる発毛成分をたっぷりブレンドした注射剤を打ちます。
薄毛の進行度によってさまざまではありますが、毛根がきちんと残っていれば、改善の余地は絶対にあります。髪がないように見えても、マイクロスコープで診察するとしっかり産毛が生えていることも少なくありません。無理だと思っていても生えてくる可能性は大いにありますので、自己判断で諦めないことが大切です。
薄毛治療の副作用はあるのでしょうか?
発毛を促進するミノキシジルには血圧低下などの副作用が起こり得ます。
複数ある内服薬のうち、男性ホルモンを抑制する基本の薬には性欲の低下や肝臓への負担などの副作用が起こり得ます。しかし発生確率はかなり低く、全く問題なく服用している方がほとんどです。
発毛を促進する内服薬(ミノキシジル)は、元々血圧を下げる薬として使われていたこともあり血圧低下、めまいやむくみなどの副作用が生じることもあります。また特に女性の場合、髪だけでなく全身の毛が濃くなってしまう点を気にされる方もいらっしゃいます。
頭皮にとことん向き合い悩みを解決。AGA治療=かっこいいという認識を広げたい
先生のご経歴と、今の診療に役立っている経験を教えてください。
脳神経内科の専門医として勤務しながらAGAクリニックでの非常勤勤務を経験し、現在に至ります。時間をかけて診察をする脳神経内科での経験が、今に活きています。
新潟大学医学部を卒業後、県内で脳神経内科の専門医として5年間勤務し、臨床も経験しました。東京へ来たのは、脳神経内科の大学院に入学したタイミングです。週末や夜間に、美容クリニックやAGAクリニックでの非常勤勤務を経験しました。その中でAGAをはじめとする髪・頭皮のことを専門にしていきたいという想いが強くなり、今に至ります。
脳神経内科では治療法のない難病などを扱うことも多く、患者さんのお話をしっかり伺って症状を拝見することがとても大切でした。脳神経内科でのこの経験を活かし、当院でも初診の患者さんにはなるべく時間をかけて、じっくりお話を伺うことを重視しています。
クリニックのコンセプトや強みを教えてください。
院名通り、とにかく頭皮にこだわっています。
院名のごとく、とにかく頭皮にこだわっています。髪が育つ土壌になる頭皮、そして毛根の状態を改善していくという治療方針が、当院のスタッフの共通認識です。
医者だけでなく、髪に慣れている美容師とも一丸になり、患者さんの悩み改善に向かって取り組んでいます。AGAだけではなく、髪や頭皮のお悩み全般を解決していくこともコンセプトのひとつです。
今後力を入れていきたいことはありますか?
今まで以上に、白髪治療に力を入れていきたいです。
世界的にもエビデンスのある治療法が確立されている薄毛治療に対し、白髪治療はまだまだ発展途上な分野です。しかし、白髪で悩んでいる方はとても多くいらっしゃいます。
現在の治療法でも改善していくケースはもちろんありますが、個人差も大きく効果にムラがあるのが現状です。白髪治療として最も適切な治療法を勉強していきながら、よい情報をしっかり取り入れ、より多くの患者さんに還元していきたいと考えています。
これから訪れる方へのメッセージをお願いします。
AGA治療はむしろかっこいいこと。ぜひメンテナンス感覚でお越しください。
髪に関してはひとりで深刻に悩んでいる人も多いと思いますが、まずはクリニックで医学的に治療する方法があることを知っていただきたいです。
AGAなどの薄毛治療=恥ずかしいことというイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、当院には薄くなる前からの予防・メンテナンスとして、美容院に行く感覚で定期的にご来院くださる方も多くいらっしゃいます。
身だしなみの一環として治療を受けている美意識の高い方もたくさんいらっしゃいますので、AGAの治療は恥ずかしいことではなく、むしろかっこいいことと考えていただけたらと思っています。アンチエイジングの一環として、ぜひお気軽にお越しいただければうれしいです。