「お金を頂いている以上、患者さんが喜んで帰る以外あり得ません。」ヒアルロン酸小顔カスタマイズ しのぶ皮膚科 蘇原 しのぶ先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
しのぶ皮膚科のヒアルロン酸小顔カスタマイズとはどのような治療ですか?
お顔の凹凸の凸を改善して、なだらかな顔を作る治療です。
元来ヒアルロン酸は、こけているところを膨らます、凹凸の凹の部分を凸にするような治療です。でも顔は大きいより小さい方が良いですよね。
当院の「ヒアルロン酸小顔カスタマイズ」はお顔の垂れたり、広がったりして大きくなっている部分の凹凸の凸を改善して、なだらかな顔を作る治療です。
簡単にいうと、たるんでいるお肉をリフトアップして小顔にしていくようなヒアルロン酸治療ですね。
また、人の顔はみんなそれぞれ違うので、顔を部分ごとに細かく診断して、ヒアルロン酸の打ち方を1人ひとりに合わせてオーダーメイドにカスタマイズしていますよ。
凹凸の凸を改善するヒアルロン酸とは、具体的にどのように打っていくのでしょうか?
埋めるのではなく、お肉を支えるように注入してお顔をリフトアップさせるイメージです。
たとえば、胸の脂肪は年齢とともにかなり垂れてきますが、お顔のお肉はそうはなりませんよね。実は私たちのお顔には、皮膚と骨をつなぐ靭帯という組織がたくさんあるんです。
この靭帯が衰えると、お顔の筋肉や脂肪がたるんできます。そこで、靭帯を支えるようにヒアルロン酸を打ってあげると、お肉を引き上げることができるんです。画鋲で留めるようにお肉を顔に留めて、顔が下がるのを抑えるイメージですね。
例えば、ほうれい線の場合、普通のヒアルロン酸注射ならくぼんでいる部分にヒアルロン酸を打ちますが、私の治療ではくぼんでいる部分に直接打つことはありません。
ほうれい線は頬が下がってできるので、頬を持ち上げてあげるようにヒアルロン酸を打てば目立たなくなるんです。また、線を埋めて膨らませないので小顔効果もありますよ。
「ヒアルロン酸の効果はすぐになくなる…」と聞きますが、ヒアルロン酸小顔カスタマイズはどれくらいの期間、効果が持続するのでしょうか?
ヒアルロン酸自体の効果は1年半〜2年程度ですが、リフトアップ効果は3年〜5年の間キープされますよ。
ヒアルロン酸自体、一番持続する種類でも1年半から2年で吸収されます。ですので、凹を埋めるように打つ場合は、半年から2年ごとに打ち直す必要があります。
しかし、当院の「ヒアルロン酸小顔カスタマイズ」なら3〜5年は効果が持続しますよ。
もちろん、鼻を高くするようなヒアルロン酸注射の場合は、3年も効果は持続しません。しかし、靭帯にヒアルロン酸を打つと、ヒアルロン酸が吸収されても、靭帯の周りの細胞が画鋲の役割を補ってくれるので、もち上がっている状態をキープできるんです。
論文にもこの根拠は書かれていますが、実際に当院の患者さんも効果の持続を実感しています。10年来の付き合いの患者さんはたくさんいますが、みなさん「3年前にしのぶ先生にヒアルロン酸を注入してもらってからずっとキレイ!」と言ってくれますよ。
ヒアルロン酸小顔カスタマイズはどのようなきっかけで始められたのでしょうか?
10数年前に受けた講演がきっかけです。今は学んだことを自分流にアレンジして打っていますよ。
10年ほど前に、ヒアルロン酸注射のドクターとして有名なディマイオ先生(Dr. Mauricio de Maio)の講義を受けたのがきっかけですね。
その講義で学んだ、ヒアルロン酸でリフトアップさせる方法を着想として、美容外科として10年以上培ってきた知識や、1日50~60本打ってきた経験値、そしてメイクの知識を活かして、今の自己流のスタイルに至りました。
私は今、医者20年目で、そのうち12年間は皮膚外科をしていたんです。全身やけどの患者さんのお顔の手術などを10年以上経験して培った皮膚科・皮膚外科の知識が、今のスタイルの大きな土台にありますね。
また、ヒアルロン酸注射の経験を多く積んでいることも、今のスタイルに繋がっていると思います。港区という土地柄、ヒアルロン酸の需要が高く、1日に50〜60本ヒアルロン酸注射を打っているので、この経験値があるのも大きな土台になっているかなと思います。
また、メイクの知識も今の打ち方にかなり活かされています。たとえば、メイクではどこを高く見せたいかを考えてチークやハイライトを入れていきますよね。ヒアルロン酸も同じで、チークを入れたいところに肉を寄せるように注入すると、理想の雰囲気に寄せられるんです。
ヒアルロン酸を1日50本60本使われるとのことですが、患者さん1回の施術につき何本くらい打つこととが多いのでしょうか?
5本ぐらいが多いですが、多い人だと10本〜15本を打つこともありますよ。
ヒアルロン酸小顔カスタマイズでは、5本くらい打たれる患者さんが多いですね。
一般的に、ほうれい線のヒアルロン注射は2〜3本といわれているので多いと思われるかもしれません。しかし当院では、40〜50箇所に打ってお顔を上げる方法なので、5本くらいで打っていただくほうが効果を実感できますよ。
といってもヒアルロン酸は、メーカーによりますが1本の容量は大体1ccなんです。5本使っても小さじ1杯分程度で、それを40〜50箇所に打つので、1箇所に0.1cc程度しか入りませんよ。
患者さんと向き合うことへのこだわり
先生はどうして医師を目指されたのでしょうか?
開業医である父を本当に尊敬していたんです。
私が医師になったのは、糖尿病の専門医である父の存在が大きかったですね。
私が幼い頃は、父のところに患者さんが来て、泣きながら「先生のおかげで助かりました!」と言いに来られることだったり、父と散歩をしていると「先生には本当にお世話になってるの!」と声をかけらたりすることが日常茶飯事で、本当にかっこよすぎて尊敬しかありませんでした。
そんな父のようになりたいと思い医師を目指しましたが、父からは「医者は大変すぎるからやめとけ」と、止められていましたね。父の言った通り、医者になって10年くらいは、本当に大変な日々でした。
うまくできなくて患者さんに担当医師を変えてほしいと言われたり、いつまでも覚えられなくて医者に向いてないのではないかと言われたり……。
そんな家に帰る時間もなく、お金もない大変な月日を過ごしましたが、やっぱり父のように患者さんを助けたいという気持ちがあったので今まで続けられましたし、この全ての瞬間に意味があると思って過ごしてきたので、この経験のおかげで今の私があるのかなと思っています。
患者さんとの向き合い方で大切にしている考えを教えてください。
治療が終わったら自信を持って帰って貰わないと意味がないと思って、いつも治療に向き合っています。
まず前提として、お金をもらっている以上、患者さんが当院に来て、喜んで帰る以外はあり得ないと考えています。
ですので、施術の必要がない患者さんには、逆に「やらない方がいいですよ」と伝える場合もあります。例えば、大好きな人を思い出して笑ってる時にでるかわいい笑いシワや、顔のトータルバランスとして意味があるほうれい線などは消しません。
本人の目的や、やりたいことをしっかり聞いて、それをプロの私が見る。そして、その治療に本当にお金を出す価値があるのかを判断して、患者さんにはご提案していますね。
エステは夢を売る仕事なのでお金儲けをしてもいいかもしれませんが、医者の仕事はお金儲けではなく治すことです。
皮膚科の保険診療なら、痛みや痒みを治してあげることが医者の仕事ですよね。美容医療の医者の仕事は何かというと、心の病気を治すことなんです。もし顔が普通でも、大好きな人と一緒にいたり、モテモテだったりして自信満々なら、美容皮膚科には行きませんよね。
当院には、自分に自信が持てないとか、理想と違うとか、そういった心の病気を治すために患者さんがいらっしゃいます。美容皮膚科なら自信を持てるようになって笑顔で帰って頂かないと、美容皮膚科である意味がないと思いますね。