「どんな症例・緊急事態にも対応できます」大学病院の形成外科出身、吉井先生によるクマ治療のこだわりとは|お茶の水美容形成クリニック :吉井 健吾先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
患者さんを診察するうえで最も大切にしていることを教えてください。
患者さんに必要な施術を提案しながら、長いお付き合いをしていただけるようにアフターフォローもしっかり行っています。
患者さんと長くお付き合いをするために、患者さんにとってメリットが大きく、安全な施術を提案し、さらにアフターフォローをしっかり行うことが一番大事だと考えています。当院の場合は、半年先まで複数回にわけて定期的に検診を実施し、術後の経過までしっかり確認します。
当院には美容皮膚科・美容外科・アートメイクなどのメニューがありますが、中でもクマ取りの症例数が豊富で、悩みの改善策について多くの引き出しがあります。そのため、イレギュラーなことがあった際にも、新たな打ち手をすぐに提案できるのが強みです。
どのようなクマでもお悩みに合った治療法を提案。人気はクマ取り+脂肪注入
クマの種類と施術方法について教えていただけますか?
クマは大きく分けて黒、茶、青の3種類があり、それぞれの原因と対処法があります。
クマには、皮膚がたるんで眼窩脂肪が前に押し出されて膨らむと、この膨らみが影を作ってできた黒クマ、摩擦やメラニンの蓄積が蓄積してできた色素沈着による茶クマ、寝不足や疲れなどが原因で毛細血管や筋肉が透けて見えた状態の青クマの3種類があります。
このうち黒クマ、青クマは外科的な処置が適する一方で、茶クマにはレーザー治療を施します。
外科的なクマ治療には、オーソドックスなクマ取り、クマ取りに脂肪注入を加えた治療、裏ハムラ法、表ハムラ法の4種類があります。
当院ではクマ治療に関して、どのような症状であっても患者さんの状態に合わせて的確な治療を行っています。
クマ取りとはどのような治療なのでしょうか?
下まぶたの内側の赤い粘膜から脂肪を除去することでクマを消す治療です。
クマ取りとは、下瞼を引っ張ると見える赤い粘膜から脂肪を取る方法で、手術時間は20分ほどです
メリットは、他のクマの治療と比較すると、ダウンタイムが短いこと。手術直後の1~2日くらいが腫れのピークで、7日ほど経つとかなりクマが薄くなり、メイクで隠せるくらいに落ち着きます。ダウンタイムを短くしたい方や、コストを抑えたい方におすすめです。
クマ取りに加えて脂肪注入をするメリットを教えてください。
頬に脂肪注入をすると頬のこけが改善されるので、クマが目立たなくなります。さらに頬前面に立体感が出るので、若返りが期待できます。
クマ取りのみでは、シワができる可能性があるので、脂肪注入も行うのがおすすめです。そうすることで、頬前面に立体感が出て、若返りが期待できます。
実際にクマ取りと脂肪注入の組み合わせが当院では一番人気で、全体の約4割の患者さんがこの治療を選んでいます。
脂肪は太ももなどから取ります。注入する際は、しこりができないように皮下脂肪・筋肉の下・骨の周辺など少量ずつさまざまな層に分散して入れます。
治療のリスクは、脂肪の定着率に個人差があることです。通常は注入した脂肪の約50%が定着しますが、年齢、喫煙、持病などの要素が絡み、患者さんによっては定着率が20%ほどになることがあります。この場合は、2〜3回脂肪注入をおこなうことで、ある程度定着します。
裏ハムラ法・表ハムラ法がおすすめな人とは?
最近では裏ハムラ法をすすめる先生も増えていると聞きますが、どのような治療なのでしょうか?
クマ取りの改良版で、目の下にある脂肪をクマの凹んでいる部分に移動してくっつける治療です。
裏ハムラ法は、クマの原因である出っ張った脂肪をクマの凹み部分に移動して、溝をフラットにする治療です。この方法ですと皮膚表面ではなく結膜側を切開するので、傷が見えません。また、クマ取りと比較して凹みをなだらかにできます。
目のすぐ下に凹みがある場合は改善が見込めますが、頬のこけにはアプローチできないので、頬のこけがある場合は脂肪注入をおすすめしています。
なお、裏ハムラ法はクマ取りの改良版ですが、比較的新しい治療法で長期的な経過観察がまだできていないため、当院ではクマ取りの方を推奨しています。
表ハムラ法はどのような方におすすめしていますか?
目の下のたるみと共にシワも目立つ方におすすめしております。
表ハムラ法は、裏ハムラ法と同じように、脂肪を取りながらクマの下部分のくぼみをフラットにする施術です。ですが、切開方法が異なり、表側の皮膚を切ります。そのため、脂肪を取ることで生じる余分な皮膚も取り除くことができます。
ただ、表ハムラ法は治療部位への負担が大きい治療方法で、手術時間もダウンタイムも長い治療方法です。また、手術から1週間後に抜糸が必要です。しかし、一気にシワとへこみを改善できる方法ですので、他の治療法では効果が得られなかった方に適しています。
患者さんが思い描く仕上がりを実現するためのこだわりを教えてください。
豊富な治療経験によって磨かれた技術と、患者さんのご要望を尊重することが大切です。
当院では年間約600件のクマ治療をしています。手術の要領も心得ているため、一人ひとりに合わせた治療が可能です。
デザインについては、治療前の診察で患者さんと相談しながらできる限り患者さんの希望を再現することにこだわっています。そのためには、一つの治療法だけではなく、患者さんのニーズに合わせた治療法も提案させていただきます。
例えば、ベストな治療方法がクマ取りと脂肪注入である場合でも、患者さんがダウンタイムやコストを重視されている場合は、一旦クマ取りだけ行い、術後に希望があれば脂肪注入の追加を提案します。
また、安全性も重要です。脂肪注入なら、やりすぎるとしこりが残るリスクがあります。そのため、一気に多くの脂肪注入を行わず、安全な量だけを注入し、脂肪がなくなったらもう1回注入します。
経験値を積むことを重視してキャリア形成
先生は東大の医学部を卒業したのち、長野の病院で初期研修を積まれたそうですが、どういった経緯があったのでしょうか?
私は卒業当初からキャリアを形成するうえで、経験値を積むことを重視しています。そのため、早いうちから経験が積みやすい地域の病院を選びました。
私は東京大学医学部を卒業後、初期研修先として東大病院から離れて長野の病院を選びました。それは、地方の病院のほうが早いうちから経験を積めるからです。おかげで、初期研修で外科や救急医療も経験できました。
初期研修後は、1年間埼玉国際医療センターに勤務しました。癌を除去した後の再形成の執刀を行い、顔の解剖、体幹を学べました。この頃から美容外科医になることを意識していたので、専門研修期間は東大病院の形成外科の医局に入局し、形成外科医としてキャリアをスタートさせました。ここでは、眼瞼下垂やフェイスリフトを担当しました。
また、美容クリニックでも勉強した上で、大学病院に籍をおきながら2021年7月に当院を開業しました。最初に美容皮膚科として開業したので、現在でも当院ではピコレーザーや脱毛のニーズが高いです。去年の6月には手術室を作り、院内で手術ができるようになりました。
目標を実現するために努力され、着実に経験を積まれたのですね。今までのキャリアが現在の美容分野でどのようにいかされているのでしょうか?
身体の深い部分の解剖を熟知することで、引き出しが増え、緊急事態にもしっかり対応できるようになりました。
形成外科では病気や怪我などで大きく顔貌を損なったケースなど、マイナスの状態にある患者さんに対して、ダメージをゼロに近づけるような治療をしました。しかし、美容外科はゼロの状態からさらに美しい見た目にするものなので、形成外科とは別物といえるでしょう。
しかし、形成外科の経験を積むことで、身体の深い部分の解剖を熟知できたことは大きいと感じています。美容整形の施術で修正が必要な時や、緊急の事態が起きた時などには、形成外科の知見があるからこそ、しっかり対応できています。
患者さんが満足できるように最大級の力添えをしたい
カウンセリングはどのように行っていますか?
単刀直入にどんなお悩みがあるか伺い、ニーズに合わせて治療を提案しています。
私は単刀直入に患者さんのお悩みを伺い患者さんのニーズに合った治療をご提案します。
当院では、患者さんの予算を考慮した治療を提案をさせていただきます。割り切った感じで話しやすいと思ってくださる患者さんが多いですね。
お茶の水形成クリニックの今後の展望を教えてください。
患者さんが満足できる最大級の施術を行うために、より網羅的に美容医療を展開したいと考えています。
患者さんに対して、誠意をもって向き合っていきたいと考えています。患者さんの容姿がご希望通りになるように、最大級の力添えができるように常に心がけています。
今後は、さらに網羅的に美容医療を提供することが目標です。最近は鼻の外科手術も行っていますし、今後は身体の脂肪吸引、豊胸のニーズにも応えていきたいです。全ての治療を当院で完結できるのが理想ですね。そのために、新しい医師を迎え、新しい技術を導入したいと思います。