「形成外科出身だからこそ、仕上がりを綺麗にできるかが使命」傷痕の綺麗さにこだわったニキビ治療・シミ取り・クマ取りを紹介|こたろクリニック 吉武 光太郎 院長
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
ニキビ跡の治療にはどのような施術をされていますか?
ニキビ跡には、色素沈着やクレーターなど種類があり、種類によって治療が異なります。
まず、色素沈着によるシミとは、ニキビで皮膚に炎症が起きた箇所に色素沈着が起こりシミになったものです。ニキビを潰したり、洗顔やメイクオフの際に肌を強くこすったり、脱毛をしたり、刺激を肌に加えることで発生しやすくなります。
色素沈着のシミにはレーザーやポテンツァを使ってアプローチしていくことが多いです。赤みが酷い場合は、レーザーやポテンツァの前にクリームを塗って赤みを引かせる必要があります。
次に、クレーターとは、肌表面の深い凹凸のことで、狭い範囲であれば、サブシジョンといって凹凸部分に針を刺し穴を開け、肌の自然治癒力でコラーゲンを活性化させ、肌を元通りにする治療を行います。顔全体であれば、同じ原理のポテンツァも提供することもあります。
他にも、肌内部のメラニン色素にレーザーを照射してクレーターを改善させるピコフラクショナルレーザーや、ダーマペンもあります。クレーターのニキビ跡を、とにかく早く治したいという方にはヴァンパイアフェイシャルをお勧めすることもあります。このようにお悩みや症状、進行度によって使い分けています。
サブシジョンとはどのような施術なのでしょうか?詳しく教えてください。
皮膚組織内で癒着している部分を医療用の針で切り離すことで、クレーターの凹凸をなめらかにするニキビ跡治療です。
サブシジョンでは、クレーターに局所麻酔を打ち、麻酔が浸透した段階で医療用の細い針を挿入し、表皮と真皮の間の癒着部分を切断していきます。そうすることで、皮膚が深部に引っ張られず、表面の凹凸がなくなる仕組みです。
個人差がありますが、1ヶ月程度の間隔を開けて、3〜4回ほど受けられるとクレーターが気にならなくなるという方が多い印象です。
局所麻酔をしているため、施術中の痛みはほとんどなく、あるとすれば局所麻酔時に針を刺す痛みのみです。
なお、皮膚表面を切ることなく肌の内部に針を挿入するため、肌の表面に傷が残らず、ダウンタイムはほぼありません。稀に内出血が出る方もいらっしゃいますが、2〜3日以内で元通りになります。
クレーターにはヴァンパイアフェイシャルが一番有効とのことですが、どのような治療になりますか?
ダーマペンを使用し、ご自身の血液を培養した薬剤を注入していく治療です。
まず、ダーマペンとは、剣山のように細い医療針が多数ついた機器を使って施術箇所に極小の穴を無数に開け、自然治癒力により肌を活性化させる治療です。開けた穴には薬剤を加えることができ、その薬剤の種類によって治療の名称が変わります。
ヴァンパイアフェイシャルでは、自己血液から生成したPRP溶液をダーマペンで開けた穴に入れて浸透させる施術です。PRP溶液に含まれる成長因子が肌内部のコラーゲンやエラスチンなどを生み出す細胞を活性化させ、肌がふっくらさせる効果があります。
治療の流れは、まず採血を行い、採取した患者さんの血液を遠心分離機にかけます。血液が分離されたら、濃度の高い上澄み液を取り除き、ダーマペンを使って肌に注入します。
事前に局所麻酔をするため、激しい痛みを訴える患者さんはあまりいらっしゃいませんが、穴を開ける深さを調節することで痛みを抑えることができます。
術後3〜4日ほど赤みが続き、1週間程度でうっすらと肌表面の皮が剥け始めます。長いダウンタイムを許容できる方は、ダーマペンで深く穴を開けることでより高い効果を得ることができます。3回程度受けていただくことで効果の実感が得られます。
鏡を見ることが楽しくなった!と好評なクマ取り治療
貴院のクマ取り治療についてお伺いしたいのですが、どのようなアプローチで施術を行うのでしょうか?
クマの種類によってアプローチを変える必要があります。
まず、目の下が大きく膨らんでしまっていることで影ができているクマには、眼窩脂肪を取り除く脱脂治療を基本的に行います。ですが、眼窩脂肪が多い方の場合、脂肪を全て取り除いてしまうと皮膚がしぼみ、目の下に小じわが増えてしまうため、取り除く量に注意が必要です。
他にも目の下に凹凸はないものの、赤や茶色、青などの色味が強く出ているパターンも存在します。
赤いクマは、皮膚表面の血管が拡張して見えてしまっているため、血管を締める必要があります。当院ではアゼライン酸クリームの使用を推奨しています。
茶色のクマは皮膚表面の色素沈着によるものですので、これ以上目元を擦らずに美白レーザーや塗り薬を使用することで徐々に改善させます。青いクマは残念ながら治療による解決法がないため、メイクで隠してもらうようお伝えしています。
ダウンタイムは2週間前後と言われていますが、多くの患者さんは3〜4日程度で症状がほぼ完治していました。術後の副作用には個人差がありますが、主な症状に内出血が見られます。あまりにも酷い内出血が出てしまった場合、治るまで3週間ほどかかってしまうこともあります。
ダウンタイムを極力少なくするためには医者側が「余計な手術操作をしない」ことが大切で、手術中に部位に多く触れると腫れが大きく出ます。そのため、手術で触れるのを最小限にし、治療時間を短くすることを心がけています。
クマ取り治療でこだわっているポイントがあれば教えてください。
当院では、脱脂の際にマーキングをしません。他にも、静脈麻酔ではなく局所麻酔で行うことや麻酔の仕方にもこだわっています。
多くのクリニックでは脱脂手術の際にどの部分の脂肪を取るかわかりやすくするため、事前にマーキングが行われています。
マーキングは脂肪を取る箇所が明確になる一方で、クマ部分に色がついてしまうため、影なのか元の色なのか判断がしづらくなります。判断を誤ると脂肪を取りすぎてしまうため、当院ではマーキングをせずに手術を行います。
また、当院では患者さんが途中で目を開けて状態を確認できるように、意識がなくなる静脈麻酔ではなく、局所麻酔で手術を行います。そのため、脂肪を取りすぎることなく、患者さんの同意を得ながら進められます。ただし、意識が残るため、多少の痛みは生じます。
他にも、局所麻酔を脂肪部位の中に混入させないように徹底しています。脂肪に麻酔を注入するとむくんでしまい、正確な量がわからなくなります。麻酔が混入した方が、脂肪自体は取りやすいのですが、必要以上に脂肪を取ってしまうことを避けるために、局所麻酔の打ち方にはこだわっています。
シミは再発するものだから治療後のケアが一番大切
シミには種類があるかと思いますが、どのように治療内容を決定していくのでしょうか?
ドクターがシミの種類を特定し、それぞれに有効な治療を進めていきます。
シミには老人性色素斑、脂漏性角化症、そばかす、肝斑などいくつか種類が存在します診断を誤るとシミの症状が悪化してしまう可能性があるため、初めのドクターの問診はとても重要です。
まず、老人性色素斑とは、紫外線の影響で加齢とともにできるシミで、ピコレーザーで治療を進めます。ピコレーザーは、短いパルス幅で照射することで肌に与える熱ダメージを最小限に抑えながらシミにアプローチすることができるレーザーです。
大きいシミや濃いシミにはQスイッチYAGレーザーという、ピコレーザーよりも長いパルス幅で照射する機械を使用することもあります。パルス幅が長いため、深い層にも照射することができるので薄いシミではなく濃いシミの治療として有効です。
脂漏性角化症と呼ばれる膨らんだシミは、炭酸ガスレーザーで削ることで、1回で治療が終わります。脂漏性角化症の治療は切除治療もありますが、傷痕が目立ちやすく、治療に時間がかかるため、傷痕も目立ちにくく一度で取ることができる炭酸ガスレーザーを選ばれる方が多いです。
そばかすにはいくつか方法がありますが、当院ではIPLという機械を使用して治療をすることが多いです。IPLは複数の波長の光を照射し、そばかすの原因となるメラニン色素にダメージを与え、そばかすを薄くするものです。
毛穴の開きにも効果があるため、そばかすへのアプローチだけではなく肌全体の透明感アップなど総合的な美白ケアも行えることが特徴です。顔全体の広い範囲のそばかすにはピコスポットで対応することもあります。
肝斑については、ピコトーニングと呼ばれる、ピコレーザーと同じ機械を出力を下げて照射する施術方法で粘り強く治療を続けることを推奨しています。また、どの種類のシミでも、飲み薬と塗り薬、日焼け止めは日々必ず行っていただく必要があります。最低限のケアをした上で、レーザーなどの治療を行います。
シミは再発すると聞いたことがあるのですが、予防方法はあるのでしょうか?
シミが消えたからといってすぐに治療を止めてしまうと、再発しやすくなります。そのため、治療の継続が重要です。
シミが再発するのは事実です。シミの元であるメラニンを作っているメラノサイトという細胞には、機械で直接作用することはできないため、メラノサイトが活性化して再度メラニンを作り出すことができてしまうのです。
また、元々シミがあった箇所は、治療でシミをどれだけ薄くしたとしても、メラノサイトが再活性化しやすいです。そのため、塗り薬や飲み薬をやめずに続けること、IPLなどの弱目の光治療を間隔を開けて続けることも重要です。
特殊な道具を使用しているこたろクリニックだからこそできる韓国抜糸
貴院では韓国抜糸もやられているかと思いますが、どのようなきっかけで始められたのでしょうか?
昔勤務していた病院のスタッフに抜糸をお願いされたことから、患者さんにもご提供するようになりました。
昔、働いていた病院のスタッフから「抜糸だけお願いできないか」と相談されたことがありました。治療ではなく、抜糸だけをお願いされることは当時珍しかったので理由を聞いたところ、韓国で施術を受けたものの、抜糸をする1週後まで滞在できず、日本で抜糸できる病院を探しているとのことでした。困っている方が他にもいるのではと思い、韓国抜糸をメニュー化することになりました。
日韓国抜糸を取り扱っているクリニックが国内に少ない理由として、韓国の施術糸が非常に細く扱いづらいことが考えられます。傷と糸の間がほとんどなく、かなり細い糸を使って手術を行っているため、抜糸がしづらいです。そのため、当院ではマイクロ鑷子という細かいものでも掴める道具を使用しています。他にも、顕微鏡やハサミも工夫することで韓国の細い糸でも抜糸することができます。
形成外科出身の医師だからこそ叶えられる傷痕の綺麗さ
吉武院長は形成外科出身とのことですが、美容クリニックの診療に活きていると感じることは何かありますか?
形成外科医の使命は「傷を綺麗にすること」なので、綺麗な肌に仕上げるためにどういった治療をすべきかが身についています。
形成外科は、”皮膚科の外科”で、皮膚表面が綺麗に治るように切り、 縫う科です。
形成外科で経験を積んだことで、それぞれの身体と顔に適した糸の種類選びや、適切な治療の仕方が自然と身についたと思っています。今の美容クリニックでも、問題を根本的に治すことはもちろん、いかに仕上がりを綺麗にするかにこだわることができるのは形成外科で培った経験があるからこそだと思っています。
患者さんとのコミュニケーションで大切にしていることを教えてください。
患者さんが何を求めているのかを感じ取って、それに合わせたコミュニケーションを取るようにしています。
患者さんは十人十色で、いろいろなタイプの方がいらっしゃるので、コミュニケーションの定型はないと思っています。それぞれの患者さんが何を求めているのか、空気感で掴むことを意識しています。
例えば、結論が早く欲しいのか、結論に至るまでの説明をしっかり聞きたいのか、リスクについてしっかり説明が欲しいのか、効果をメインに聞きたいのかなど、求められていることを感じ取りながらコミュニケーションを取るようにしています。
また、ドクターと患者さんの間で良い関係性をつくるには、相性も大切です。100人の患者さんがいて、100人全員にとって私が最適なわけではないと思っています。
患者さんが自分に合ったドクターを見つけるためには、症例だけではなく、ドクターの人柄や思考など多角的に情報収集するべきです。その上で自分に合いそうか、信頼できるか判断して施術を受けることをおすすめします。私も患者さんに私がどんなドクターなのかを事前に知ってもらうために、YouTubeやInstagramで発信を続けています。
最後にこれから貴院に訪れる方へのメッセージをお願いします。
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