「患者さんの満足を得るのが私たちの仕事」患者さんにとことん寄り添う二重や鼻の施術、クマ取りとは?|樹のひかり形成外科・皮膚科 奈良本院 山中佑次先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
埋没と切開とで迷われている方が多いかと思いますが、どちらがおすすめでしょうか?
どちらの方法にもメリットとデメリットがありますよ
まぶたを二重にする手術には主に、埋没法と切開法がありますが、私自身はどちらもすごくいい手術だと思っています。
例えば、埋没法のメリットはダウンタイムが短いです。また、切らない施術のため、万が一、仕上がりがイメージと違った場合、早いタイミングであれば元に戻す事もできるので、失敗を回避できる安心感があります。デメリットは取れるリスクや時間が経つと二重の幅が狭くなる可能性があります。
一方、切開法のメリットは、取れるリスクや幅が狭くなる可能性がないことです。ただ、やはり手術後の腫れは埋没法より強くなります。当院はメインが形成外科なので、一般の美容外科に比べると切開法の割合は多めですね。
患者さん自身にメリットとデメリットを天秤にかけていただいき、こちらも患者さんの理想をしっかり見極められるようなカウンセリングを行ったうえで、施術を提供するのが当院の方針です。
切開法で思ったような仕上がりにならなかったらどうすればいいですか?
修正手術もできますので、ご安心ください。
切開法で万が一仕上がりにご満足いただけなかった場合、修正手術をご提供しています。当院は、他院からの修正手術の依頼も数多くいただいており、仕上がりの調整に関してはご安心していただきたいですね
ただ、二重幅を広くする修正はそれほど難しい手術ではありませんが、逆に狭くするのは少し難易度が高くなります。そのためカウンセリング時には「迷っているのであれば狭くしておいた方がいいですよ」とアドバイスをしています。
ただ実際には、目元の印象は二重幅だけで変わるわけではなく、目尻や目の形なども影響します。当院では、二重手術だけではなく、目尻切開やタレ目形成など目に関わるさまざまな施術も行っているので、それらを駆使して理想の目元に近づけるよう、事前にしっかりカウンセリングをしています。
ダウンタイムはどれくらいですか?
人によりますが埋没法で3日間、切開法で1~2週間程度です。
埋没法だと腫れても1~3日くらいでおさまります。アイメイクも3日目から行ってもらって問題ありません。
切開法で行った場合は1週間から2週間くらいは症状が続きます。強い腫れが出るのは7日間ほどで、その後徐々にひいていきます。二重の幅やその人のむくみ具合、 皮膚の厚みなどによっても腫れの感覚は違うので、ダウンタイムが長めになりそうな方にはあらかじめお伝えしておくようにしておきます。
ちなみに、手術時間が長引いたり内出血が起きた場合に、強く腫れが出ることがあるのですが、これらは私たちが最大限抑えるように努力しますので、ご安心ください。
メリットデメリットを比較したけれど、それでもどちらにしようか迷われる方にはどのようにアドバイスしていますか?
迷っているなら、最初は埋没法でもいいと思います。
若い方や、人生で初めて二重手術をする方に対しては、負担のかかる切開法はあまり積極的に勧めないようにしています。迷っている方にはまず埋没法でやってみて、その二重の幅や雰囲気が自分の顔にあっているかあっていないかというのがわかればよいかなと。
もし埋没法で取れてしまったら、そのタイミングでどちらの方法で施術をするか考えればいいと考えています。実際、こいった順序でやられている方も何人もいらっしゃいます。「形が気に入ったから、次は取れちゃうのが嫌だな」と思ったタイミングで切開法も選択肢に入れてもらえればと思います。
小鼻のバランスには自信あり
小鼻の大さが気になってます…。何かいい施術はありますか?
鼻孔縁挙上術という最新の方法なら、バランスの良い鼻になりますよ。
鼻は顔の中心にあり、顔全体の印象を左右するので、最近は鼻に関して悩みを持っている方も多くなってきます。
実は、鼻は鼻下1/3を整えるとグッとバランスが良くなると同時に、お顔の雰囲気も一気に変わります。これは、小鼻の縁を切り取って鼻柱とのバランスを整える鼻孔縁挙上術という方法で実現できます。
従来は、鼻のバランスをとるなら、鼻中隔延長術のように中央をさわって整える考え方が主軸でしたが、最近は小鼻側を整えるというパラダイムシフトが起きました。しかも鼻中隔延長術の適応は正直それほど多くないのですが、鼻孔縁挙上術の場合、鼻に悩んでいる方の7、8割ほどの方に適応します。こちらの方法なら、小鼻の大きさに悩む人のうちの多くは、小鼻の厚みが減って、ボリュームのある小鼻がすっきりとスマートな印象になりますよ。
また、「いかにも鼻を手術しました」という感じがほとんどないのが、鼻孔縁挙上の良いところで、希望される方が多いのも納得です。
樹のひかり形成外科での鼻孔縁挙上術の特徴は?
割とがっつり上げます。形には自信がありますよ。
実は当院の鼻孔縁挙上術には特徴があり、かなり思い切って切開して小鼻をぐぐっと上げています。もちろんその分傷跡は残りますがそれ以上に形が変ったことで小鼻のバランスが整います。傷跡はメイクで隠せますが、形はメイクでは隠せません。『良い形にはいい機能が宿る』というのは当院が大切にしている手術コンセプトです。形が整うこの手術は、十分に価値のある手術だと考えています。実際、終わった直後にまだ少し腫れている状態で喜ぶ患者さんを見ていると、こちらも嬉しくなりますね。
また、傷跡もほとんど目立ちません。アフターフォローのための傷跡修正のレーザー治療もしくは瘢痕治療注射(ステロイド注射)2回分も費用に含めていますが、実際のところ傷跡はメイクでほとんど目立たなくなります。
ちなみに最近まで知らなかったのですが、当院の鼻孔縁挙上術がSNSなどで勧められているらしく、問い合わせがものすごく増えています。
施術の痛みや腫れはどれくらいありますか?
痛みも腫れもほとんどないので、ご安心ください。
鼻孔縁挙上術で痛みを訴える患者さんはほとんどいらっしゃらないですね。出た場合でも鎮痛剤でおさまる程度です。また、腫れもそれほどありません。1週間から2週間後に抜糸に来ていただき、抜糸の翌日ぐらいから傷跡部分のメイクも可能になります。
人にもよりますが、一般に目元の手術よりはダウンタイムは短いと思っていただいて大丈夫です。
クマとタルミ、目元の悩みを一気に解決!
目の下のクマを取るのにいい方法はありますか?
年齢によってお勧めは違いますが、タルミが強い方に対して効果的なのはハムラ法です。
目の下のタルミやふくらみの原因は眼窩脂肪の飛び出しや骨の萎縮、皮膚のタルミなどさまざまで、それらが総合的におこっていることもめずらしくありません。
手軽な方法は、目の下の膨らみの部分の脂肪を取って、くぼみの部分に注入する方法ですが、皮膚がたるんでいる場合にはそれだけでは改善できないので、ある程度の年齢の方にはハムラ法をお勧めしています。ハムラ法とは、まつ毛の下の目立たないところの皮膚を切開し、膨らんでいる部分の脂肪をくぼんだ部分に移動させる手術です。余分な皮膚や眼窩脂肪の他、目の周りを取り囲む筋肉も同時に切除することができるので、タルミの程度が強い方には、もっともお勧めの方法です。
タルミがなくなると目元のかげがなくなるうえ、頬がリフトアップしたようになるので、顔全体がとてもいきいきとした印象に変化します。
ハムラ法にはリスクはありますか?
年齢が高いと逆にくぼんでしまったり「外反」になったりすることも稀にあります。ただ、当院での修正手術も対応しています。
眼窩脂肪を移動させすぎたり切除しすぎたりして逆にくぼみができてしまったり、皮膚を切除しすぎて下眼瞼外反(いわゆる「アッカンベー」の状態)になってしまったりするリスクもあります。ハムラ法は正確な解剖の知識や高度な技術が必要なことはもちろんですが、下眼瞼外反は高齢になると増える傾向があるのも事実です。
また、筋肉のハリや下まぶたのめくれやすさ、目の玉と骨格の位置関係などで下眼瞼外反が起こりやすい方もいます。
当院ではしっかりとカウンセリングの時間をとってそういったリスクのチェックをし、様々なリスクを含めた説明をしっかりと行うようにしています。
万が一、下眼瞼外反が起きてしまった時は、術後時間が経っていなければ、比較的簡単に修正手術も可能です。また、術後一週間して抜糸に来ていただいたときに、こちらから修正を申し出ることもあります。患者さん本人は気にされていないようなちょっとした違和感でも、私たちは過去の経験から手術箇所の経過を予測できますし、「手術しっぱなし」にすることは決してないので、安心してくださいね。
糸リフトやハイフでは出せないフェイスラインを
アンチエイジングといえばフェイスリフトの需要も多いのでは?
最近は原点回帰の切開リフトが人気です。
近年、ウェルビービングの考え方の広がりに伴い、年齢を重ねても美しくいたいという方が増えています。加えて、美容手術が身近な存在になり、一昔前に比べて自分のなりたい姿を追い求める方は確実に増えています。
例えば、一時期、糸のリフトやハイフ(HIFU)が流行ったことがありますが、やはり効果に限界があります。一方で切開リフトはフェイスラインがシャープに出ます。また切開リフトだとただ引き上げるというよりは、さまざまな方向に調整して上げていくことができるので、自然な若々しさが手に入るのです。
現役の形成外科医だからこそできる治療
先生が美容の分野に興味を持ったきっかけを教えてください。
特別なきっかけはありません。ただ、形成外科の中で、患者さんの本来あるべき形・機能を整えていたら美容も取り扱う1分野になっていました。
特になにかきっかけがあって美容分野にシフトした意識はありません。というのも、私の専門である形成外科は、文字通りさまざまな技術を用いて体の形を整える医療分野です。例えば、乳がんの患者さんの乳房再建や、唇裂などの先天異常、ケガをした患者さんの修復のような外科的なものなど、体のあちこちを本来あるべき形・機能に整えていきます。
同じ技術でも、マイナスをゼロにする治療が保険治療だとすると、美容医療は「もっと満足したい」ともともとあるものをプラスにしていく治療。自分のなかではつながっていて、美容医療は形成外科の延長線上にあります。現に、クリニックでは保険治療も行っていますし。
当院での保険診療は病気や怪我を治すことを目的としていて、美容医療は人生の質を上げることを目的としています。いずれもより良い形を成すと言う意味で、形成外科の仕事です。もちろんどちらも、最後まで責任をもって行っていますから安心してくださいね。
先生はどんな医療を目指されていますか?
家族に安心して勧められる医療を提供していきたいです。
医療者である以上、患者さんをとにかく大事にすることを目指していきたいと思っています。自分が受けたい医療や自分の家族に受けさせたい医療を提供し、あまり効果のない治療はもちろん施したくないです。医療は流行っているから受けるのではなく、きちんと説明を受けて、納得して受けるもので、医療者側がそれをあおるようなことがあってはいけないと思っています。
私たちが患者さんに提供するのは、“きれいになること”そのものではなく、その先に得られる満足感や、前向きな気持ちというものを大切にしていきたいと考えています。だからこそ、カウンセリングでは目指すところを患者さんと一緒に決めて、そこをゴールに設定して施術をするように心がけています。
クリニックに来られる方に伝えたいことはありますか?
よく考えて、納得してから手術を受けていただきたいです。
クリニックの強みはもちろん手術の完成度ですが、それだけのクリニックにはしたくないと考えています。一度来ていただけたらわかると思うのですが、当院の受付やナースたちはみんな本当に優しいんです。それは、「患者さんを大切にしたい」という私の理念を理解していただける人しか採用していないからです。
もちろんスタッフ教育にも力を入れています。「患者さんの満足を得るのが私たちの仕事の本質で、手術・施術をすることが仕事の本質ではない」と常々言っているので、スタッフみんなが本気で取り組んでいます。
もし、興味のある治療があれば、一度カウンセリングに来てみてください。必要なければそうお伝えしますし、違う治療のほうが効果がでそうであればアドバイスもさせていただきます。
カウンセリングの後には必ず質問タイムを設けますし、帰りにはこれまで受けられた方が質問したことなどをまとめたものをお渡しします。それを読んでじっくり考えていただいて、心が決まったら改めてご連絡いただいて手術を受ける流れで大丈夫です。何度も相談に来ていただいても、メールでご質問をいただいてもOKですので、患者さんご自身が納得できる治療を受けてくださいね。