
機能改善を目指すことで自然と美しい口元に!医学的根拠に基づいた矯正治療とは?|千葉センシティ矯正歯科:石川 宗理 先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー



「千葉センシティ矯正歯科」の強みや特徴を教えてください。

医学的根拠に基づいた治療を提供できるのは強みだと考えます。
私は大学院で骨に関する研究をしていたので、その経験を活かし可能な限り医学的に根拠のある治療を提供できるようにしていることが当院の特徴であると思います。
2012年に東京歯科大学を卒業し、臨床研修終了後、東京歯科大学大学院口腔科学研究科(矯正歯科学専攻)に進みました。博士課程での研究テーマは、軟骨や骨の成長発育関連の研究です。
博士課程卒業後、さまざまなクリニックで歯科矯正に従事した後、2022年の6月に千葉駅前に当院を開業しました。大学院での研究を活かし、エビデンスにしっかり基づいた矯正治療を地元の方々に提供したいと考え、この場所に開業しました。
また、マウスピース矯正だけではなくワイヤー矯正もできるので、さまざまな症例に対応できるのも強みです。

千葉センシティ矯正歯科では、どのような矯正治療が受けられますか?

子どもの矯正治療と大人の矯正治療を行っており、マウスピースやワイヤーなどさまざまな方法に対応しています。
1期治療と呼ばれる子どもの矯正は、さまざまな手法での対応が可能で、拡大床や、ワイヤー、機能的矯正装置などに加え、マウスピース矯正のインビザラインファーストも症例に合わせてご提供しています。
永久歯が生え揃ってから行う2期治療(大人の矯正)は、一部だけを矯正する部分治療と全体を整える本格治療に分けられます。さらに、その手法は取り外しができるマウスピース矯正と、矯正器具を固定するワイヤー矯正があります。
ワイヤー矯正は、表側にワイヤーを装着する方法、目立ちにくいホワイトワイヤーを装着する方法、裏側にワイヤーを装着する方法、上の歯は裏に下の歯は表にワイヤーを装着する方法の4つがあり、マウスピース矯正と合わせて5つの方法に対応しています。場合によっては複数の治療を組み合わせて、ハイブリッドな矯正治療を行います。

マウスピースだけではなく、さまざまな矯正治療に対応できるようにされているのはどうしてですか?

マウスピースはすべての症例をカバーできるわけではありません。どの症例にも対応できるよう、ワイヤー矯正も行っています。
マウスピース矯正は、でこぼこ(叢生)が強い方や難しい症例には向いていません。ワイヤー矯正でも難しい症例を、マウスピース矯正で行うのは困難です。マウスピース矯正だけで対応しきれない場合には、ワイヤー矯正も併用する必要があります。
また、マウスピース矯正は、患者さん自身のモチベーションが高くなければ結果に結びつかない矯正方法です。1日に20~22時間という装着時間を守れない方には向きません。
裏側からの矯正に関しては、医学的には特にメリットはありません。しかし、矯正器具をできるだけ目立たせたくないという患者さんはいらっしゃいますので、そのニーズに応えるために対応しています。
当院はさまざまな矯正方法に対応できるため、マウスピース矯正では対応できない難しい症例も、ほかの矯正方法で補えます。

子どもの矯正治療は大人の矯正治療とどう違うのでしょうか?

1期治療は、成長発育をしている段階で行うことで、正しい顎の成長を促すことが目的です。
お子さんの矯正治療は、成長発育中の乳歯と永久歯が混在している状態から矯正治療をスタートします。
6歳以降のお子さんは、成長にしたがって上顎と下顎の骨も伸びていきます。成長段階で矯正治療を行えば、ある程度はその伸びしろに対して介入することができるのです。
大人の歯列矯正は、たとえるなら既に土地の形や大きさが定まった中で建物を動かすようなものです。しかし、まだ成長の途中にあるお子さんなら、歯列やあごが狭い場合、大人よりも低いリスクで広げられる可能性があるのです。
たとえば、骨格的な出っ歯(上顎前突)であれば下顎の成長の伸びしろを増やすアシストをしてあげることで改善を目指せます。
そのほか、放置しておくと悪くなりそうな歯並びを矯正したり、埋まっている歯(埋伏歯)を埋まらないようにしたりすることで、歯並びが悪くなることを予防し、大人になってから行う矯正治療の負担を軽減することが期待できます。


子どもの矯正治療は必ず必要なものですか?

6~7歳になったら矯正が必要かどうか、無料矯正相談を受けていただくことをおすすめします。
1期治療だけで100点の歯並びになる方もいらっしゃいますが、噛み合わせをしっかりと改善するためには永久歯が生え揃ってから2期治療が必要になる方がほとんどです。
ただし、1期治療をしておいたほうが2期治療も楽になります。また、2期治療からで大丈夫なお子さんもいますので、6~7歳の段階でレントゲン検査を受けて、1期治療が必要かどうか確認しておくことをおすすめします。
当院では、口腔内写真やレントゲン撮影などを含む無料矯正相談を行なっています。1期治療をしておくことでさらによい歯並びを目指せるケースもありますので、お子さんが6歳になったら、矯正が必要かどうかを確認するためにも、まずはご相談いただければと思います。

矯正治療をすることにより、見た目の改善以外で得られるメリットにはどのようなものがありますか?

口を閉じにくかった方が鼻呼吸をしやすくなるほか、歯のケアもしやすくなり、むし歯や歯周病の予防にもつながります。
矯正治療とは見た目を美しくするための治療だと捉えられることが多いのですが、実は機能を整えようとすると、歯は正しい位置に並べなければならないのです。
たとえば、出っ歯の方は口を閉じにくいため、口呼吸ではなく鼻呼吸になってしまいます。矯正によって噛み合わせが改善されれば、口が閉じやすくなるので自然と鼻呼吸ができるようになるのです。
口呼吸をすると口の中が乾燥し唾液の作用が弱まりますし、細菌が鼻腔というフィルターを通さずに口の中へ入るため、むし歯や歯周病のリスクにつながります。鼻呼吸になることでそういったリスクを軽減することが期待できます。
また、歯並びが悪いと歯磨きがしづらいというデメリットがあります。矯正することで、ご自宅でのセルフケアも歯科でのクリーニングもしやすくなりますので、むし歯や歯周病の予防につながります。
そのほか、しゃべりにくさ、というのは歯並びだけではなく、舌や唇の使い方も大切になりますが、矯正治療によって改善が期待できる場合があります。さらに、将来、歯を失った場合にも治療がしやすいというメリットもありますね。

歯を失ったときに治療がしやすいというのは、具体的にどういうことか教えていただけますか?

歯並びが整っていないときれいに治療をすることも難しいのです。
歯並びがよいというのは、土地にたとえるなら碁盤の目のように区画が整理された土地を持っているということです。
たとえば、三角形の土地に四角い家を建てるのは難しいですよね。歯の治療もそれと同じです。むし歯の治療をするときに、もともと歯の根が正しい位置に並んでいなければ、きれいにむし歯治療をすることは難しいのです。
矯正治療というのは、唯一、歯の根を正しい位置に並べ直すという区画整理ができる治療です。

その方に最適なプランと患者さんのご希望とをすり合わせていくオーダーメイド矯正治療

実際に大人の患者さんが矯正治療を行う場合の流れを教えてください。

検査をもとに治療計画を立て、患者さんに合ったプランを決めてから治療を始めます。
大人の方の矯正治療も、まずは初診相談から始まります。レントゲン撮影や型取りなどの検査を行い、治療プランを立ててご提案します。
ご提案したプランの中から、患者さんのご希望や状況に合わせて、最適なプランを選んでいただきます。プランが決まったら、矯正治療のスタートです。
矯正にかかる期間は個人差があり、もともとの歯の状態や治療のプランによって異なります。抜歯の必要がある方で約2~3年、抜歯の必要がない方は1~2年で終わる可能性もあります。
また、矯正が終わった後、動かした歯は元の位置に戻ろうとするため、動かした歯を保定装置によって抑え安定させるメンテナンスが必要です。保定する期間は、少なくとも2年間です。加齢によって歯は動きますので、半永久的に保定は行ったほうがよいでしょう。
後戻りを防止する保定装置(リテーナー)は、マウスピースのように取り外しができるタイプや、歯の裏側にワイヤーを固定するタイプなど複数ありますので、患者さんにふさわしいタイプをご提案しています。

オーダーメイド矯正治療とはどういった治療なのでしょうか。

患者さんのご希望やライフプランに寄り添い、必要に応じて複数の矯正方法を組み合わせながら治療を進めていく矯正治療です。
オーダーメイド矯正治療では、カウンセリングで患者さんがいつまでにどの範囲をどの方法で治したいとご希望されているのかを伺います。また、患者さんの生活背景に加え今後の大切なイベントのご予定もお伺いし、ライフプランに寄り添った治療のスケジュールを組み立てていきます。
検査で骨格や歯の状況を確認し、歯科医師の目線からおすすめのプランもご提案します。マウスピースだけ、あるいはワイヤーだけといったように1つの矯正方法にこだわることなく、必要に応じて複数の治療方法を組み合わせながら、患者さんのニーズに応えられるプランを考えていきます。
また、結婚式や成人式など「大切なイベントが近いのでそこまでに見えるところをきれいにしたい」などの患者さんのご希望があれば、ご希望の日程までに前歯だけを並べるといった個別プランをご提案することも可能です。


矯正治療のプランを立てるにあたって先生が大切にしていることを教えてください。

リスクを理解したうえで短期間で部分的な矯正をしたいのであれば、そのご希望を踏まえすり合わせていきます。
歯科医師として、その方にとってベストな矯正治療のプランは常に提示したいと考えています。しかし、患者さん側はそこまで望んでいない場合もあるのです。たとえば、「上の前歯だけを矯正したい」と希望される患者さんは多くいらっしゃいます。見えるところだけを部分的にきれいに並べられればそれでよいというご希望です。
このような目的で行われる矯正治療は、歯並びや噛み合わせを改善することで機能改善を目指すという歯科医療の目的や理想からははずれ、リスクが伴います。だからと言って、患者さんのご希望に応えないわけではありません。リスクについてきちんと説明し、そのリスクをご理解したうえでその矯正方法を選ぶのであれば、患者さんのご希望に添った治療を行います。

カウンセリングではどのような点を大事にされているのでしょうか?

患者さんが求めていることを早い段階で汲み取るように努めているほか、リスクをしっかりと説明しご理解いただくように心がけています。
カウンセリングでは、患者さんのご希望と現実がどのくらい離れているのかを早い段階で把握するように努めています。
たとえば、顎変形症という病気だと診断されれば、保険適用となり自由診療の矯正治療と同じくらいの金額で手術をし、症状や機能の改善を目指すことができるのですが、中には手術を希望されない患者さんもいらっしゃいます。
顎変形症とは、上顎や下顎のバランスが崩れ、噛み合わせが正しくできない状態(不正咬合)のことです。歯科医師の視点から先を見据えれば、手術によってきちんと口を閉じられるようになったほうがよいと考えますので、手術をしない場合のリスクやデメリットを説明します。そのうえで、手術を選択しないのであれば、矯正治療に進んでいただくようにしています。
抜歯についても同様です。矯正にあたって抜歯が必要になる場合がありますが、どうしても歯を抜きたくない方もいらっしゃいます。その場合には、抜かないリスクやデメリットを十分に説明し、ご納得いただいてから治療するようにしています。
治療が終わった後に、患者さんに「治療しなければよかった」という思いはしてほしくないと考えます。そのために、リスクやデメリットのほうをより多くご説明するように心がけています。


矯正治療を早く終わらせる方法はあるのでしょうか?

短縮できる工程を短く済ませ、動かし方を工夫することで可能です。
基本に則った治療を行ったうえで、計画上短縮できる工程を短くすることと動かし方を工夫することが早く終わらせる方法だと考えます。
たとえば、抜歯と同時に装置をつけ、骨の再生のタイミングを有効活用するなど少し大変な方法になりますが、全ての抜歯と装置の装着を1日でやることにより2〜3ヶ月の短縮になります。
そのほか、医学的根拠の認められた短縮方法に骨を切る方法(コルチコトミー)があります。ご希望の方には外科の先生と連携を取って治療を行うことが可能です。

デザインでこだわっている点があれば教えてください。

美しさの基準は人によって違うのでデザインを押しつけることはしません。患者さんと仕上がりのゴールをすり合わせていくようにしています。
人によって骨格が異なるため、「このような口元にしたい」というご希望があったとしても、その通りにできるとは限りません。その方の骨格によってできることとできないことがあり、骨格ごとに矯正治療としての適したゴールがあります。
ご希望に添えないと伝えることで患者さんをがっかりさせてしまうことになるかもしれません。しかし、カウンセリングの段階でできないことは「できない」とお伝えし、ゴールをすり合わせていくようにしています。

矯正にはやはり痛みがともなうのでしょうか?

痛みの感じ方には個人差がありますが、時間の経過とともに次第に慣れていきます。
痛みはないとおっしゃる方もいる一方で、大人の方でも、痛みに耐えられず途中でやめられた患者さんが1人だけいらっしゃいました。お子さんの場合は、やはり痛みを訴えるので頑張ってもらうことか多いですね。
とはいえ、痛みの感覚というのは時間の経過とともに慣れていくものです。処置をした2~3日後が痛みのピークで、1週間ほどかけて徐々に軽減していくと言われています。
実際、矯正器具を装着した1か月は、「痛みでおかゆとパスタしか食べられませんでした」とおっしゃっていた方も、半年ほど経つと痛みに慣れてくるようです。
また、「マウスピースのほうが最初の数ヶ月は痛みを感じにくい」という論文はありますので、ワイヤーよりマウスピースのほうが痛くないと考えてもよいのかもしれません。ただし、これについても個人差があると思います。

新しい技術も取り入れながら矯正治療の道標となるようなクリニックを目指す

先生が今後実現していきたいことや、矯正治療に関しての展望はありますか?

マウスピース矯正は、CADやAIの技術革新にともなってさらに進化していく可能性があるので、今後も新しい技術を取り入れていきたいと考えています。
ワイヤー矯正に関して今後、進化するところがあるとすれば、素材の可能性が高いと考えています。
一方、マウスピース矯正については、CADやAIなどの技術革新に対応できる幅が広いので、今後さらに進化していくことが予想されます。進化に取り残されないようにしていきたいですね。
患者さんにメリットのある診療を提供するために、医学的根拠が確認できれば、新しいことも取り入れていきたいと考えています。
「千葉センシティ矯正歯科に行けば大丈夫」と、10年後、20年後も皆さんに思っていただけるようなクリニックを目指しています。

最後にこれから訪れる方へのメッセージをお願いします。

矯正治療に関して皆さんの道標になりたいと考えていますので、お気軽にご来院ください。
現在、インターネットでさまざまな矯正の情報を得ることができると思いますが、その情報は虚実入り交じったものです。できるだけフラットにご説明することで、矯正治療の道標になりたいと考えています。
矯正治療で困ったことやわからないことがあれば、当院までご相談ください。お気軽にご来院いただければと思います。
