小児矯正からインプラント治療まで幅広く対応。3世代で通院できるクリニック|やまだ歯科・こども歯科クリニック 山田 清彦 先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
やまだ歯科・こども歯科クリニックのコンセプトを教えてください。
お子さんからご年配の方までご家族3世代で通っていただけるクリニックです。
当院は、小さなお子さんから親御さん、お祖父さん・お祖母さんまで、ご家族揃って3世代で通っていただけるクリニックです。
それぞれが過ごしやすいよう、待合室と診察室はお子さん用と大人の方用で分けています。
お子さんに歯科を楽しい場所と思ってもらえるようキッズスペースを設けているほか、お子さん用の診察室には、ビデオを見ながら治療を受けられるよう天井にテレビモニターを設置しています。一方、大人の方にはリラックスしてお待ちいただける待合室をご用意しました。
幅広い世代の方の診療に対応できるのはもちろん、むし歯・歯周病治療をはじめとする保険診療から、インプラントや矯正治療などの自由診療まで、さまざまなニーズにお応えできるのが当院の強みだと思います。通院が困難な方には訪問診療もおこなっていますので、ご相談ください。
幅広い診療をおこなっていますが、中でも予防が大切だと考えて力を入れています。お子さんの歯がむし歯にならないよう予防することが大切ですし、大人の方の場合は、悪いところを治療したうえで再発しないように管理していくことが大事だと考えます。
子どもでも矯正治療を受けられますか?
5~6歳から矯正治療を始められます。
小児矯正は、歯並びをきれいに整えるだけではなく、顎が大きく成長するのを助けます。お子さんのうちから矯正治療しておくことで歯がきれいに並ぶ土台ができあがり、大人になって抜歯矯正するリスクを減らすことが期待できます。
お子さんのうちから矯正治療を始めれば、成長の力も利用できます。マウスピースに加え、筋肉能療法(MFT)も併用し、口まわりの筋肉が正しく機能するようトレーニングします。
子どものうちから矯正治療をおこなうと具体的にどのようなメリットがありますか?
矯正治療は、全身の成長にもプラスにはたらきます。
最近は、むし歯のあるお子さんが減っているのに対して、顎が小さく歯並びの悪いお子さんは増えています。顎が小さくなったのは、柔らかい食べ物が増え、噛む回数が減ったためではないかと言われています。
歯並びだけが要因ではありませんが、口呼吸のお子さんが増えているのも最近の特徴です。口呼吸は、鼻のフィルターを通さず外気が直接のどに触れるので、感染症・喘息・アデノイド肥大などを引き起こす可能性があります。
また、顎がしっかり成長するためには、口を閉じ上顎に舌がついていることが必要な条件だとされていますが、口呼吸だと舌は上顎につかず落ちてしまいます。
矯正治療で正しいポジションに舌を置く習慣を身に付ければ、鼻呼吸できるようになり、顎の成長も促されます。さらに、顎が大きくなれば、鼻腔も広がり、鼻の通りがよくなることが期待できます。矯正治療は、口腔内だけではなく、全身の成長にとってプラスにはたらくと考えられます。
大人の矯正も機能面の改善を目的におこなうことがありますか?
噛み合わせの改善を目的に矯正治療をおこなう場合もあります。
見た目を気にして歯並びをきれいにしたいというご希望で来院される方がほとんどですが、歯並びが悪いことで噛みにくさを感じご相談に来られる方もいらっしゃいます。また、中には機能的に矯正をしたほうがよい方もいらっしゃいます。
たとえば、開咬(かいこう)と言って上下の前歯にすき間が空いている噛み合わせの方は、前歯でしっかり噛むことができず奥歯に負担がかかり、奥歯が根から折れてしまうことがあります。
折れた歯をインプラントにすることも可能ですが、折れた原因が噛み合わせにあるなら、またいずれ折れてしまいますので、矯正治療もおこなう必要があります。
ワイヤー矯正とマウスピース矯正の違いを教えてください。
マウスピース矯正は、透明で目立ちにくく、取り外しできるという利点があります。
ワイヤー矯正もマウスピース矯正も、歯に力をかけて動かし、歯並びを改善するという仕組みは同じです。また、どちらの治療法でも、もともとの歯並びによっては抜歯が必要になることがあります。
当院で矯正治療される方は、ほとんどの患者さんがマウスピース矯正を希望されます。マウスピース矯正のメリットは、透明で矯正治療していることが目立ちにくい点、食事や歯磨きのときはずすことができるのでむし歯になりにくい点です。
一方、ワイヤー矯正は、矯正器具が目立ちやすく、痛みが生じたり口内炎ができたりすることもあります。また、ワイヤーはずっと装着したままなので、磨き残しが生じてむし歯になりやすい点もデメリットです。
ただし、マウスピース矯正は、1日20時間装着する必要があり、衛生面はご自身で管理する必要があります。また、マウスピース矯正では対応が難しい症例があることや、ワイヤー矯正よりコストがかかる点もデメリットかもしれません。
また、どちらの方法で矯正しても後戻りが起きるリスクがありますので、リテーナーを付けて保定観察を続ける必要があります。
マウスピース矯正をおこなう際の流れを教えてください。
シミュレーションをご覧いただき、治療を希望される場合は精密検査に進みます。
まずは無料相談にご来院いただき、光学スキャナーで口腔内のスキャンを行います。1~2分で簡単なシミュレーションができますので、仕上がりのイメージを確認していただきます。
治療を希望される場合は、精密検査に進みます。口腔内の模型を作るほか、口腔内写真・全身写真の撮影、パノラマ・CT・セファロ(頭部X線規格写真)などの画像検査をおこない、検査結果をもとに治療期間や費用をご提案します。
検査で、歯周病やむし歯が見つかった場合や抜歯矯正が必要な方は、矯正を始める前に治療をおこないます。
周りの歯に負担をかけず、しっかり噛める毎日を取り戻すインプラント治療
インプラントを選択するメリットを教えてください。
周りの歯に負担をかけず、しっかり噛める点です。
歯を失ったとき、それを補う手段には入れ歯・ブリッジ・差し歯・インプラントなどの選択肢がありますが、インプラントなら周囲の健康な歯に負担をかけることがありません。
ブリッジを装着するには、両隣の歯を削る必要があります。部分入れ歯も、残っている歯にバネをかけて装着します。本来なら失った歯にかかるはずだった力が周囲の歯にかかるので、残された健康な歯に負担がかかります。
また、インプラントは顎の骨に埋め込み人工歯を取り付けるため、しっかりと固定されます。入れ歯のような不安定さはなく、自分の歯と同じように噛めます。
そのほか、インプラントを利用して噛み合わせの調整をおこなうことも可能です。奥歯は、物を噛むとき必要以上に深く噛み合わせないためのストッパー的な役割を担っています。奥歯が失われると、前歯に負担がかかり、噛み合わせのバランスが崩れる可能性があるのです。これを防ぐには、奥歯にインプラントを入れて調整する必要があります。
インプラントの費用を抑えたい方に代替プランはありますか?
インプラントと入れ歯を組み合わせた方法をご提案することもあります。
インプラントには多くの利点があるものの、保険適用の入れ歯やブリッジと比べ価格が高いのはデメリットのひとつかもしれません。しかし、メンテナンスを続ければ何十年も使い続けることができます。
また、インプラントのネジの上に人工歯を被せるのではなく、入れ歯を装着するインプラントオーバーデンチャーという治療法は、通常のインプラントよりコストを抑えられつつ、入れ歯より安定性があります。
インプラントオーバーデンチャーは、ご自身の歯がまだ残っていて、その歯が将来抜ける可能性がある方におすすめの治療法です。インプラントオーバーデンチャーにしておけば歯が抜けても追加しやすいので、将来を見据えて治療計画を立てご提案することもあります。
インプラント治療をおこなう場合の流れを教えてください。
各種検査後、CT検査をもとにシミュレーションをおこない、問題がなければ手術に進みます。
レントゲンや口腔内写真の撮影、むし歯や歯周病の検査をおこない、全身状態の確認をしたうえで適応かどうかを診断します。インプラントを埋め込む部分に十分な骨がない場合、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)や糖尿病などの持病がある場合は、インプラントを選択できないことがあります。
さらに、CTや3D画像撮影で骨の状態を検査するほか、模型を作って噛み合わせの診断をおこなうこともあります。
検査に問題がなければ、CTで得たデータをもとに、手術のシミュレーションをおこない、インプラントを埋め込む位置や深さ、角度、噛み合わせなどを設計し、患者さんにご確認いただきます。
当院では、シミュレーションデータをもとに、正確な位置にインプラントを埋入するため、マウスピースのような手術用のガイド(テンプレート)を作り、装着した状態で手術をおこないます。
施術の痛みにはどのような配慮をしていますか?
術中は局所麻酔を使い、術後は腫れや痛みを抑える薬を処方します。
インプラントの埋入は抜歯より痛みは少ないと言われていますが、痛みに配慮し、局所麻酔を使って手術をおこないます。手術や痛みに不安がある方には、少し眠くなる薬を追加することもできますので、ご相談ください。
手術の内容によっては、術後に腫れが出る場合があります。骨の少ない方には人工骨を足す骨造成手術をおこないますので、歯茎の切開部が大きくなります。同時に複数本の埋入をする方も同様です。
傷が大きくなるケースでは、内出血が起こりやすく腫れや痛みが生じる可能性があります。しかし、小さな穴を開けるだけの手術であればほとんど腫れることはありません。
できるだけ術中や術後に不快なことがないよう、必要に応じて鎮痛剤や消炎剤、抗生物質などを処方して、痛みや腫れの緩和に努めています。
インプラント埋入後はメンテナンスが必要ですか?
定期的なクリーニングや噛み合わせの調整が必要です。
歯には免疫機能を持つ歯根膜がありますが、インプラントは人工物を骨に埋め込んだものなので周囲には守ってくれる組織がありません。細菌が侵入した場合は感染のスピードが早く、炎症を起こしやすいので注意が必要です。
インプラント周囲炎を防ぐには、定期的に腫れや膿みがないかをチェックし、インプラント周囲の汚れや歯石を除去して清潔に保つことが大切です。
また、インプラントの人工歯は、通常、セラミックの一種であるジルコニアを使用します。ジルコニアは硬い素材なので、噛み合う歯が天然の歯だと、健康な歯が摩耗する可能性があります。噛み合わせもこまめに確認し調整することが大切です。
フルオーダーで周囲の歯の色に合わせ自然な仕上がりを目指すセラミック
セラミックはどのような方に向いていますか?
自然な色味の美しい歯にしたい方に向いています。
セラミックは、金属と同じくらいの硬さを持つメタルフリーの白い素材です。美意識が高い女性の方や、人前に出ることの多い職種の方が希望されます。
また、ホワイトニングで歯を白くするので、その色に合わせて銀歯からセラミックに変えたいという方もいらっしゃいますね。
セラミックは基本的にフルオーダーで、ご自身の歯の色に合わせて作ります。そのため自然な仕上がりを目指せます。
保険適用の差し歯や被せ物をセラミックに変えるメリットを教えてください。
着色しにくく、硬い素材で摩耗しにくいのがメリットです。
保険適用の被せ物や詰め物の素材は、基本的にプラスチックなので、時間が経つにつれて変色します。色の濃い食べ物を口にすると、着色が起きるのです。一方、セラミックにはあまり着色が起きません。万が一、汚れが付いても磨けば元の色に戻ります。
また、セラミックは硬い素材なので摩耗に強く、一度入れたら長持ちするのもメリットです。
セラミックには理想的な厚みがあり、その数値より薄いと一部が欠ける恐れがあります。当院では、欠けを防止するため、推奨される厚みを守って被せ物や詰め物を作っています。施術の際は時間をかけ、口の中のさまざまな動きを細かく確認しながら調整します。
歯ぎしりや食いしばりがある方は割れるリスクが高くなるため、寝るときだけマウスピースを使っていただくようご提案もしています。しかし、万が一欠けてしまった場合に備え、当院では3年間の保証を設けていますので、ご安心いただければと思います。
患者さんとお話しする際に気を付けている点を教えてください。
患者さんが本当に望んでいることは何かを伺うように心がけています。
カウンセリングは30分~1時間かけておこないます。患者さん自身がどうなりたいのか、どうなったら幸せなのかを考えてお話しするようにしています。できるだけ患者さんの望みを掘り下げて伺うように心がけています。
お一人おひとりの状態とご希望を踏まえ、できるだけ長くよい状態を維持できて再治療の必要がない治療計画をご提案します。
そして、患者さんのお考えを尊重し治療方針を決めてから、実際の治療に入ることを大切にしています。
これから力を入れていきたいことを教えてください。
口の中のお悩みを改善することで幸福度を上げるお手伝いをしていきたいと思います。
インプラントや矯正治療に力を入れたいと考えています。インプラントは埋入するだけではなく、正しい噛み合わせにすることが大切です。そのためにも、インプラントだけではなく矯正治療にも力を入れていく必要があります。
そして、歯科診療を通して、地域の方々の幸せに貢献していきたいと思います。口の中のお悩みが改善されて、幸せな人生を送るお手伝いができたら、それが私にとって一番嬉しいことです。