骨切りで土台から理想の輪郭へ！　小顔を目指すための顎矯正手術や輪郭3点手術とは？|CONTOUR CLINIC TOKYO：山本 崇弘 先生

医学部5年生のとき、授業で先天性奇形のお子さんへの大がかりな骨切り手術を見学する機会に恵まれました。そこで、これほど見た目を変えられる手術があるのだということを知り、驚くと同時にとても魅力を感じました。

それがきっかけで骨切りを学びたいと考えた私は、骨切り手術を多く行っている東京警察病院に入職し、臨床研修をおこないました。

その後、東京大学医学部附属病院の形成外科・美容外科に入局し、血管や神経を縫合するマイクロサージャリーにも携わりましたが、やはり骨切りを学びたいと思い、当時自治医科大学形成外科教授、現在リラ・クラニオフェイシャル・クリニックの菅原康志先生のもとで骨切りを学ぶことにしました。

その後も帝京大学医学部附属病院や東京警察病院、東京美容外科で骨切りについて研鑽を積み、2023年11月に当クリニックをオープンしました。

骨切りの手術は大きく2つに分けられます。1つは顎矯正手術、もう1つは輪郭3点手術です。

顎矯正手術とは、下顎前突症（しゃくれ顔）、ガミースマイル、上顎前突症（出っ歯、口ゴボ）、下顎・オトガイ後退症（顎なし）、顔面非対称といったお悩みの方が適応で、噛み合わせと関係するため歯科矯正と連携しておこなう手術です。

輪郭3点手術とは、頬骨・エラ・オトガイの骨切りを行い顔の外周を整える手術です。頬骨やエラが張ってゴツゴツしてる、オトガイが太い、顔の余白が大きいといったお悩みの方が適応となります。

また、顎矯正手術と輪郭3点手術、顎矯正手術と頬骨骨切り術など複数の手術を組み合わせることも可能です。

顎矯正手術は、下顎の形や大きさの異常、不正咬合（噛み合わせの異常）を標準的な骨格に戻すことを目指す手術なので、標準的な骨格から離れている方ほど効果を実感していただきやすいと思います。検査前に、CTで骨格を確認しますが、標準的な骨格かどうかを簡易的にセルフチェックする方法もあります。

たとえば、まっすぐ正面を向いて遠くを見たとき、鼻の付け根から真下にラインを引いて、顎がそのラインより前に出ていたら下顎前突症（しゃくれ顔）だと判断できます。また、笑ったときに歯茎が3mm以上露出されるならガミースマイルです。セルフチェックでこういった傾向が見られたら顎矯正手術を検討されてもよいでしょう。

輪郭3点手術も同様で、標準的な骨格から離れ、骨が目立つ方（ボーンドミナント）は、手術後に変化がわかりやすいと思います。

逆に、脂肪が多い方は結果がわかりにくいので、骨切りと合わせて脂肪吸引を提案することもあります。

CT検査によってどの施術が適応となるかアドバイスできますので、まずはお気軽にご相談ください。

土台である骨格にアプローチをして、根本的な治療をおこなえるのが骨切りです。土台である骨格が大きい場合には、脂肪吸引などほかの施術をおこなっても骨格より小顔にすることはできません。

また顎が出ているのであれば、骨切りをしない限りベースラインは変わらず、顎の主張は強いままです。

顔の土台である骨格を決めたうえで、肉や皮膚のボリュームバランスを決めていく必要があり、小顔を目指すなら最初に行うべき施術が骨切りだと考えています。

まずご予約の段階で問診票に細かくお悩みやご希望を書いていただくようにしています。骨切りの手術では、お悩み、なりたい理想の姿、不安の3点を事前に明確にしておくことが大事です。また、機能異常はおろそかにできませんので、問診票では見た目のお悩みに加えて顎関節症に関する質問にもご回答いただきます。

レントゲンやCTをもとにカウンセリングを進めていきますが、その際に鼻も輪郭のひとつとしてプランをご提案します。たとえば、鼻が低く口元が出ているのがお悩みの場合、実際に顎の骨が出ていることもあれば、鼻が低いことによって相対的に顎が出て見えることもあるためです。両方とも手術する必要があるかどうかを総合的に判断し、理想に近付けていく必要があります。

横顔の完成イメージは、2Dでシミュレーションを共有しながらカウンセリングをします。顎矯正手術に関してはシミュレーションを提示しやすく、ゴールのイメージをあらかじめ視覚的に患者さんにご確認いただけるので非常に有用だと考えています。

骨切りの手術を受ければ「こういう顔になれる」ということをイメージしていただき、提示したイメージを実現できるよう努めています。

ただし、骨切りだけでは理想の姿が完成しない場合があります。たとえば骨切りによって、たるみが起きた場合の対処についても事前に話しておく必要がありますね。

骨切りの手術をおこなうにあたり、確実性と安全性を重視しています。

そのために、骨切りに慣れたスタッフでチームを作り、周術期管理と呼ばれる手術を安全に行い、手術後の回復を促すためのさまざまな処置を徹底し、事故が起きないように努めています。たとえば、麻酔の管理、術前・術後の管理、禁煙指導、口腔内環境の指導、歯科衛生士による口腔内クリーニングなどです。

また、万が一、術後に何か起きたときもすぐに対応できるよう、クリニック近くのホテルに滞在していただくようにお願いしています。遠方の方であれば1週間、お近くにお住まいの方でも3日ほどは宿泊して様子を見ていただきます。

リスクには個人差があり、施術によっても異なりますが、腫れ・血腫・感染などが起きる可能性があります。その方の体質や施術によって起きやすいリスクや合併症があれば、カウンセリングで説明いたします。それ以外のリスクは、パンフレットをお渡しし、事前に読んでご理解いただくようにお願いしています。

また、手術時の出血に備え、あらかじめ400ccの血液を輸血用に採らせていただきます。

ダウンタイムは術式によって異なりますが、顎矯正手術も輪郭3点手術も、腫れが引くまではだいたい3か月ほどかかると思っていただくとよいでしょう。腫れや出血については個人差が大きく、皮下脂肪が少なく腫れるスペースがあまり多くない方、活動的な方は腫れにくい傾向があります。

術前、術後はお酒とタバコを控えていただく必要があります。お酒は1～2週間前から、術後も1か月は控えていただきます。タバコは術前2か月前から、術後2か月は禁煙をお願いします。

また、顎矯正手術は、噛み合わせに関係しますので手術後3週間は流動食で過ごしていただき、その後3か月間、硬い食べ物は避けていただく必要があります。

痛みは個人差があるので、痛みなしを0、想像できる最大の痛みを10として、0～10の数字を使って患者さんに痛みを教えていただきます。

患者さんの感じている痛みに応じて、薬を増やしたり、痛み止めの注射を追加したりすることで痛みをコントロールするように心がけています。また、術後の痛みには、長時間作用する麻酔薬を使用します。

この患者さんは、他院ですでに頬骨とVラインの骨切り手術を受けていらっしゃいます。手術によってかえって顔が平坦になり、間延びして見えるのがお悩みで、頬の膨らみを取り戻したいとのご希望で来院されました。

こうなってしまった原因は、頬骨を縮小したものの、顎はそのままにしたため顔の横幅だけが狭くなったことです。正方形の横を削れば、長方形になりますよね。顔の長さ自体は実際には変わっていないのですが、横幅が狭くなったことで顔が長く見えてしまっています。

そこで、輪郭3点手術と頬への骨移植をご提案しました。

すでに頬は骨切りをしているため、足りない部分は移植して補うことにしました。骨移植により頬のボリュームを取り戻すことで、斜めから見たときにふっくらと見えるようにしています。

また、顎先を短くして全体のバランスを整えることによって、全体的に丸みがあって可愛らしい印象を目指しました。

この症例に限らず、患者さんの悩んでいることをいかに改善して理想に近づけられるかにこだわって手術を行っています。

この方の場合は再建手術になりますので、途中で何度も何度もこの位置でよいかを確認しながら、細かな調整を重ねました。

人間の目は、具体的にものを計測しながら見られるわけではないので、実測値ではなく、ぱっと見たときに与える印象を意識しています。メイクのハイライトと同じで、人間の目の錯覚を利用しながら、光と影をうまくコントロールすることが大事です。

ここを削ってこう足せばもっと可愛くなるのではないかと調整を重ねていきます。最終的な調整に一番時間をかけていますし、彫刻を作るように1mm、2mmのほんのわずかな違いにこだわり、集中して行います。

美的感覚に左右される部分になりますが、手術を受けに来られる方は、私の症例を可愛いと気に入ってくださっている方だと思います。ですから、私自身の感覚や細かなこだわりを全力で発揮しなければならないと考え取り組んでいます。

この方は、顔の長さ、鼻の周りのへこみ、下顎が少し出ていることがお悩みでした。顔の長さを短く、横顔に立体感を出し、顎の突出を改善したいというのがご希望です。

レントゲンとCTで分析したところ、軽度の受け口（下顎前突）があり、下顎の長さも平均より少し長かったため、顎矯正手術に加えVライン形成術をご提案しました。

顎矯正手術では、事前にシミュレーションソフトを使ってプランニングします。手術中に少し調整を加えることはありますが、基本的には、事前のプラン通りに手術を実施します。そのため、まずよいプランを考えなければなりません。そして、プランを再現する技術が必要です。

診断学と患者さんの好みをもとに、これまで培った経験を活かしてプランを考えていきます。

診断学とは、レントゲンやCTなど画像検査の結果を分析し、そこから最適な診断と治療を導き出す学問です。標準的な骨格と現在の状態を比較し、そのずれをどれくらい修正すればよいかを導きます。

また、顎を手術する場合も、顎だけを見るのではなく鼻の高さや唇の厚さなど、ほかのパーツとのバランスを考えながらその方にとって最適なゴールを見つけていきます。

診断学では、下顎の前突がこの数値なら、この程度下げればきれいに見えるという基準値が決まっています。シミュレーションソフトにデータをインプットすれば、基準値が提示されます。基準値はもとの骨格によって広い場合と狭い場合があります。

基準が狭い場合には、データを入れればおのずとプランが決まり、広い場合には患者さんの好みを聞きながら、調整していくことになります。

プランニングにあたって、患者さんに事前に確認することは、改善したいところ、なりたい姿、なりたくない姿の3点です。伺ったご希望をもとに、最適なプランとしてアウトプットするのが私の仕事です。

その患者さんが何を大切にしていて、どういう方なのかというバックグラウンドを意識してカウンセリングするように心がけています。また、カウンセリングをするときの話し方や間合いについてはとても気を付けていますね。

患者さんに一生懸命に寄り添って話したつもりだったのに、それが伝わらなかった経験もあります。患者さんの口コミを見て気付いたのですが、私が真剣に話すと「怖い」と受け取られてしまうことがあるようなのです。

何が原因なのだろうと悩んだところから、接遇への取り組みが始まりました。実は、カウンセリングのためにスピーチのトレーニングにも通いました。

骨切りと共に歯科の矯正やインプラント治療、クリーニングなども院内で全て提供できるクリニックを目指しています。

チームで骨切りを提供できる理想郷を作りたかったので、開業前に、麻酔科の医師・歯科医師・看護師など信頼できる仲間を集めました。スタッフ同士も仲が良く、雰囲気が良いクリニックですので、患者さんも通いやすいのではないかと思います。

患者さんに「ここで手術を受けてよかった」と思っていただくことを目指して、日々の診療に当たっています。

骨切りをアジア全体に広めていきたいと思っています。また、今後は後輩の育成にも力を入れていきたいですね。たとえば、当クリニックで骨切りの手術をすることが若手の登竜門となるようなクリニックを目指していきたいです。

そして、いずれはボディにもアプローチし、顔に限らず全身の形を整えられる「CONTOUR CLINIC TOKYO」という方向性でブランディングしていけたらと思っています。

やりたいことがたくさんありすぎて困るのですが、実はインナーアンチエイジングにも力を入れていきたいと考えて、現在準備を進めているところです。

骨切りは怖い手術だと思っている方が多いかもしれませんが、今までの常識を覆していきたいと考えています。

骨切りを検討している方にとって、当クリニックが最善の選択肢となることを目指し、細かなところまで配慮しています。骨切りが怖いと思っている方こそぜひご相談にいらしていただければと思います。

また、鼻の施術を得意とする石川 菜緒 医師も在籍しています。優しい医師ですので、骨切り以外の施術を検討している方もご来院ください。