「生理痛には保険が効くことを知ってほしい」女性の健康をサポートし社会を元気にする Ladies clinic LOG 原宿:清水 拓哉先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
貴院ではどのような施術が提供されているのでしょうか?
当院ではピルの処方・子宮頸がんの検査などの婦人科の治療と、医療脱毛を中心とした美容施術を提供しています。
婦人科では、ピルの処方、子宮頸がんや性病の検査、超音波検査などを行なっています。また、検診で異常が見つかれば、コルポスコピー検査という精密検査も可能です。
さらに日帰り手術も行なっており、子宮内膜のポリープに対する子宮鏡手術、子宮頸がんの前がん病変への円錐切除術やレーザーの蒸散術、バルトリン腺嚢胞の切開術やコンジローマの切除術が受けられます。必要なのは午後の半休だけです。
美容では、医療脱毛、アートメイク、ハイドラフェイシャルやメソナJといった肌管理、白玉点滴やビタミンCの点滴、ニンニク注射やプラセンタの注射などを行なっています。婦人科の相談に来た方が、待合室の掲示を見て美容の施術を希望することが多いです。
元々は婦人科の治療を扱っていましたが、女性の美と健康を扱うという当院のコンセプトを重視し、女性の美に貢献できる美容医療を始めようと思いました。美容の施術を通じて、メンタル面でも前向きになってもらえたら嬉しいですね。
いつでもすぐに受けられる。婦人科の医療脱毛
Ladies clinic LOG 原宿で使用している脱毛機について教えてください。
脱毛効果と安全性が高いヴィーナスワンを使用しています。
ヴィーナスワンの強みは立ち上がりが早いことです。通常、脱毛機はスイッチを入れてから施術を行えるようになるまで、30分〜40分かかりますが、ヴィーナスワンなら1分かかりません。そのため、婦人科で受診した方が当日に脱毛されたい場合でもすぐに対応できますよ。
また、ヴィーナスワンは、脱毛効果が高いダイオードレーザーを搭載しています。ダイオードレーザーはパルス幅が長いため硬毛化しづらく、脱毛後に毛が濃くなってしまうリスクが低いです。
また、パワーの調整ができる機器なので火傷のリスクが低く、安全性が高いです。施術では、産毛用と濃い毛用の2種類のモードを使い分けているので、1台で全身の毛に対応できます。
毛周期にあわせて顔は1.5カ月に1回、身体は2カ月に1回の施術を5~6回繰り返していただきたいです。そのため、全体の治療期間は半年から10カ月ほどです。当院では脱毛コースを組んでいないので、1回ずつの単発で受けられます。継続するかは患者さんの自由なので、比較的通いやすいと思いますよ。
施術の痛みやダウンタイムについてはどうでしょうか?
痛みは麻酔なしでも我慢できる程度です。ダウンタイムは1週間が目安となります。
痛みはほかの脱毛機よりも少なく、VIOでも麻酔なしで我慢できる程度です。また、強めの麻酔クリームがあるので、痛みに弱い方でも問題なく受けられます。
ダウンタイムは基本的に1週間です。施術直後は赤みが出やすくなりますが、2〜3日で落ち着きます。痛みについても当日か翌日には治まるので心配ありません。
ただし、感染症や毛穴に炎症が起こる毛包炎のリスクがあります。そのような場合には、無料で抗生剤やニキビ用の塗り薬を処方します。
なお、今まで一度もありませんが、もし火傷が起きた場合には、ステロイドを無料で処方し、経過観察をします。当院は婦人科として薬が揃っているので、リスクに対処できる体制を整えています。脱毛中にイボが見つかった場合にも、その日のうちに切除手術が受けられますよ。
生理痛には保険が適用される。低容量・超低容量ピルについて
ピルにはどのような種類があるのでしょうか?
保険適用のものと自費のものがあります。生理痛には保険適用のピルが処方可能です。
生理痛を改善したい場合には保険診療のピルが処方可能です。一方、避妊や生理不順を整える目的であれば自由診療となり、自費でピルが処方されます。
保険適用のピルでは、生理痛を軽減させるフリウェルが最もスタンダードで人気です。生理痛に加えて、生理前の気分の落ち込みや腹痛などが起こるPMS(月経前症候群)を改善したい場合には、ヤーズフレックスやドロエチを処方します。
連続内服できるのはヤーズフレックスとジェミーナの2種類です。ヤーズフレックスは120日連続内服可能なので、生理を4カ月に1回まで減らせますよ。ジェミーナは77日間連続して内服できるので、2カ月半程度、生理を止めることができるピルです。ヤーズフレックスはニキビにも効きますが、気分が落ち込みやすいといった副作用があるので、もし副作用が出るようであれば、ジェミーナを処方します。
保険適用であれば費用が抑えられるので、生理痛で苦しんでいる方は、保険適用のピルを積極的に使っていただきたいです。生理痛には保険が効くということを皆さんに知ってほしいですね。
避妊目的でピルを希望され、ニキビも気になる方には、自費診療のマーベロン、ファボアールが効果的です。一方、ニキビよりも不正出血を減らしたい方にはシンフェーズ、トリキュラー、ラベルフィーユ、アンジュをおすすめします。
超低用量ピルとはどのようなものでしょうか?
エストロゲンの含有量を抑えたピルです。
低用量ピルには、血栓症という副作用があります。血栓症とは血管の中に血の塊ができる病気で、詰まる箇所によっては肺などの動脈に詰まって突然死に至る可能性があります。ピルに含まれるエストロゲンの含有量が多いと、血栓症のリスクを高めてしまいます。
超低容量ピルは、このエストロゲンの含有量を下げたもので、ヤーズフレックス、ドロエチ、フリウェルULD、ジェミーナが該当します。生理痛や生理不順の改善効果、避妊効果も低用量ピルと大きな差はありません。
ピルの使用で血栓症や不正出血が起こる確率を教えてください。
血栓症の発症率はとても低いため、過度に心配する必要はありません。不正出血は多くの方が経験しますが、次第におさまります。
血栓症の発症率は、通常1万人あたり2〜3人ですが、ピルの服用で1万人あたり6〜7人程度まで上昇します。上昇するといっても、とても低い確率なので過度に心配する必要はありません。遺伝的要因、脱水、長時間座り続ける習慣などがなければ基本的にはならないものです。また、血栓症は採血で発見できます。
副作用として1番多いのは不正出血です。発生率は、超低容量ピルだと6割程度ですね。不正出血は身体がピルに慣れれば次第に落ち着きます。むくみや体重の増加、気持ち悪さ、頭痛といった症状は、1〜2割の方に現れるといわれています。しかし、実際にはそれよりも少ない印象です。まずは、あまり怖がらずに試してみるのがよいと思います。
ピルの副作用に不安があるのですが…どうすればよいでしょうか?
エストロゲンなしでピルと同じ効果を得られる、ジエノゲストがおすすめです。
ピルにより不正出血が起きる割合は2割程度と言われていますが、体感としては6割ほどです。また、飲み続けることで副作用は落ち着く場合がほとんどです。
しかし、それでも不安が残る方には、エストロゲンが入っていないジエノゲストという保険適用で出せる薬をお出しします。また、血圧が高い方、肥満の方、喫煙量が多い方はピルを服用ができないので、そういった方にもおすすめです。
ジエノゲストは、1日2回、1年間の服用で生理が1年間来なくなります。また、副作用はなく、不妊症につながることもありません。当院のスタッフも服用していますが、とても快適だそうです。ジエノゲストは、認知度が低い薬ですが、エストロゲンなしでピルと同じ効果を得られるので、実はピルよりもおすすめです。
当院には、私や看護師が答えるチャット機能があるので、なにか疑問点があればいつでも相談が可能ですよ。
大切なのは一緒に考えていく姿勢
Ladies clinic LOG 原宿を開業したきっかけを教えてください。
総合病院での勤務時代に、日帰り手術ができれば多くの方を助けられると思ったんです。
初期研修を終えたあと、横浜のけいゆう病院で後期研修を行いました。そこで扱ったのが、年間で約1,300件のお産と、約700件の婦人科の良性腫瘍、悪性腫瘍の手術です。その後、産婦人科の専門医として横浜総合病院に移り、より高度な腹腔鏡手術と子宮鏡を使った手術を経験しました。
総合病院では、手術の場合は入院してもらう必要があります。ですが、働いていたり、子育てをしていたりすると入院が難しく、日帰りでの手術を希望する方も多かったです。そこで、設備を整えれば、いくつかの手術は日帰りでもできるのではないかと考えました。
そうしたお悩みを解決するために開業したのが、レディースクリニックLOG原宿です。オンライン診療で事前に診察して、日帰りで手術を受けていただけます。忙しい方だけでなく、海外在住で一時帰国される際に来院いただくことも多いですよ。
患者さんとのコミュニケーションで意識していることはありますか?
一方的に考えを押しつけず、患者さんが話しやすい環境をつくることです。
意識しているのは、自分の考えを一方的に押しつけず、患者さんとともに治療法を考えていくことです。診察は、いくつかの治療方針を提案し、メリット・デメリットを説明したうえで、患者さんが自分に1番合っていると思ったものを選んでもらう形で行っています。
主役は患者さんで、医者の仕事は患者さんの悩みを取り除くことです。話しやすい環境をつくり、一緒に考えていくことを大切にしながら、その方にベストな治療法を一緒に探るような、オーダーメイドの医療を心がけています。
今後の展望について教えてください。
生理痛は保険治療で治療できることを多くの人に知ってもらいたいです。
保険治療で生理痛を治療できることを広めていきたいです。そして社会で活躍する女性の健康をサポートすることで、社会に元気を取り戻したいですね。僕が治療した患者さんが社会に貢献することで、日本全体が活性化してくれればと思っています。
「こんなことで受診してもよいのかな」と思うかもしれませんが、どのような理由でも構いません。なにか悩みがあれば、1人で抱え込まず、気軽に相談してくださいね。