大学病院同様の専門的な治療を診療所で! 静脈鎮静麻酔と素早く丁寧な手術により痛みのコントロールを目指すインプラント治療とは?|明海大学PDI東京歯科診療所:松田 哲 先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
「明海大学PDI東京歯科診療所」でインプラント治療を受けるメリットについて教えてください。
インプラント治療を行うにはまずほかのむし歯や歯周病の治療を行い口内環境を整えておく必要があります。当診療所は明海大学の付属の診療所なので、複数の診療科と連携した治療計画をご提案できます。
「明海大学PDI東京歯科診療所」は、大学付属の診療所です。歯科・小児歯科・矯正歯科・歯科口腔外科と4つの診療科を設けているほか、インプラント・ホワイトニング・歯周病を専門的に診療しています。
インプラント治療を行う前には、まず口内環境を整えておく必要があります。お口の中にむし歯や歯周病がある状態でインプラントの施術を行うと、そこから細菌の感染を引き起こす恐れや、インプラントをうまく埋入できない可能性があるのです。
その点について、患者さんにもカウンセリングの段階できちんとご説明しています。そして、治療すべき部分がないかどうかを細かくチェックし、治療を終えてからインプラント治療へと進みます。
当診療所には複数の診療科がありますので、むし歯や歯周病などの治療を得意とする歯科医師と連携した治療が行えます。さまざまな歯の症状の治療からインプラント治療まで、1つの診療所内で完結できるというのは、当診療所のメリットだと思います。
大学の付属診療所ということは、やはり治療のための機器や設備にもこだわりがあるのでしょうか?
もちろんございます。現在、診察台10台にマイクロスコープを備え、肉眼では確認できない部分も細かくチェックしたうえで治療計画をご提案できます。
現在、診察台15台のうち10台にマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を設置しています。今後はすべてのチェアにマイクロスコープを設置する予定です。
肉眼では見えない細部まで確認できるマイクロスコープを使って、むし歯や歯周病治療などの必要がないかどうか口内の状態を細かくチェックできるのは、大学の付属診療所としての設備面のメリットだと思います。
また、他院ではインプラント治療が難しかったケースも受け入れています。
歯を失ったとき、入れ歯(義歯)やブリッジなどさまざまな義歯を選択できると思います。インプラントを選択するメリットについて教えてください。
インプラントは、自分の歯のように物を噛むことができます。また、周囲の歯も傷める心配がないというメリットがあります。
インプラントとは、失ってしまった歯の代わりに、チタン製の人工の歯の根を骨へと埋め込み、その上にクラウンを被せる治療方法です。インプラントのメリットは、自分の歯のように違和感なくしっかりと噛めることです。
総入れ歯にすると安定性に欠け、しっかり物を噛めないというデメリットがあります。部分入れ歯も、取り外し式のため違和感が大きく、両隣の歯に負担がかかるため健康な歯まで悪くしてしまう可能性があります。また、入れ歯は毎食後に外して洗わなければいけません。インプラントなら自分の歯と同じように歯磨きをするだけでよいので、毎食後のケアが簡単というメリットもあります。
ちなみにブリッジを入れる場合には、なくなった歯の両隣を削らなければなりません。治療期間が短いというメリットがある一方で、両隣の歯に負担をかけ、周りの健康な歯を悪くしてしまいやすいというデメリットがあります。しかし、インプラントではそのような心配がありません。
周囲の歯を傷める心配もなく、歯を失う前と同じ口の中の環境を保てる点はインプラントの大きなメリットです。
インプラントにしたことで「人生が変わった」と感じる方も多いようです。総入れ歯で、「下の歯をすべてインプラントにしてとてもよかったから、頑張ってお金を貯めて上もインプラントにします」と言う方もいらっしゃいますね。
インプラントにしたいけれど治療の痛みに対して不安がある方もいらっしゃるかと思います。痛みに対してどのような配慮をされていますか?
手術は静脈鎮静麻酔で眠ったような状態になってから行うようにしています。また、痛みをコントロールするため、短時間で丁寧な手術を行えるようにトレーニングを重ねています。
痛みに配慮して、インプラント治療をするときには、点滴で静脈鎮静麻酔をし半分眠ったような状態になってから手術をするようにしています。
通常の局所麻酔を行う際も、むし歯治療であれば、しびれていることすらわからないぐらいの麻酔を我々は目指しています。インプラント治療では、しびれくらいは感じるかもしれませんができるだけ苦痛に配慮した麻酔や施術を行うように努めています。
また、インプラント治療で痛みが生じるのは、骨にインプラントを埋め込むときとクラウンを被せるときです。むし歯治療でクラウンを被せる場合と異なり、インプラントでは歯茎の中にまで入れなければならないために痛みが生じるのです。
痛みが生じる原因は、乱雑な手術や時間のかかる手術にあります。そのため、麻酔の打ち方を工夫するだけではなく、時間が短く丁寧な手術を行えるように当診療所では日々トレーニングを重ねています。当診療所のインプラント治療は、手術時間が短く丁寧なことが特徴です。
施術の時間は具体的にどれぐらいなのでしょうか?
インプラント1本なら麻酔から縫合まで15分かからずに終えたこともあります。以前は1~2時間かかるのが一般的でした。
私が研修医として入局した1990年代半ば頃には、インプラント1本の施術に1~2時間かかるのが一般的でした。
どのような術式で何本のインプラントを埋入するかによって施術時間は異なりますが、今では1本のインプラントであれば麻酔から切開、縫合まで15分かからず終えられることもあります。
10本以上のインプラントを埋入する手術やサイナスリフトなどの大がかりな手術でも、2時間ほどで終えられるようにしています。
サイナスリフトとは、インプラントを埋め込む上顎に十分な骨の厚みがない場合に行う骨造成手術です。上顎のサイナスリフトとインプラント埋入は片側だけでも1時間以上かかるのが一般的です。それを上顎両側を終わらせてから、下顎まで一気に済ませたこともありましたね。
手術時間をできるだけ短くするため、日々のトレーニングのほかに力を入れていることは何かありますか?
想定外のことが起こらないよう事前にしっかりと検査を行い、治療計画を立てておくように心がけています。治療計画はチームで共有しておくことで、スムーズに治療が進みます。
手術を始めてから「想定と違っていた」ということが起きないよう、術前にしっかりと検査をして治療計画を立てておくようにしています。
また、チームで治療にあたりますので、治療計画や手術計画はサポートに入る歯科衛生士にもあらかじめ共有しておくと、スムーズに進みますね。
とはいえ、しっかりと検査や計画をしていても想定外のことが起きてしまうことはあります。そういった事態に陥ったときのため、瞬時にさまざまな対処ができるよう頭の中に複数のプランを立てておくことも大切だと考えます。
日々研鑽を重ね続けるスタッフが患者さんと真剣に向き合いその方にとってふさわしく幸せになれる治療法をご提案
先ほど、複数の診療科による連携や設備面の強みについてお話しくださいました。そのほかに明海大学PDI東京歯科診療所の強みがあるとしたらどのような点だと思われますか?
明海大学の付属の診療所ということもあり、大学で優秀だった人が研修医として入局します。毎日遅い時間までトレーニングを重ね、鍛え上げられた歯科医師がスタッフとして残ります。
大学の付属診療所なので研修医として入って来るスタッフが優秀ですね。さらに、その研修医たちは毎日遅い時間まで残ってトレーニングをしています。
毎日のトレーニングで鍛え上げられた研修医の中でも、特に優秀な歯科医師が研修を終えてスタッフとして当診療所に残ります。ですから、スタッフのレベルは高いと感じています。
また、学会で発表し表彰されている歯科医師も多いので、客観的に見ても優秀なスタッフが揃っていると思います。日頃から自分たちの研究を発表し、周りからも評価を得られるかどうかを確認しながら、皆で研鑽を重ねているため、どんどんスタッフたちのレベルも上がり、よい診療所になれていると感じています。
治療を進めていくにあたって、患者さんとのコミュニケーションをはかる必要があると思います。コミュニケーションで大切にしていることがあれば教えてください。
歯科治療に不安や恐怖を感じている患者さんとのコミュニケーションでは、歯科衛生士のはたらきが大きいと思います。患者さんが歯科医師に言えないことを歯科衛生士が聞き取って共有し、治療にあたるようにしています。
歯科治療に対しては、恐怖感や不安を抱いている患者さんもいらっしゃいます。しかし、歯科治療は我々だけが頑張るのではなく、患者さんの協力も必要です。
患者さんと共に治療に向かう体制を作るには、歯科医師の努力だけでは難しく、他職種のスタッフの協力が必要です。中でも、歯科衛生士のはたらきが大きいと思います。そのため、患者さんに安心して治療を受けていただけるように、難しいケースの場合は歯科衛生士を担当制にしています。
歯科医師には直接言いづらいことも、歯科衛生士になら打ち明けやすいという患者さんもいらっしゃいます。そこで、歯科衛生士が患者さんの声を聞き取って、歯科医師と情報共有し治療にあたるようにしているのです。患者さんとのコミュニケーションには、歯科衛生士のはたらきが重要ですね。
今後力を入れていきたいことや実現したいことがあれば教えていただけますか?
現在も力を入れていることは、人材の育成です。東京・埼玉・浦安にあるPDI歯科診療所の次代を背負って立てるような人材や地域のリーダーになれるような歯科医師を育成したいと考えています。
現在力を入れていることは、若い人材の育成です。
PDI歯科診療所は、東京のほか埼玉県入間市にPDI埼玉歯科診療所があり、千葉県浦安市にPDI浦安歯科診療所があります。次代のPDI歯科診療所を背負って立てるような人材をどんどん育成していきたいと思います。
また、ここで研修した歯科医師が、地域に戻って開業したり、実家を継承したりすることもあるでしょう。そうしたときに地域のリーダーになれるような人材を育てていきたいと思っています。
最後に、受診を検討している方に向けたメッセージをお願いします。
患者さんに真剣に向き合い、その方にとって一番ふさわしく幸せになれる治療法をご提案することを大切にしている診療所です。受診が怖いと感じている方も、よい意味で期待を裏切る診療所ですので、ご来院いただければと思います。
当診療所は大学の付属の診療所ということで来院のハードルが高いと感じる方もいるかもしれませんし、もともと歯科受診が怖いと思っている方も多いかもしれません。しかし、よい意味で患者さんを裏切る歯科診療所でありたいと考えています。
先ほどお話しした麻酔をはじめとする痛みへの配慮もそのひとつです。「痛いかもしれない」と不安を抱えながら受診してみたら「大丈夫だった」と思っていただけるように、よい意味で患者さんを裏切りたいですね。
当診療所のスタッフは皆、患者さんに真剣に向き合うことを大切にしています。たとえば、インプラント治療にしても患者さんの求めに応じるがまま、どんどんと次に進めていくことはしません。その患者さんにとって一番適切で幸せになれる治療法を提供するためにも、大学の付属という設備面の強みを活かしてしっかりと検査を行い、治療計画を立てるように努めています。
また、大学の付属診療所として新しい研究を活かした治療や検査が導入できるといった強みもありますし、それに加えて性格のよいスタッフが揃っているというのも強みだと思います。受診を検討されている方は、不安に感じることなくご来院ください。