「患者さんの喜びが一番のモチベーションなんです」誠実な美容医療を提供し続ける医師による眼瞼下垂手術とは?Taide Suenaga Clinic : 末永 裕信 先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
Taide Suenaga Clinicのコンセプトを教えていただけますか?
患者さんに寄り添った治療を提供したいと考えています。また、来ていただきやすいクリニックを目指し、適正な価格設定に努めています。
患者さんに寄り添った治療を提供していきたいと、美容医療に携わり始めたときからずっと思っています。
できるだけ美容クリニックのハードルを下げて、患者さんが継続してご来院しやすく、ご友人にも紹介しやすいクリニックを目指しています。
通いやすくするために、当院では高すぎない適正な価格設定に努めています。もちろん、安ければよいというものでもありませんし、安いからこの程度の施術を提供すればよいというような考えはあってはならないことです。あくまでもしっかりとした技術に基づいた施術を適正な価格で受けていただけることを目指しています。
たとえば、私自身の経験が少ない施術は、患者さんに自信を持ってご提供することはできないので、私が経験したことのないメニューは当院には置いていないのです。
“美容医療”はあくまでも“医療”です。患者さんとの信頼関係を築いていくためにも、価格設定にふさわしいきちんとした施術を提供することを当院のコンセプトとしています。
Taide Suenaga Clinicで大事にされていることは何ですか?
患者さんとの希望をすり合わせていくカウンセリングです。必要のない施術は必要がないと正直にお伝えしています。
美容医療では、患者さんの希望に合わせた施術を行う技術を持っているのが大前提で、そのうえで患者さんとのご希望をすり合わせていくカウンセリングがとても重要だと考えています。
カウンセリングの時間は約30分間で、説明は私自身が行っています。患者さんからは「話しやすい」と言ってもらえることが多いですね。
カウンセリングでは、本当に必要な施術しかご提案しません。たとえ患者さんがご希望されても必要ない施術は「必要がない」とはっきりとお伝えします。
また、患者さんのご希望が私の考えるナチュラルな範疇を超えている場合には、不自然だとお伝えし、患者さんのご希望と私がおすすめするナチュラルな仕上がりのイメージをすり合わせていきます。
すり合わせをしたうえで、この方の求めている仕上がりは私の考えるナチュラルのはるか上だと感じた場合には、お互いのために施術をお断りすることもあります。「他の先生やクリニックの意見も聞いた方がよいですよ」というアドバイスは、ほぼすべての患者さんにお伝えしていますね。
二重手術は、「カウンセリングから施術までその日のうちに受けたいです」とご希望される患者さんも多くいらっしゃいます。しかし、当院では基本的にカウンセリング当日の手術は行いません。たとえ、二重埋没法であっても手術は手術です。
カウンセリングでお話しした内容をいったん持ち帰っていただき、冷静に検討してから受けるかどうかを決めてもらうようにしているのです。
そのうえで、決めるのはあくまでも患者さんというスタンスを基本にしています。
とても誠実な考えをお持ちでいらっしゃるのですね。ほかにカウンセリングや患者さんとのコミュニケーションで気を付けていらっしゃることはありますか?
美容医療にはリスクがあるので、ポジティブな面だけを伝えないようにしています。
カウンセリングで、ポジティブな面だけを伝えるのは好きではありません。たとえば、脂肪吸引の施術は、リスクもそれなりにあるものだと考えています。カウンセリングでは、リスクも含めて、すべて正直にお話しするようにしています。
美容医療はリスク商品です。「リスクが受け入れられないのであれば手術は受けるべきではないですよ」と正直に伝えていますし、そういう覚悟を持って手術を受けていただきたいと私は思っています。
常に患者さんに誠実でありたいと思いながら、仕事に向き合っています。ありがたいことに、患者さんからもそういうお声をいただきますね。おそらく、私のようなスタンスで診療に臨む医師を求める方がいらしてくださっているのではないかと思います。
技術の向上をはかるため、先生が日頃から行っていらっしゃることはありますか?
1件1件の手術に対してしっかりと向き合って、自分自身でフィードバックを行うことが大事だと考え実践しています。
ただやみくもに症例数を重ねればよいというのではなく、1件1件に対しどれだけしっかりと向き合って、自身でフィードバックを行うことができるかが大事だと考えています。
たとえば、美容医療に携わったばかりで二重の手術に慣れないうちは、二重の線がずれることや、目尻側と目頭側でラインが一直線にならないこともあり得ると思います。
そういったときに、「このまぶただから仕方がない」と患者さんの個人差のせいにすることなく、「もう少しやりようがなかっただろうか」と振り返り、反省することができれば技術の向上につながると思います。
自分の成長が止まるだけならまだよいのですが、そういったフィードバックができないと、患者さんに不利益が生じてしまうこともあるかもしれません。
些細なことでもそれを日々積み重ねていくことが大切です。それが1,000件、2,000件と続けば、おのずと差が出るのではないかと思っています。
また、教科書で学ぶだけではなく、知人の先生に直接質問して知識を得ることもありますね。うまい先生にやり方を聞いて学ぶことが一番勉強になるのではないかと思います。
目の手術中は何度も目を開けてもらいバランスを確認するのがポイント
次に、具体的な症例についての解説をお願いします。次の症例の方はどのようなお悩みでご来院されたのでしょうか?
右目の眼瞼下垂でご相談に来られた方です。下三白眼もあり、視野が狭いのもお悩みでした。
この方は、右の黒目が隠れている眼瞼下垂がご自身の一番のお悩みということでご来院されました。左目は、そこまでまぶたが下がっていないので眼瞼下垂とは呼ばない可能性も高いと思います。
また、下三白眼もあり、視野が狭いこともお悩みでした。下三白眼とは、眼瞼下垂の方にたまに見られる特徴で、眼球が上側に少しずれて、白目の下部が大きくなっている状態です。視野が狭くなるため、顎を引いて眼球を下に動かし視野を広げようとする癖が生じます。
これらのお悩みを改善しながら、できるだけナチュラルな範囲で、華やかな目元にしたいというのがご希望でした。
そのお悩みに対してどのような施術をご提案されたのでしょうか?
眼瞼下垂の手術として二重全切開法にプラスし挙筋前転術をご提案しました。
二重全切開法にプラスして、眼瞼挙筋と瞼板(けんばん)を縫い縮める挙筋前転術をご提案しました。
まぶたを持ち上げるときには、眼瞼挙筋という筋肉がはたらきます。後天性の眼瞼下垂では、眼瞼挙筋と瞼板とのつながりが緩んでいるために、まぶたがしっかりと持ち上がりません。
そこで、眼瞼挙筋と瞼板を縫い縮める挙筋前転術という手術によって、目の開きの改善を目指すのです。
この方の場合、左目のまぶたはそこまで下がっていなかったのですが、右目だけ手術をするとヘリング効果で左目のまぶたが下がってしまうことがあります。そのため、両目とも手術を行いました。
眼瞼下垂になると、脳から「目を大きく開くように」という信号が両方の目に届きます。しかし、右目のまぶたが開くようになると、この信号が途切れるため、今度は左目のまぶたが以前より下がってしまう可能性があるのです。これがヘリング効果です。
また、瞼瞼下垂に付随して起こる典型的な症状としては、目を大きく開こうとして眉が上がる・おでこにしわが寄るといった症状が挙げられます。そのほか、あまり多くはありませんが後天性の眼瞼下垂ではこの方のように下三白眼の症状が出ることもあります。
この方の場合、挙筋前転術によって眼球の位置だけではなく、結果的に下三白眼も改善が見られました。脳神経との関連で改善された可能性もありますが、眼瞼挙筋の腱膜のずれや緩みが原因で起こる腱膜性眼瞼下垂によって生じた下三白眼の症状であれば、挙筋前転術によって改善された可能性も考えられます。
この症例で、先生がこだわられたポイントはありますか?
何度も目を開けていただき左右の目のバランスを確認しながら手術を行いました。
目の手術を行うときは、きめ細かく目のバランスを確認しながら行っています。目を開けていただく必要があるため、基本的に患者さんには手術中、起きていていただくようにお願いしています。
そこで、静脈麻酔ではなく、局所麻酔を用い覚醒した状態で、場合によっては上半身を起こした状態で手術を行っています。よい仕上がりを目指すためには、目の開きの確認がとても大事なのです。
この症例でも、左右で黒目の見え方が同じになるように、手術中に何度も目を開いてもらってバランスを確認しました。
この症例のダウンタイムを教えてください。
二重全切開法も行っているので、ダウンタイムは長いです。1か月ぐらいは腫れが生じますね。
二重全切開法の場合は、1か月ぐらいは腫れが生じます。
この方の場合は左右差があったため、まつ毛の生え際近くまで大きく剥離して眼瞼挙筋を前転しました。剥離の範囲が大きいとどうしても腫れが長引きやすいと思います。
眼瞼下垂の手術はどれぐらい持続するものなのでしょうか?
眼瞼下垂の手術は半永久的にもつと説明しています。万が一取れてしまった場合は、無料で修正対応も行っています。
二重全切開法を含む眼瞼下垂の手術は半永久的にもつと説明してはいますが、やはり取れる可能性はあります。
取れるとしたら、内部の癒着が緩んだ場合や、眼瞼挙筋と瞼板を結んだ糸が緩んだ場合などが想定されますが、とても稀なケースではないかと考えています。万が一、取れてしまった場合には無料で修正を承っています。
患者さんの喜びが何よりのモチベーション。幸せになる患者さんを増やしたい
先生が美容医療の道に進まれたきっかけを教えてください。
友人のすすめで美容医療の道に進みました。人生の転機にふれることができ、自分にとても向いている仕事だと感じるので、今ではすすめてくれた友人たちに感謝しています。
医学部時代は、消化器内科、循環器内科、耳鼻科に進もうと考えていました。これらの診療科で行う手術は、すぐに結果が出るため、患者さんの転機となり得ますし、大人数で何時間もかけて手術を行うのではなく、カテーテルや内視鏡を使い、1~2時間という短い時間で一人の医師が治療できるところに魅力を感じたのです。
専門分野を決める直前まで、消化器内科や循環器内科に進もうかと考えていたのですが、ある日美容外科医であった同級生から「美容外科が向いている」とすすめられたのです。
確かに、考えてみれば美容外科では一人の医師が1~2時間で人の見た目をぱっと変える手術を行います。その手術は、患者さんにとって人生の転機になることもあるでしょう。そう考えると、美容医療は自分の理想と合っているように思い、進路を変えました。
美容医療は、患者さんの人生の分岐点にふれられる仕事だと思いますし、大変やりがいを感じます。今では、この道をすすめてくれた友人たちにとても感謝しています。
Taide Suenaga Clinicを開院されたきっかけについて教えてください。
自分が院長になれば、患者さんのことだけを考えた施術ができるのではないかと思い、開業に踏み切りました。
私にとって一番のモチベーションは、患者さんが喜んでくださることです。開業すれば、売上について誰からも何も言われることなく、患者さんが喜んでくださることを第一に考えた「患者さんのための施術」を実現できるのではないかと思ったのです。それが開業を選んだ一番の理由ですね。
私は、リスクも正直に伝えますし、無理に施術をすすめることもありません。正直すぎるカウンセリングなので、手術に至る数は少ないかもしれません。それでも、その中で手術まで受けてくださる患者さんに感謝されながら、なんとか医院が回っていくというのが理想だと思っています。
美容医療のリスクもしっかりと伝えたうえで、それでも手術を選んで幸せになってくださる患者さんがいらっしゃったら、とても嬉しいことだと思っているのです。
最後に、先生の今後の展望について教えてくださいますか?
カウンセリングもアフターフォローも誠実に行っている自負がありますので、当院を選んでいただければ幸せになれる可能性が高いと自信を持って言えます。私と同じ考えの先生が増えて幸せな患者さんが増えてほしいですね。
私は、カウンセリングもアフターフォローも、しっかりと誠実に行っているという自負があります。
私は「この手術が得意です」といった発言はしないようにしていますが、ただひとつ自信を持って言えることがあるとするなら、当院を選んでくれた方は幸せになれる可能性が高いということです。
現在、積極的に分院を増やしたいと望んでいるわけではありませんが、私の考え方に賛同してくれる先生がいて、結果的に分院が増えたり、医師の数が増えたりしたら嬉しく思います。私と同じような考え方の美容外科の先生が増えれば、幸せになれる患者さんも増えますし、業界全体も変わっていく可能性もあるのではないかと思っています。
幸せな患者さんを増やすために尽力していきたいですね。