来院するだけで幸せになれるクリニックに!ニキビ治療を成功させる秘訣は「家族のような」コミュニケーション|つちやファミリークリニック浅草院:土屋佳奈先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
治療で大切にされていることを教えてください。
患者さんの希望を尊重しながら、治療法を一緒に選択していく意識で方針を決めています。
当院では保険診療と自費診療の両方を行っていますが、どちらの治療も方針を決める際には、患者さんの希望になるべく応える形で一緒に選択していく意識を大切にしています。
たとえば患者さんが保険診療をご希望の場合は、まずは保険の範囲内で治療を行います。それでも症状が改善されなければ自費診療での治療を提案しています。
もちろん要望があった場合には、はじめから自費診療を行うことも可能です。また他院で保険診療の治療の効果がなかった方には自費診療をご提案することもあります。
保険診療のニキビ治療では、どのようなことを行うのでしょうか?
保険診療では塗り薬で治療を進めていきます。
赤ニキビ、白ニキビができる原因は、基本的に毛穴詰まりですので、毛穴の詰まりを解消するような塗り薬での治療を行います。
薬の種類はディフェリン、ベピオ、デュアック、エピデュオの4つから患者さんの状態に合うものを選択していきます。状態によっては、抗生剤の飲み薬や塗り薬も併用することもありますね。
基本的には保険診療で治療ができるものの、保険診療の塗り薬は少し刺激が出るので、刺激が強くて赤くなったり痛くなってしまった方には自費診療をご提案します。また、嚢腫のようにニキビが多発して数カ月治療しても症状が改善しない場合には、自費診療の飲み薬であるイソトレチノインなどを処方していきます。
自費診療での治療内容を教えてください。
ピーリングやビタミンCのイオン導入、光治療のIPLなどを行っています。
自費診療の場合、定期的に通える方には毛穴の詰まりを取るピーリングや、ビタミンCのイオン導入などから始めることが多いです。また、光治療のIPLも行っています。
これらの治療は、ニキビが治ったあとの赤み改善にも活用しています。ピーリングは代謝を促してターンオーバーを促すことができますし、IPLは熱によってニキビ菌を殺菌するため、これも赤みに効果的です。ビタミン剤の内服薬も併用します。
さらには、肌がへこんでしまったクレーターにはダーマペンやポテンツァを行います。新しい治療方法であるジュベルックの注射をすることもあります。
赤みから色素沈着に移行してるような場合には、 IPLやイオン導入よりも大量のビタミンCを導入できるエレクトロポレーションなどをしていきます。
定期的な治療が難しい方にはビタミンAの飲み薬、イソトレチノインを使用した治療を行います。イソトレチノインは大体誰にでも効くので、治療の最後の切り札といった形で最終的に提案することが多いですね。
治療回数について教えていただけますでしょうか?
まずは月に1回の治療を5回ほど行ってから経過を観察します。
ピーリングやIPL、イオン導入などは、月に1回程度の頻度で、5〜6回程度行います。5回ほど治療したあと患者さんの状態を見て、継続するか治療の間隔をあけるかを判断します。
また、急性期の赤いニキビの場合、保険診療の塗り薬を使い、大体の方が3カ月ほどで落ち着きますね。ただ塗り薬の使用を急に止めてしまうと、再発する恐れがありますので、症状が落ち着いたあとも週に2〜3回ほどは治療を継続することで再発予防になります。
ニキビ予防には朝晩の洗顔がポイント
ニキビを予防するにはどうしたらよいでしょうか?
なによりも朝と晩、1日2回の洗顔が大切です。
ニキビは、毛穴に過剰な皮脂が出て毛穴が詰まってしまうことで起きます。そのため、皮脂の詰まりを取るためには、朝晩1日2回の洗顔が大切です。
もう1つ大切なのは、あまり顔をこすらないことです。顔をこすってしまうと角質が厚くなり、皮脂が詰まりやすくなってしまいます。さらに炎症ニキビの悪化の原因にもなります。そのため洗顔は、肌への摩擦が少ない泡タイプを使うとよいです。
他には、保湿液は毛穴が詰まりにくい処方になっている、ノンコメドジェニックのものをおすすめしています。
なお、日本人はニキビが治ったあとしばらく赤みが残りやすいため、いったん治療が終わっても、遮光して日焼けしないようにすることが大切です。また、ビタミンCや抗炎症作用のあるトラネキサム酸の飲み薬も効果があります。
患者さんと伴走する気持ちで、とことん寄り添うコミュニケーションを
診療で大切にしていることはなにかありますか?
患者さんの要望に寄り添いながら治療に伴走する気持ちで診療を行っています。
保険診療、自費診療といった治療方針だけでなく、通院できる頻度や治療にかけられる時間、金額は人それぞれです。なのでその方の要望に寄り添いつつ、医療として必要なものを提供できるようにしています。いつも患者さんの要望に寄り添いながら治療に伴走したいと考えてますね。
患者さんに寄り添うために、明るく気持ちの良いコミュニケーションを大切にしています。当院のスタッフには、特に指導はしていないのですが、些細な点まで意識して患者さんと接してくれているんです。
たとえば「必ず患者さんに声をかけるようにしている」「同じ目線で話すようにしている」「帰る時のエレベーターでも患者さんの目を見て声をかけるようにしている」など、気を配りながら明るく対応してくれています。明るいスタッフが集まってくれて本当にありがたいですね。
「治療の成果が目に見えるのが嬉しいんです」土屋先生について
先生の経歴について教えてください。
はじめは父の医院の小部屋で皮膚科の診療をしていました。
医師を目指したきっかけは父の影響です。幼い頃、父が働いている姿を見たり、往診によくついていったりしていました。医師という職業が1番身近だったんですよね。
皮膚科は医学部にいた時から単純に好きでした。皮膚科って治療の結果が目に見えてわかりやすいんです。ぱっと見てよくなったとか患者さんと治療の結果を共有できるのが楽しいですね。
大学を卒業して東京女子医大の皮膚科の医局に入りました。専門医の資格を取ったあとは出産を経て、さまざまなクリニックで経験を積みました。その後、父が開業していた内科の中で、小部屋を借りて皮膚科の診療を始めたんです。
父が医師を辞めた後も、そのまま父の医院で皮膚科の診療を続けていましたが、徐々に美容の相談に来る方が増えてきました。父の医院は元々保険診療だけだったので、思い切ってつちやファミリークリニック浅草院を開業したんです。
先生は積極的にSNSでの発信や講演会での登壇をされています。なにか理由があるのでしょうか?
自分の人柄や治療への思いについて発信したいと感じたのが始まりです。
以前からホームページに書くような内容は、どこか堅苦しいと感じていたんです。どんな先生なのか、どんな思いでやってるのかなど、もっと分かりやすく自分の言葉で届けたいと思ってSNSでの発信を始めました。現在はより人柄が伝わるように、講演会やイベントにも積極的に出るようにしています。
今後の展望について教えてください。
ここに来ると幸せになれる、ホーム(家)のような存在でいたいと思っています。
年齢がいくつになっても、ご家族全員で肌の管理を任せてもらえるようなクリニックをつくっていきたいと思っています。そんな思いが「つちやファミリークリニック」という名前にも込められているんです。
当院には0歳から100歳ぐらいまで、幅広い年代の方が来院されます。中には親子やご夫婦で来院される方もいますよ。患者さんやスタッフ、自分も含めて多くの人にここに来ることで幸せになれると思ってもらえる、そんなクリニックでありたいですね。