「美容皮膚科の壁を取り払いたい」内科・眼科・皮膚科をシームレスに連携する治療とは? 中切パークサイドクリニック:山東 優先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
中切パークサイドクリニックを一言で表すとどのようなクリニックでしょうか?
たくさんの科があり、保険診療と自由診療の両方を扱うので、総合的な治療を提供できるクリニックです。
当院には、内科・眼科・皮膚科があるので、1日で3つの科があるため、大きな病院に行かなくてもある程度治療が完結できるのが強みです。
たとえば、患者さんはシミだと思って来院したけれど、実は皮膚癌だったということが稀にあります。そのときには保険診療で治療させていただきます。
逆に保険診療ではニキビのお薬はすごく少ないため、保険診療内の薬を処方してもニキビが治らない場合、プラスアルファで自由診療をご案内することもありますね。
また私は、皮膚科専門医を取得しているので、美容だけでなく、皮膚疾患についても根底から理解しています。ですので、皮膚科ではもちろん、美容皮膚科でも悪性腫瘍を見つけられます。
シミにもいろいろな種類があると思いますが、種類ごとに治療方法を教えてください。
普通のシミ、そばかすであればレーザー治療、肝斑であればトーニングをおすすめしています。
当院では両頬に広がるシミに悩む患者さんが多いです。しみ・そばかす・肝斑はそれぞれ原因が異なるので、患者さんの症状の違いに合わせて治療をおすすめしていますよ。
まず、シミは長年の紫外線の蓄積ですので、日焼け止めの使い方をお伝えをします。そしてQスイッチYAGレーザーのスターウォーカーという機械でシミを取りますね。
また、そばかすもシミと同じ機械で取ります。しかし、シミに比べて根深いため、1年ぐらいで再発しやすいことを必ず事前に説明させていただきます。
肝斑は基本的に女性ホルモンが影響するような自己炎症のことで、弱い出力でメラニンの排出を促すトーニング治療をおすすめします。さらに、炎症を抑えるために、刺激や摩擦を加えないスキンケアを指導させていただきますよ。
なお、シミ・そばかす・肝斑を予防するためには、肌の奥深くまで美白作用が効くマッサージピールがおすすめです。予防できるだけではなく、肌のハリツヤが戻るような施術ですよ。ダウンタイムはほとんどなく、くすみやニキビ跡の色素沈着にも効果があるので、皆さん気に入られて、1ヶ月に1回ぐらい続けられる方も多いような施術ですね。
シミ取りのレーザーと肝斑に使うレーザートーニングの違いについて教えてください。
シミ取りのレーザーは一部分に一気に当てますが、一方でトーニングはお顔全体に弱いレーザーを当てるようなイメージです。
シミ取りのレーザーは、1回の施術でレベル10の濃さをレベル1まで薄めるものです。痛みは輪ゴムで弾かれる程度で、照射後2週間のテープ保護が必要です。
一方でトーニングはレベル10の濃さをレベル9,8,7......と少しずつ色を抜くレーザーです。痛みもダウンタイムもありませんが、1回でシミを取れないので、複数回の治療が必要です。
なお、肝斑にシミ取りのレーザーを当ててしまうと、自己炎症を起こしている部分にやけどを起こさせて、肝斑部分が逆に濃くなってしまうため、肝斑にはトーニング一択ですね。
肝斑の場合スキンケアが大事とおっしゃっていましたが、どのようなケアをしていくのですか?
肌をこすらないことと、紫外線を避けて炎症を落ち着かせるスキンケアを勧めています。
肝斑を治すためには、肌をこすらないことが1番大事です。「剥きたての桃を触るくらい優しくお顔を触りましょう」といつも説明しています。ちなみに、マスクの刺激でも肝斑は濃くなるので、マスクを外せる方は極力外した方が良いと伝えています。
他には、紫外線を避けるスキンケアを勧めています。日焼け止めや、自己炎症を抑えるトラネキサム酸が入ったローションとクリーム、色を抜く力があるハイドロキノン製剤などのドクターズコスメをおすすめしています。
レーザーを照射する際のこだわりを教えてください。
患者さんは緊張されているので、声掛けをして安心して施術を受けていただくことを大事にしています。
治療を受ける患者さんの緊張をほぐすためにまずは声掛けから心掛けていますね。人によって照射してほしくない場所があるかもしれないので、照射前に照射部位の確認をしています。
施術中は、まず1回当ててみて、痛みに耐えられそうかを確認しながら照射させていただきますよ。また、当て漏れがないように、照射後はいつも患者さんと2人で最終確認を行います。
なお、痛みが心配な方は追加のオプションで表面麻酔を付けられます。施術後のヒリヒリ感は出てしまいますが、施術中の痛みを大幅に軽減できますよ。
患者さんが通いやすい環境づくり
患者さんとのコミュニケーションで大切にされていることはありますか?
患者さんが身構えないように話すことを大切にしています。
患者さんは緊張されている場合が多いので、話しやすいような雰囲気作りを大切にしていますね。
たとえば、当院には30代以上の主婦の方でシミに悩まれる方が多くが来院されます。シミ治療は自由診療の領域になり、患者さんが値段について不安を感じやすいでしょう。そのため主婦同士の会話のように共感し、一緒にお財布事情も考えながら患者さんの目線で対話することを意識していますよ。
なお、私より看護師さんのほうが患者さんと話す時間が長いので、頼りがいのある看護師さんの存在が大切です。看護師さんたちには、日頃から皮膚科の知識を深めてもらって病院全体で患者さんをサポートできるよう心がけていますよ。
2023年3月のリニューアルオープンにあたってこだわった点はありますか?
美容皮膚科は患者さん同士の目線が合わない内装にしました。
当院は、元々私の父と母が内科と眼科で開業した建物でしたが、老朽化していたため建て替えを決めました。そして、リニューアルオープンを期に皮膚科と美容皮膚科が加わりました。
内装のこだわりは、患者さん同士のプライバシーを保つために、美容皮膚科の待合室でお互いの目が合わないように工夫した点です。
また、皮膚科のほうでは、足の怪我や巻き爪などの患者さんが足を洗いやすいよう、足洗い場を新たに設置しました。さらに、待合で窮屈に感じないクリニックにしたかったので、吹き抜けにして快適に過ごせる空間を意識しています。
これから来院を考えている方にメッセージをお願いします。
男性やご年配の方でも敷居が低く美容皮膚科にかかれますので、お気軽にいらしてください**!
当院は美容専門クリニックではありませんので、「美容皮膚科はハードルが高いな」と感じられている男性やご年配の方にとって敷居が低く、気軽に美容施術を受けられると自負しております。
実際に、当院の美容皮膚科の患者さんのうち2割が男性で、元々内科・眼科に通院されていた40~70代の男性の患者さんが多くいらっしゃいます。
今後も地元の方々が「美容施術は中切パークサイドクリニックでやってきたよ」とお話しされるような、知名度・安心感・信頼感のあるクリニックを目指しております。