「痛みに耐えて治療する場所でなく、自分の体をいたわってあげる場所」として気軽にお越しください もちまる歯科・矯正歯科クリニック 持丸 みずき先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
もちまる歯科・歯科矯正クリニックは一言で表すとどんなクリニックでしょうか?
当院はスタッフだけでなく、患者さんの笑顔も溢れるクリニックです。
もちまる歯科・矯正歯科クリニックは、予防歯科を中心とした、歯を守るための治療を行うことを診療方針とした歯科医院です。
患者さんには、痛みが取れたり歯並びがよくなったりして笑顔でお帰りいただいたり、さらに、スタッフも患者さんに喜んでいただいて笑顔になる、そんな笑顔があふれるクリニックでありたいと思っています。
患者さんが笑顔で安心して通えるために、どのような取り組みをされていますか?
少しでも不安を取り除けるよう、治療の内容をアニメーションでわかりやすくお伝えしたり、ご希望の方には歯科医師・歯科衛生士の担当制を取ったりしています。
当院では診察の際、治療内容についてのアニメーションをお見せしたうえで、実際の患者さんのお口の状態と照らし合わせながら、治療について説明しています。
治療内容だけでなく所要時間や期間もしっかりご説明をして、患者さんの心配や不安がなくなってから治療へ移るよう心がけています。
また、ご希望の方には歯科医師・歯科衛生士の担当制を取って担当者が患者さんの歯の状態を全て把握している状態を作っています。
私が担当する患者さんの中には、結婚してご家族で来てくださる方や、私が研修医時代から診ている方もいらっしゃいますよ。
先ほど院内を見せていただきましたが、お子様からご年配の方まで幅広い年代の患者さんがいらっしゃいますね。
全ての患者さんが来院しやすい病院づくりをしています。
お子様には、歯医者さんが怖いところではなく、楽しく通えるところだと思ってもらえるよう心がけていますね。
頑張って治療に来てくれた子には、シールや虫歯になりにくいラムネをプレゼントしてあげたり、クリスマスやハロウィンシーズンなどには、各種イベントも用意したりしていますよ。
実際に治療をとても楽しみに来てくださるお子さんも多くて……。コロナ禍でせっかく来ていただいたのに、熱で治療が受けられなかったときは、「どうしても治療を受けたい!」と泣てしまうお子さんもいらっしゃいましたね。
また、お年寄りの方も通いやすいよう、院内はすべてバリアフリーとなっておりまして、スロープやエレベーターを設置しています。当院は2階のクリニックですが、エレベーターがありますので、ベビーカーの方や、車椅子の方もスムーズにご来院いただけますよ。
歯医者さんといえば痛いイメージがあります……。痛みを抑える取り組みなどはありますか?
患者さまの負担を少しでも抑えるために、電動の注射器で温かい麻酔を一定の速度で打って痛みを感じにくいようにしています。
歯科治療中の痛みは、麻酔がしっかり効いているかどうかが大切です。麻酔がしっかり効いていれば治療や抜歯は痛くないので、麻酔の導入をいかに丁寧にするかが重要なポイントだと考えています。
当院では、表面麻酔に少し強めのお薬を使って、表面に麻酔が効いたところから注射に移ることにしています。注射の針も、現在日本で発売されているものの中では、1番細い注射針を使用していますよ。
また、冷蔵庫から出したばかりの冷たい薬剤はとても痛く感じてしまうので、薬剤を人肌に温める機械を導入して、温かいお薬を使用します。
さらに、一気にお薬が入ると痛みを感じやすいので、年齢や性別に合わせて速度をコントロールして、一定の速度でお薬を注射できるように電動の注射器を用意していますよ。
年間300人以上の症例数 インビザラインについて
数ある歯科矯正の中でインビザラインを受けるメリットについて教えてください。
矯正が目立たない点と、取り外しができるので、通常通りに歯磨きができる点です。
マウスピース矯正は、目立たないマウスピースをご自宅で1週間ずつ交換していただいて、矯正の効果が得られるものです。
少しずつ歯に圧力をかけていくので、比較的痛みが少ないうえ、食事の際はマウスピースを外し召し上がっていただけますので、気持ちよくお食事を取れるというのはいい点かなと思います。
また、ワイヤー矯正の場合、装置が外れてしまうと、歯医者さんに行かなくてはいけないという緊急トラブルが多々ありますが、マウスピースなら、比較的緊急トラブルがありませんので、忙しい方にもおすすめですよ。
インビザラインとワイヤー矯正で、治療計画に違いはありますか?
はい。ワイヤーだと抜歯になってしまう症例もインビザラインなら抜歯なしで行うことがよくあります。
先生によって意見の違いはありますが、ブラケット矯正とインビザラインの治療計画は少し異なると考えています。私の治療計画ではブラケットですと抜歯になるご症例もインビザラインでしたら非抜歯で行うことがよくあるんです。
スペースが足りないところに無理やり歯を並べようとしてしまうと、歯が並びきらず、危険な矯正になってしまいますが、今は昔に比べて非抜歯で矯正できるケースが増えています。
たとえば、昔はスペースが約4ミリが足りないと抜歯を必要とするワイヤー矯正が一般的でした。しかし今では、スペースが16ミリほどが足りなくても、7番目の第2大臼歯を後ろに持ったり、歯列を横に広げてあげたりすることによって抜歯が回避できることが増えてきているんです。
歯列矯正を受けるメリットを教えてください
審美的な要素のほかにも嚙み合わせを治せたり、歯周病のリスクを減らせたりしますよ。
歯科矯正は、歯並びを綺麗にするだけでなく、歯の健康寿命を伸ばすこともできます。
当院は一般診療と矯正治療の両方の治療が行えるクリニックです。ですので、審美的な目的で矯正を希望される方よりも、むしろ矯正を歯科治療として捉えていらっしゃる方に多くご来院いただいています。
年々歯並びが崩れているから心配といった方や、将来的な歯周病のリスクを心配されて来院される40~50代の患者さんも多いですよ。
マウスピース矯正は装着時間を守るのが大切と聞きますが、毎日しっかり付けてもらうための工夫はありますか。
モチベーションを維持してもらうのが一番大事なので、笑顔が術前と術後でどれくらい変わるかをお見せしています。
マウスピースを毎日20時間付けるのはとっても大変なことですから、モチベーションを維持してもらうことが非常に大切です。
当院では、始めにシュミレーション画像を作って、なんとなく歯が綺麗になった画像ではなく、しっかり装着したら何ヶ月でこの歯並びになり、口元がどのくらい下がるのかというのを0.01ミリ単位でお見せします。
施術前と施術後で笑顔がどう変わるのかをお見せすることで、患者さんのモチベーションを少しでも維持できればと思いますね。
また、矯正の期間は短くても半年、長くて2年以上かかるものなので、途中で不安に思う方も多くいらっしゃるかと思います。当院では、何か心配事があったらすぐに質問ができる患者さん専用のLINEサービスがありますので、連絡いただければその日の内にお返事していますよ。
マウスピース矯正は先生の腕によって全然違うと聞いたことがありますが、先生はどれくらいの患者さんを診てきたのでしょうか?
当院では年間300名前後の患者さんの治療を行っていて、5年連続インビザラインのダイアモンドプロバイダーをいただいていますよ。
当院のマウスピース矯正では、年間300名前後の患者さんがいらっしゃいますが、これは丁寧に治療計画を作って施術ができる人数の限界だと思っています。
また、年間150症例から400症例のドクターには、インビザライン社からダイアモンドプロバイダーの認定を受け取れるのですが、当院では、ありがたいことに5年連続でダイヤモンドプロバイダーをいただいていますよ。
また、ありがたいことに、当院には抜歯をしての矯正や、他院で骨を切っての矯正でないと難しいと言われた方など、かなり難症例の患者さんも多くご来院されます。
この場合、矯正だけで終わる症例は少ないですが、元々ない歯のところに矯正後にインプラント治療をしたり、前歯の欠けているところを矯正と合わせてセラミックにしたりする治療もできるクリニックなので、新しくお越しいただく患者さんにとって安心できる点だと思います。
マウスピース矯正の治療の精度を高めるために工夫していることはありますか。
当院のスタッフ全員が一定水準の技術力を超えるように訓練をしています。
当院のスタッフ全員が一定水準の技術力を超えるように、インビザラインの会社のトレーナーの方に定期的にクリニックに来ていただいて、しっかり訓練をしています。なので、インビザラインにおいては非常に技術力が高いスタッフが揃っていますよ。
また、治療計画は、我々歯科医師が1人ひとりの症例に合わせて、細かく治療計画を立てる必要があるので、インビザラインの進化に対応していけるように日々勉強を重ねています。
また、治療計画は歯科医師側の責任が大きいですが、実は治療計画を実行に移すには、衛生士さんの役割が大きいんです。
インビザライン矯正は、マウスピースをただ被せるだけでなく歯の表面にアタッチメントという小さな部品をつけ、マウスピースを固定したり、圧力がかかる面をコントロールしたりする必要があります。これらを取り付ける際、細かい作業が必要になるんです。
衛生士さんの技術力が優れていると、アタッチメントを高い精度で取り付けられるので、私が作った治療計画の実現性を高いものにしてくれるんです。
最近、オンラインで通院せずにインビザラインができる矯正方法も話題ですが、通院するからこそのメリットはありますか。
歯科医の目で矯正が順調に進んでいるかを確認できるので、全ての方がしっかり治療を終えることができます。
近年マウスピース矯正が美容目的で手軽にできると言われていますが、私は患者さんとお会いしないで治療するというのは非常に怖いことだと思います。
医師による定期的な確認がないと、治療がうまくいってるのかは確認できません。患者さんにとっても、来院していただく方が安心だと思いますし、全ての患者さんの治療をしっかり終えるためには定期的な通院は必要なことだと思いますね。
矯正だけじゃない、詰め物・被せ物へのこだわり
虫歯治療のこだわりポイントを教えてください。
人の歯は再生しないので、可能な限り歯を残す治療を心掛けています。
皮膚は怪我をしても治りますが、歯は一度削ったり抜いたりしたら、もう再生しないものです。ですので可能な限りは削らない・抜かないということは意識していますね。
当院ではなるべく削らないために、虫歯を染め出すためのう蝕検知液の使用を義務付けています。
すごく悪い虫歯のは、触ると消しゴムのカスのようにポソポソと削れ落ちます。しかし、虫歯と健全な歯の境目は、手で触っても はっきりとした区別がつきにくいこともあるんです。
虫歯を染め出すことで、悪いところをしっかり確認して取り除けるため、一手間かかりますが必要な処置だと考えております。
このように、健全な歯を削らないためのこまやかな配慮を日々の診療で忘れないようにするということを当院の歯科医師たちにも伝えていますね。
重度の虫歯の場合も抜かない治療は可能ですか?
少しでも残せる可能性があるなら、可能な限り歯を残す治療をご提案しています。
たとえば、根っこだけになってしまっている場合、抜歯をしてインプラントにすることが一般的ですよね。
しかし、当院では矯正の力で歯を引っ張り上げ、骨に埋まってる歯を少し出して被せ物をするという、エクストリュージョンという治療方法も提案可能です。
エクストリュージョンは、インプラントよりも費用が抑えられますし、人工物が口に入るのが嫌な方にとってはメリットが大きい治療です。しかし、インプラントと比べると、その歯の持続期間は短く、トラブルの元になる可能性もあるので、患者さんのご希望次第で治療をするかしないかを決めています。
エクストリュージョンは。患者さんの歯がこの先何十年も持つならば、最適な治療かと思います。ただし、歯の根っこの状態が悪く、1、2年持てばいいのかなという状態であれば、「○年ほど持ちますよ」という予測を伝えたうえで別の治療方法もご提案していますよ。
もちまる歯科・矯正歯科クリニックの今後の展望について教えてください。
一番はお子様の矯正に力を入れたいと考えています。
お子様の本格的な矯正が始まるのは小学校3、4年生ごろですが、それより前に予防歯科に通っていただきながら、歯並びが悪くなるのを防ぐという取り組みに力を入れたいと考えています。
よく「虫歯になったのが大人の歯じゃなくて良かったね」という方もいらっしゃいますが、実は乳歯が虫歯になると、大人の歯並びに大きな影響を与えてしまうことがあります。
ほかにも、出っ歯さんになる可能性がある指しゃぶり癖を早めに直してあげたり、寝る時にプレートをはめてあげたりするなど、小さいうちからお口の環境を整えてあげれば、将来あまり費用をかけずに歯並びを整えられるんです。
これから来院される患者さんへのメッセージをお願いします。
サロンのように自分の体をいたわってあげる時間として、歯医者に通っていただきたいです。
虫歯が痛くなった時は、もう神経に近いところまで虫歯が到達していたり、歯に深いダメージを負ったりしているケースがほとんどです。
ですから、まずは虫歯にならないために歯医者に通って、お口の中を良い状態に保つことが大切です。
皆さんの意識の持ち方によって行動が変わるので、歯医者さんに来ることを「大変なこと」とは思わず、「綺麗さを維持できる楽しいこと」と思っていただきたいですね。
頑張って痛みに耐えて治療するという認識ではなく、サロンのように気持ちよく、自分の体をいたわってあげる大事な時間という認識で、当院にも気軽にお越しいただけたら嬉しいです。