なんでも、誰でも相談できる内科・皮膚科も兼ねた美容皮膚科 Alohaさおり自由が丘クリニック藤堂 紗織先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
内科、皮膚科も兼ねていますが、美容皮膚科を受診されるのは、どのような患者さまが多いのでしょうか?
元々内科や皮膚科に通われていた方や、美容医療未経験の方が多いです。
当クリニックは患者さんのお悩みに合わせて“なんでも相談できるクリニック”をコンセプトにしています。そのこともあり、美容皮膚科が初めての方でも抵抗なく施術を受けていただけるメニューが中心です。
翌日にはいつものようにお化粧もできるような、ダウンタイムが短く、手軽に受けられるメニューをそろえています。例えば、顔の赤みが気になる方には、光治療をすすめたり、ニキビの跡がひどくて保険診療内の薬では治らない方にはピーリングをすすめたりしています。
他には、ピアスの穴を開ける方も多いですね。ピアスの穴は自分でも開けられますが、友だちに開けてもらって、キャッチを逆に入れてしまったり、穴が貫通しなかったりなどのトラブルも時々あります。そういったちょっとしたケースでも、気軽に来院される方もいらっしゃいますね。
内科と美容皮膚科両方を診てもらえるクリニックは多くないかと思いますが、両方診てもらえるクリニックならではのメリットを教えてください。
美容の施術だけではなく、悩みに合わせて内科の薬も処方することもできるので、肌と同時に身体の中から健康的な美しさをサポートできます。
美容の施術を受けている方が、内科の診療も受けているケースも少なくありません。例えば肌荒れが治っていないと、脱毛やニキビの治療もできないので保険診療の薬を処方することもあります。
下痢や便秘をしているなど、腸内細菌の働きも、お肌に影響があります。そのため、お腹の調子を整える治療やお薬を処方したり、生活スタイルを見直すためのアドバイスを行ったりしますよ。
内科と同様で、美容皮膚科でも安全性は重要です。美容皮膚科のメニューについては、まず私自身が使用してみて、安全で効果的な施術を選択しています。
美容皮膚科が初めての方に適したASCE(エクソソーム)
Alohaさおり自由が丘クリニックで人気の施術を教えてください。
ダウンタイムが短く、施術当日でもメイクや入浴もできるエクソソーム注射を希望される方は多いです。
ダウンタイムや副作用が少なくて、気軽に受けられるエクソソーム注射は人気のメニューです。エクソソームには、再生能力や抗炎症能力があるため、たるみや、炎症した肌・毛穴などの肌トラブルに効果を発揮します。受けられる患者さんは、結婚式や同窓会など、人と会う予定の前に少しキレイになりたいという方が多いです。
また、他のクリニックでボトックスを入れて目が重くなったり、左右差ができたりした方が「ここなら、やりすぎて失敗することはないかな」と思って来院してくださることもありますね。
ただし、当院は美容皮膚科専門ではないので、美容メニューだけを受けるために来院される患者さんは比較的少ないです。元々内科を受けていて、「ちょっとキレイになりたい」と思った方や「大手はちょっと怖いけど、ここなら近所だし色々話しやすそう」といった方から、希望されることがほとんどですよ。
出血しない、ダウンタイムも短い、お肌への負担を抑えたダーマペン
メニュー全体として、優しいものが多い印象を受けましたが、さらに副作用やダウンタイムを抑えるための取り組みなどはありますか?
一番ダウンタイムがあるとすればダーマペンですが、翌日にお化粧で隠せる程度に赤みを抑えるよう工夫しています。
当院では、基本的にどれもダウンタイムが少なく、翌日に普段通り過ごせる施術しか採用していません。
一番ダウンタイムがあるとすればダーマペンですが、2〜3日程度で赤みが引くよう工夫して施術を行っています。ダーマペンには、出血させて2週間ほどのダウンタイムを経てお肌をきれいにする方法と、出血させることなく美容液を注入する方法の2種類があるんです。
当院では、血を出さないギリギリの赤みまでで抑える方法を採用しているので、翌日にはお化粧の際にチークなどを使えば隠せる程度におさまりますよ。
ダウンタイムの期間や症状については、施術前のカウンセリングで詳しくご説明するので、疑問点があれば何でもお尋ねくださいね。
相談しやすい、来院すると明るく元気になれるクリニック
診療する際に心がけていることを教えてください。
「先生はいつも元気だな。ここにくると話しただけでも安心するな。こんな悩みでも聞いてくれるだろうな。」と思ってもらえるように、体調を崩さないように気をつけて過ごしています。
当クリニックでは、“何でも相談できる”というだけではなく、誰でも相談できるという点も大切にしています。
私にとって自由が丘は、住み慣れて親しんだ町なので、ここに住む方たちのホームドクターとして、これからもご家族の皆さまを笑顔にしたいと思っていますね。
たくさんの引き出しから、患者さまに合った診療とアドバイス
保険診療と自由診療の両方を提案できるからこその難しさもあるかと思いますが、その点先生はどのように切り替えて考えているのでしょうか?
保険診療でも自由診療でも考え方は変わりません。患者さんに必要な治療を提案して、実際にやるかやらないかは、患者さん自身に選択していただいています。
保険診療の場合、医師が「この治療は〇〇円です」とお伝えすることはほとんどありません。そのため、開業した当時は、自由診療のメニューを費用と共に提案することに戸惑いもあり、どのようにお伝えしたらいいのか悩んだこともありました。
しかし、患者さんにとって何が必要かを考えてご提案するのだから、保険診療も自由診療も変わらないと考えるようになったので、「保険なら〇〇、自由診療なら〇〇がおすすめですよ」と、今では一緒に説明して提案しています。
なぜ、内科、皮膚科、美容皮膚科で開業に至ったのでしょうか?
さまざまなお悩みのある患者さんにとって一番いい治療を提供するためです。
患者さんに一番いい治療を提供したいというのが一番のきっかけですね。勤務医ではクリニックの方針に従う必要があるので、自分が思う最善の治療を提供できないこともあるんです。
また、私は開業する前に透析内科を専門としたクリニックに勤めており、透析の患者さんは肌が悪くなりやすいので、皮膚科の診療も行っていました。元々このクリニックは内科のみで開業しようと考えていましたが、ビルのオーナーに「この地域に皮膚科が少ないので、皮膚科もお願いしたい」と言われたため、「それなら!」と、皮膚科も診療することにしたんです。
その後内科・皮膚科としてクリニックを始めようとしていたら、友人から「美容医療のみのクリニックに行くのはハードルが高いと感じる。内科や皮膚科と一緒に美容皮膚科を診てくれるといいのに……」といわれて、美容皮膚科も兼ねることにしました。
内科に加えて皮膚科・美容皮膚科も兼ねる以上、患者さんからの皮膚科治療に関する質問にも答えてあげたいので、今も本当に勉強の毎日です。学会に行ったり、詳しい先生に直接聞いたりして、日々引き出しを増やしています。
とはいえ、当クリニックで行える最大限の治療や施術をしますが、無理はしません。たとえば、美容皮膚科の定番メニューとしてヒアルロン酸がありますが、経験豊富な先生に打ってもらうほうが良い結果になるでしょう。今後も患者さんに、より信頼していただける治療をしっかり行って参ります。
親しみやすく、居心地の良いリラックスできるクリニック
クリニックの開業の際にこだわった点を教えてください。
当クリニックはご家族皆さんに通っていただきたいというコンセプトがありますので、お子さんも怖いと感じないように心がけています。
私は子どもが大好きなので、実は小児医になろうと考えていたこともありました。結局小児科は選びませんでしたが、どの年齢層の方も来院しやすいように、いかにも病院という感じではなく、クリニック内はブルーとホワイトを基調としたリラックスできる雰囲気にしています。
ある男性の患者さんが入ってきた時、クリニックのインテリアを見て女性専用だと勘違いされて、思わず扉を閉めようとしたこともあります。もちろん、男性の患者さんも大歓迎ですよ。
親しみやすさも大切にしていて、一般の家庭に置いてあるようなインテリアを使っています。お子さんに「先生、その家具、お店で見たことあるよ」と言われたこともあるくらいありふれたものです。
また、内科・皮膚科には感染症の疑いのある患者さんもいらっしゃいますので、入口から右が内科・皮膚科、左が美容皮膚科と導線を分けて感染対策もしています。
口コミからは地元の方から愛されていることが伺えますが、患者さんとはどのようなコミュニケーションを取られているのでしょうか?
患者さんのお話を言葉通りに受け取るだけでは、患者さまのお悩みや病気の原因は分からないため、行間も読むように心がけています。
まず、言葉遣いについては、その患者さんがどう接してほしいかを考えて、それに合わせて使い分けています。例えば「敬語で話されると相談しにくい」「年下だからこそ、丁寧に話されるほうが安心できる」といったふうに、それぞれの気持ちがありますので。
また、患者さんが「お腹が痛い」と言っても、お腹に問題があるのではなく実は膀胱炎だったり、発熱外来できたけど、アレルギーだったりすることがあります。お話を聞いているだけではなく、さらに一歩その先にあるもの、行間を読むように心がけています。
また、患者さんが歩いている様子も拝見するようにしています。例えば、高齢者の方だと右に身体がずれている、歩みが細かいといった場合、脳梗塞であったり、薬によるパーキンソン症候群の症状だったりすることもあります。そんな時は、「いつもと歩き方が違いますが、痛みがありますか?」とお尋ねします。
患者さまが「よくなった」と言ってくれたり、またこのクリニックに来たいと思ってくれたりするのが私の原動力です。そういった患者さんの姿を見るのが何よりも嬉しいので私にとってお医者さんという仕事は天職だと思っています。