メトホルミンには若返り効果がある?適切な服用量やリスクも徹底解説
メトホルミンは1950年代から糖尿病治療薬として使用されており、日本でも広く使用されている薬です。しかし、糖尿病治療以外にも効果があり、近年の研究では、メトホルミンによる若返り効果が期待されています。
実際に、若返り効果があるかを確かめるために「エピジェネティック時計」を用いた研究が実施されています。
エピジェネティック時計とは、体の年齢を測る方法です。人の体には遺伝子があり、遺伝子の働き方は「メチル化」という目印により変化します。
メチル化とは、DNAの一部にメチル基が付加されることにより、遺伝子が調節される現象です。メチル化が進むと、特定の遺伝子が抑制され、細胞の成長や分化が適切に制御されます。
メチル化の状態は年齢により変化するため、「エピジェネティック時計」により、「細胞が体の状態がどれくらい歳をとっているか」を測れます。
実際に、メトホルミンで服薬治療中の糖尿病患者16名(平均年齢:72.9歳)と、メトホルミンを投与しない糖尿病患者16名(平均年齢:73.6歳)を対象に、エピジェネティック時計を用いた研究が実施されました。
研究の結果、メトホルミンを投与された患者の方が、平均して2.77歳若いことが報告されています。
上記により、メトホルミンの若返り効果が期待されています。
メトホルミンによる3つの若返り効果
メトホルミンによる3つの若返り効果は以下のとおりです。
・活性酸素の抑制を促す
・抗糖化効果を期待できる
・炎症反応を抑制する
メトホルミンによる若返り効果を具体的に理解するためにも、ぜひ下記を参考にしてみてください。
①活性酸素の抑制を促す
メトホルミンは、活性酸素を抑制する効果が期待できます。
活性酸素とは、空気中の酸素の一部が通常よりも活性化した状態です。過剰な活性酸素は、細胞を傷つけ、老化や疾患の原因になることがあります。
メトホルミンを服用すると、細胞内で活性酸素を減らすたんぱく質「Nrf2」が活性化します。これにより抗酸化酸素の生成が促進されることで、細胞が酸化ストレスから守られ、傷つきにくくなるのです。
上記により、メトホルミンは活性化酸素の抑制により若返り効果が期待できます。
②抗糖化作用を期待できる
メトホルミンは、抗糖化効果も期待できます。
糖化とは、糖とたんぱく質が結びつく化学反応で、肌の老化や生活習慣病の原因の一つです。
通常、肝臓では、低血糖の際にアミノ酸や乳酸などから糖を生成します。
そこで、メトホルミンを服用すると、肝臓での糖新生を抑え、血糖値上昇の防止が可能です。さらに、糖とたんぱく質の結び付きを阻害する働きも持っています。
③炎症反応を抑制する
メトホルミンには、炎症を防ぐ作用があります。
慢性炎症は、本来なら治る炎症が慢性化して長期間持続している状態です。炎症反応は、糖化や酸化と同じように、シミやシワなど肌トラブルや老化にもつながります。
しかし、メトホルミンは脂肪の燃焼を促進し、内臓脂肪や放出される炎症性物質を減少させる効果があります。
アメリカの研究では、60歳以上でBMI30未満の健康な男女20名を対象に、メトホルミンが老化細胞による慢性炎症を抑制できるかを検証する実験がおこなわれました。
メトホルミンを服用した人は、筋肉内の主要な間葉系前駆細胞(FAP)の老化マーカーが減少した結果となりました。FAPは、筋肉再生をサポートする重要な細胞ですが、過剰に老化すると炎症を引き起こし、筋力低下や筋肉量の減少につながる可能性があります。
この結果から、メトホルミンは筋肉の健康維持に効果的であることが示されました。
メトホルミンによる若返り効果を得るための服用量
若返り効果のためのメトホルミンの服用量や用法は、とくに決まっていません。
一般的には、副作用のリスクを抑えるために1回250mgの服用から開始し、食直前か食後に朝夕の1日2回服用します。服用開始から1ヶ月を過ぎれば、500mgに増量する場合もあるため、効果が実感できない場合は医師に相談してみてください。
メトホルミンを適切に服用しなければ、期待どおりの効果が得られなかったり、副作用が出やすくなったりする可能性もあります。そのため、メトホルミンを服用する際は、医師の指示に従い、適切に服用してください。
メトホルミンの代表的な3つの副作用
メトホルミンにも副作用があるため、服用前に副作用についての確認が重要です。
・下痢や嘔吐などの消化器症状が現れることがある
・脱力感や発汗を伴う低血糖が起こる可能性がある
・発熱や下痢が伴う乳酸アシドーシスが起こる可能性がある
万が一、上記のような副作用が出た場合でも、事前に症状を理解すれば冷静に対処できます。以下では、各副作用について解説します。
①下痢や嘔吐などの消化器症状が現れることがある
メトホルミンを服用すると、消化器症状が現れることがあります。
日経メディカルによると、メトホルミンによる消化器症状は、下痢が40.5%、悪心が15.4%、食欲不振は11.8%、腹痛11.5%、嘔吐は1〜5%未満です。
メトホルミンによる消化器症状は、糖吸収抑制による腸内フローラの変化や小腸でのブドウ糖代謝の変化が原因とされています。
そのため、メトホルミンを服用する際は副作用を避けるため、低用量から投与を開始し、個々の症状に応じた増減が重要です。
副作用に関する口コミは以下の通りです。
最初は少し副作用があって、胃のムカムカや、たまに下痢っぽくなることがありました。それが心配でしたが、食後に飲むようにしたところ、だいぶ楽になり、その後は体が慣れてきて問題なく続けられるようになりました。
抜粋:かみさんの口コミ
万が一、副作用が出た場合でも、継続すると徐々に改善します。ただし、副作用が激しい場合は、医師に相談してください。
②脱力感や発汗を伴う低血糖が起こる可能性がある
メトホルミンを服用すると、低血糖を引き起こすことがあります。
低血糖とは、体内の糖分が少なくなった状態です。日経メディカルによると、低血糖の発症率は5%以上で、主な初期症状は脱力感、強い空腹感、発汗などが見られます。
メトホルミンだけで低血糖を引き起こすことは稀ですが、他の糖尿病用薬剤との併用時は低血糖のリスクが増加する可能性が高まります。低血糖の症状が現れた場合は、ショ糖やブドウ糖などの糖質が含まれた食品を摂取してください。
③発熱や下痢が伴う乳酸アシドーシスが起こる可能性がある
メトホルミンを服用すると、稀に重篤な副作用である乳酸アシドーシスを引き起こす場合があります。乳酸アシドーシスは、血液中の乳酸が異常に増加している状態です。
稀な副作用ですが、放置しておくと昏睡状態に陥ったり、死に至ったりする場合もあります。消化器症状は乳酸アシドーシスの初期症状であるとされているため、よくある副作用だからと放置せず、早期の対応が重要です。
万が一、乳酸アシドーシスの可能性がある副作用を発症した場合は、服薬を中止して、医師に相談してください。
メトホルミンの服用禁忌・注意の人
メトホルミンは、服用禁忌の方や注意が必要な方がいます。すべての人が服用できる薬ではないことを理解しておきましょう。
・乳酸アシドーシスになったことがある方
・腎臓の働きがとても悪い方
・肝臓の働きがとても悪い方
・心臓や肺に重い病気がある方
・脱水状態の方
・お酒を多く飲む方
・重い糖尿病の方や1型糖尿病の方
・ひどい感染症がある方
・栄養が足りていない方、痩せすぎている方、体が弱っている方
・妊娠中、または妊娠の可能性がある方
・薬の成分にアレルギーがある方
上記のような方がメトホルミンを服用すると、副作用が強く現れたり、病気が悪化したりする可能性があるため注意が必要です。
そのため、医師に相談し、服用しても問題ないかを相談してください。
メトホルミンの3つの注意点
メトホルミンを服用する際は、以下のポイントに注意してください。
・空腹時に服用しない
・造影剤検査の前後2日間と検査当日は服用してはいけない
・併用注意の薬がある
メトホルミンを安心安全に服用するためにも、事前に注意点を確認しておきましょう。
①空腹時に服用しない
メトホルミンは、空腹時に服用しないように気をつけてください。
空腹時は血糖値が低い状態であるため、食事や水分補給をしていない状態でメトホルミンを服用すると、低血糖を引き起こす可能性が高まります。
また、血糖が安定していても、体調がすぐれないときに服用すると血糖をコントロールできず、副作用が現れやすくなる場合もあります。
安全に服用するために、食事をしていないときはダイエット目的でもメトホルミンの服用は避けてください。
食事をしないときにメトホルミンを飲むリスクについては、下記の記事をご覧ください。
②造影剤検査の前後2日間と検査当日は服用してはいけない
造影剤検査の前後2日間と検査当日は、メトホルミンの服用を避けてください。
造影剤検査(CT検査)で使用するヨード造影剤は、腎機能を低下させる作用があり、メトホルミンを服用すると乳酸アシドーシスのリスクが高まります。
そのため、検査当日と検査後48時間は服用を避けることが望ましいとされています。
服用を避けるべき期間は、医療機関により異なる場合があるため、造影剤検査を受ける際には、医師に伝えておきましょう。
③併用注意の薬がある
メトホルミンには併用注意の薬があるため、すでに他の薬を服用している場合は注意が必要です。
メトホルミンとの併用注意な薬は下記のとおりです。
飲み合わせが悪い薬を服用してしまうと、重篤な副作用や病状を悪化させる可能性もあるため、服用できるかを医師に相談してください。
メトホルミンの若返り効果に関するよくある質問
最後に、メトホルミンの若返り効果に関するよくある質問をまとめました。メトホルミンを服用するために、疑問や不安を解消するためにも、下記を参考にしてみてください。
Q1. メトホルミンを処方してもらうにはどうすればいいですか?
糖尿病の場合、メトホルミンは保険医療機関で処方してもらえますが、ダイエット目的の場合は自由診療のクリニックで処方してもらえます。
近年では、来院しての診察だけでなく、オンラインでの診察とメトホルミンの処方を行うクリニックも増えています。
「キレイレポオンラインクリニック」でも、自宅から医師の診察を受け、メトホルミンを処方してもらえ、さらに初診料無料で医師に相談可能です。
また、メトホルミンの定期配送も実施しているため、長期的にメトホルミンの服用を検討している方は、一度「キレイレポオンラインクリニック」で相談してみてはいかがでしょうか。
Q2. メトホルミンとNMNの違いはなんですか?
メトホルミンとNMNは、医薬品か体内のビタミンを補うサプリかに違いがあります。
NMNは体内で自然に生成されるビタミンB3の一種です。基本的にNMNは体内で生成されますが、加齢によりNMNの生産量が減少し、体の機能や認知機能の老化が進みます。
そこで、不足分をサプリメントや点滴で摂取すると、アンチエイジングに効果的と言われています。
NMNは細胞レベルで若さをサポートするのがメインなのに対して、メトホルミンはあくまでも糖尿病治療が主な目的の薬です。
メトホルミンとNMNの違いについては、下記記事をあわせてご覧ください。
▶メトホルミンとNMNの違いは?それぞれの効果や副作用・入手方法などを解説
Q3. メトホルミンをやめるとどうなりますか?
メトホルミンの服用をやめると、糖尿病治療の場合、もとの血糖値に戻るため注意が必要です。
メトホルミンの作用は毎日の服用により得られるため、自己判断で中止すると効果が出なかったり、副作用が出たりする可能性が高まります。
そのため、メトホルミンを服用をやめる際も必ず医師に相談してください。
適切なクリニックでメトホルミンを処方してもらって効果を実感しよう
メトホルミンは2型糖尿病治療の薬ですが、近年では若返りを含むエイジングケアに関する研究も進んでいます。しかし、メトホルミンは医師による診断が必要であるため、必ずクリニックで診察を受けて処方してもらう必要があります。
そこで、メトホルミンの処方におすすめなのは、キレイレポオンラインクリニックです。キレイレポオンラインクリニックでは、医師の診察から薬の処方までがオンライン上で受けられます。
また、メトホルミンの250mg 30日分(60錠)を、定期便初回で3,980円(税込)、2ヶ月目以降は4,980円(税込)で処方してもらえます。初診料は無料であるため、メトホルミンの服用をご検討している方は、お気軽にご相談ください。