メトホルミンを利用したダイエットは効果的?副作用や服用タイミングも徹底解説
メトホルミンは、2型糖尿病患者に対して処方される薬で、糖尿病治療薬としては60年以上の使用実績があります。
メトホルミンの主な効果は、肝臓での糖生成抑制や筋肉での糖利用を促進、インスリンが働きにくい状況を改善し、血糖値を下げることです。
また、糖尿病治療以外にも、肥満や耐糖能異常、インスリン抵抗性などの状態の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療などにも使用されることがあります。
近年では、メディカルダイエットとしても注目されています。ただし、日本ではダイエット目的での処方は承認されていません。そのため、2型糖尿病以外の治療目的に使用する場合は、保険適応外です。
メトホルミンの服用により得られる3つのダイエット効果
メトホルミンを服用すると、3つのダイエット効果が得られます。
・筋肉での糖利用を促進する
・小腸で糖の吸収を抑制する
・肝臓で脂肪酸分解を促進する
メトホルミンを実際に服用する前にどのような効果があるか理解するのも重要です。下記では、各効果について解説します。
①筋肉での糖利用を促進する
メトホルミンは、筋肉での糖利用を促進し、エネルギー消費を高める作用があります。
通常、体内の余分な糖は脂肪として蓄積されます。しかし、メトホルミンを服用すると、筋肉で糖の取り込みとエネルギー消費が増加し、脂肪の蓄積を抑制可能です。
さらに、メトホルミンは肝臓での糖新生※を抑制する作用もあります。そのため、肝臓からの過剰な糖放出が減少し、より効果的な血糖値のコントロールが可能です。
※糖新生…糖質以外の物質によりグルコースを合成・供給を行う働きのこと
上記のような作用から、メトホルミンを服用すると筋肉での糖利用を促進することにより、血糖値が低下するだけでなく、脂肪の蓄積を抑制する効果も期待できます。
メトホルミンの効果に関する口コミは以下の通りです。
飲み始めて最初の1週間くらいは、特に変化を感じませんでしたが、2週間目くらいから食欲が少しずつ安定してきたことに気づきました。甘いものやお菓子が食べたくて仕方なかったのに、それがだんだん減り、食事量が自然と減った感じがしました。血糖値の急激な上昇や、食後のだるさも減って、食べ過ぎることが少なくなったのです。
抜粋:かみさんの口コミ
②小腸で糖を吸収する
メトホルミンは、小腸で糖の吸収を抑制する効果が期待できます。
小腸の肛門に近い部分である「回腸」よりも肛門側の腸は、メトホルミンの服用によりブドウ糖が多くなると報告されています。
つまり、メトホルミンを服用すると、血液内のブドウ糖が、便として排出されることが証明されているのです。
小腸での糖の吸収を抑制し、体内の糖を便として体外に排出することにより、体内に脂肪が溜め込まれにくくなります。
③肝臓で脂肪酸分解を促進する
メトホルミンの服用は、肝臓で脂肪酸分解を促す効果があります。
メトホルミンは、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)という酵素を活性化させる働きがあります。AMPKとは、肝臓でエネルギー消費をコントロールするスイッチのようなものです。
AMPKが活性化すると、肝臓内の脂肪を「分解して利用する」方向に促し、さらに「新しい脂肪を作る」ことをストップさせるのです。
たとえば、肝臓を「脂肪燃焼のエンジン」とすると、メトホルミンの使用によってそのエンジンが活性化され、蓄積された脂肪酸を燃やしてエネルギーに変えます。
そして、脂肪を新しく溜め込まないようにする作用により、結果的に中性脂肪が減りやすくなり、体に蓄積される脂肪を減らせます。
メトホルミンダイエットで痩せないときの5つの対処法
メトホルミンによるダイエットに挑戦しているのに効果が得られないと感じる方もいらっしゃるでしょう。しかし、ダイエットで痩せないときには理由があり、理由に応じた適切な対処が必要です。
メトホルミンダイエットで痩せないときは、以下の5つの対処法を確認してみましょう。
・継続して服用する
・服用量を変更する
・食生活を見直す
・適度に運動する
・メトホルミンと他の薬を併用する
以下では、具体的な対処法を解説します。
①継続して服用する
メトホルミンの効果を得るためには、一定期間の継続した服用が重要です。少なくとも、1ヶ月以上の服用で効果を徐々に実感できるようになります。
糖尿病治療では、腎障害の副作用や薬を使用しない血糖コントロールを希望する場合など、特定の理由がない限り服用の継続が推奨されています。
そのため、メトホルミンを服用して効果が現れないからと自己判断で服薬を中止したり、休薬したりするのは避けてください。
万が一、自己判断でメトホルミンの服用を早期に中止すると、加齢に伴い、思考力や記憶力に問題が生じる可能性があると報告されています。
メトホルミンを服用する際は医師の指示に従い、継続した服用が重要です。服用中に体調の変化や副作用を感じた場合は、速やかに医師に相談してください。
②服用量を変更する
メトホルミンの服用量は個人差があり、医師が患者様の体調に応じて適切な量を処方します。服用量が少なすぎると、人により効果を感じない場合があり、逆に服用量が多すぎると副作用が強まる可能性があるため注意が必要です。
メトホルミンは、服用量に応じて効果が強まります。そのため、服用後に一定期間効果を実感できない場合は、医師に用量の変更を相談してみましょう。
医師に相談すると、最適な服用量を提案してくれるため、安心して服用を継続できます。
メトホルミンの1日の最大摂取量は2,250mgです。したがって、最大摂取量を超えずに服用し、自己判断で服用量を変更しないように注意してください。
③食生活を見直す
メトホルミンの服用中は、食事バランスの考慮も重要です。メトホルミンを服用していても、必ずしも体重が減少するというわけではありません。
メトホルミンを服用している場合でも、1日の食事量が「摂取カロリー≧消費カロリー」となる場合は、痩せにくいため注意が必要です。
農林水産省の「食事バランスガイド」では、1日に必要なエネルギー量から5つの料理グループ(主食や副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物)ごとに、1日に食べる量が決まるとされています。
活動量が少ない成人女性は1,400〜2,000kcal、男性は2200±200kcal程度が目安です。
④適度に運動する
ダイエットの際は適度に運動することも重要です。
メトホルミンは筋肉量を増加させる作用があるといわれており、適度な運動を取り入れると体の引き締め効果や見た目の変化を期待できます。
たとえば、厚生労働省では、1日60分以上ウォーキングやジョギングなどの運動を推奨筋トレなどを組み合わせたり、ラジオ体操やダンスなどの多様な動きがある運動をしたりするのも有効です。
WHO(世界保健機関)のガイドラインでは、上記のような運動を週3日以上行うことが推奨されているため、ダイエットの際は積極的に取り入れてみてください。
⑤メトホルミンと他の薬を併用する
メトホルミンだけで効果が実感できない場合は、他の薬を併用するのも検討してみましょう。メトホルミンだけでも十分効果は期待できますが、他の血糖降下薬を併用すると相乗効果を期待できます。
メトホルミンとの併用が有効な薬剤には、ゼニカルやフォシーガなどがあります。
たとえば、メトホルミンとゼニカルを併用すると、より高い効果が得られると報告されました。「NIH(アメリカ国立衛生研究所)」による研究では、ゼニカルを服用した人よりも、メトホルミンとゼニカルを併用した患者の体重が減少したとの結果が出ています。
そのため、メトホルミンだけで効果が実感できない方は、医師に他の薬との併用について相談してみましょう。
メトホルミンと他のダイエット薬との併用については、下記記事で詳しく解説しているため、あわせてご覧ください。
メトホルミンのダイエット目的の飲み方
メトホルミンを使用したダイエットを検討している方は、飲み方にも注意が必要です。
メトホルミンをダイエット目的で服用する際は、最初の1ヶ月間、用量が少ない250mgを1回1錠、朝と夜の1日2回服用しましょう。服用後すぐは副作用が出る可能性もありますが、徐々に症状は治ります。
服用開始から1ヶ月経過すれば、用量を500mgに増量する場合もあります。ただし、個人の体調により服用量は変化するため、自己判断で用量を変更せず、医師の指示に従うことが重要です。
実際にメトホルミンをダイエット目的で服用した口コミは下記のとおりです。
実際にメトホルミンを服用してみると、数日で食欲が抑えられるのを感じました。無理な食事制限をしなくても、自然に食べる量が減り、過食への不安も軽減しました。その結果、体重も少しずつ減少していき、身体全体のバランスが整い始めたように感じます。また、体重の変化だけでな肌の状態も改善され、周囲からも「健康的になったね」と言われることが増えました。
メトホルミンを服用するタイミング
メトホルミンを服用するタイミングは、食直前または食後が適しています。
食直前は、一般的に食事の5分〜10分前といわれており、食事を摂る直前に飲みます。また、食後に服用する場合は、食事を終えてから約30分以内に服用するのが一般的です。
メトホルミンは、食事をしていない空腹状態で服用すると、元々低い血糖値をさらに低下させる可能性があるため、胃のなかに食べ物が入っていると胃への負担や低血糖のリスクを軽減できます。
万が一、食後30分以上経過した場合は、副作用を避けるためにも、1回分の服用はスキップしてください。
副作用を避けるためには、メトホルミンを利用する際、医師の説明をよく聞き、適切なタイミングで服用することが重要です。
メトホルミンダイエットによる代表的な 3つの副作用
メトホルミンダイエットで考えられる副作用は3つあります。
・下痢や食欲不振などの消化器症状
・脱力感や頭痛が伴う低血糖
・倦怠感や筋肉痛が伴う乳酸アシドーシス
メトホルミンを服用する前に、どのような副作用があるかの確認も重要です。以下では、メトホルミンの代表的な副作用を具体的に解説します。
①下痢や食欲不振などの消化器症状
メトホルミンを服用すると、消化器症状を発症する場合があります。消化器症状のなかでもよく見られるのが、下痢や悪心、食欲不振、腹痛などです。
消化器症状によっては、脱水症状につながる可能性もあるため、注意が必要です。
メトホルミンの投与初期(1〜2週間頃)や増量時は、とくに消化器症状が起こりやすいですが、継続して服用すると徐々に改善します。
しかし、メトホルミンの消化器症状は、重篤な副作用である乳酸アシドーシスの初期症状の可能性もあるため、迅速に対応する必要があります。
メトホルミンの服用により消化器症状を発症した場合は、メトホルミンの継続を見直す必要もあるため、早急に医師に相談しましょう。
副作用に関する口コミは以下の通りです。
最初は少し副作用があって、胃のムカムカや、たまに下痢っぽくなることがありました。それが心配でしたが、食後に飲むようにしたところ、だいぶ楽になり、その後は体が慣れてきて問題なく続けられるようになりました。
抜粋:かみさんの口コミ
②脱力感や頭痛が伴う低血糖
メトホルミンを服用すると、低血糖を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
一般的に、血糖値が70mg/dL以下になると、体は血糖値を上げようとします。また、血糖値が50mg/dL未満になると、脳などの中枢神経が糖不足になり、低血糖を引き起こします。
低血糖の初期症状は、脱力感や強い空腹感、手足の震え、頭痛などです。人により低血糖の症状が出ない場合もありますが、血糖値が70mg/dL以下になると低血糖と診断されます。
メトホルミン服用後に低血糖症状を発症した場合は、早急にショ糖を摂取してください。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミグリトールなど)との併用で低血糖を引き起こした場合は、ショ糖ではなくブドウ糖の摂取が必要です。
上記のように、メトホルミンを服用すると低血糖を引き起こす可能性があるため、メトホルミン服用後は高所での作業や自動車の運転などは避けましょう。
③倦怠感や筋肉痛が伴う乳酸アシドーシス
メトホルミンの重篤な副作用として、乳酸アシドーシスが挙げられます。
乳酸アシドーシスは、血中の乳酸が異常に増加し、血液が酸性になった状態です。
乳酸アシドーシスの初期症状には、悪心や嘔吐などの消化器症状や倦怠感、筋肉痛などがあります。
万が一、乳酸アシドーシスの恐れがある症状を発症した場合は、すぐにメトホルミンの服用を中止し、医師に相談しましょう。
メトホルミンによるダイエットの3つの注意点
メトホルミンによるダイエットを行う際は、下記の3つのポイントに気をつけましょう。
・メトホルミンを服用できない人もいる
・メトホルミンと併用注意の薬がある
・ダイエット目的のメトホルミンの購入は保険適用外である
注意点を知らずにメトホルミンを服用すると、思わぬトラブルが発生する可能性もあります。メトホルミンを正しく服用するためにも、以下では各注意点について解説します。
①メトホルミンを服用できない人もいる
メトホルミンは服用できない人もいるため、注意が必要です。
メトホルミンは下記の方は服用できません。
・過去に乳酸アシドーシスを起こしたことがある方
・腎機能がかなり低下している方(eGFRが30未満)や透析を受けている方
・肝臓の機能が大きく低下している方
・心臓や肺の病気が重い方、または酸素が不足しやすい状態の方
・脱水症状がある、または脱水が心配な方(下痢や嘔吐が続く、食事や水分が摂れないなど)
・お酒を大量に飲む方
・重い糖尿病でケトーシスや昏睡状態の方、または1型糖尿病の方
・重い感染症にかかっている方、手術前後や大怪我をした方
・栄養が不足している、食事を摂れない、体が弱っている方、またはホルモンバランスが崩れている方
・妊娠している方、または妊娠の可能性がある方
・メトホルミンや同じ種類の薬でアレルギーを起こしたことがある方
上記に当てはまる項目がある方は、メトホルミンを服用できない可能性があります。万が一、自己判断で服用すると副作用が強く現れるだけでなく、病気が悪化する可能性もあり危険です。
そのため、メトホルミンを服用する際は、必ず医師に服用しても問題ないか診察を受けてください。
②メトホルミンと併用注意の薬がある
メトホルミンには併用注意の薬があるため、メトホルミン以外に服用している薬がある方は注意が必要です。
上記のような薬を服用している場合は、メトホルミンの服用は注意が必要です。
さらに、メトホルミン服用中のアルコール摂取は乳酸アシドーシスのリスクを増加させるため、避けるべきです。メトホルミンの使用は、医師の指導のもと行い、自己判断での利用は注意してください。
③ダイエット目的のメトホルミンの購入は保険適用外である
メトホルミンは2型糖尿病には保険適用ですが、ダイエット目的での処方は保険適用外のため注意が必要です。
美容クリニックやオンラインクリニックでは、自由診療でメトホルミンを処方していますが、費用は全額自己負担です。また、医師の診察や検査費用も加算されるため、総額が高額になる可能性もあります。
そのため、ダイエット目的でメトホルミンを使用する際は保険適用外であることを理解し、慎重に検討することが重要です。
正しい服用方法を理解してメトホルミンによるダイエットを挑戦してみよう
メトホルミンは、2型糖尿病治療薬ですが、近年ではメディカルダイエットとしても注目されています。
しかし、誤った方法で服用すると、効果を得られないだけでなく、副作用を強める可能性があります。そのため、メトホルミンを服用する際は、医師による指導を受けたうえでの使用が重要です。
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