メトホルミンとピルは併用できる?飲み方のポイントや副作用を解説
メトホルミンとピルは、一般的には併用が可能です。しかし、ピルの種類によってはインスリン抵抗性に多少の影響を及ぼすことがあるため、血糖値コントロールに若干変動がでる場合があります。
メトホルミンはインスリン抵抗性※改善薬であり、通常は血糖値上昇を抑制する方向に働きます。このため、ピルとメトホルミンの併用によって大きな問題が生じることは多くありません。
インスリン抵抗性…十分な量のインスリンが作られているけれど、効果を発揮できていない状態。
ここでは、具体的にメトホルミンとピルの併用について、以下3つのパターンを例に挙げて解説します。
・低用量ピル×メトホルミン
・中用量ピル×メトホルミン
・アフターピル×メトホルミン
メトホルミンは個人輸入で購入することも可能ではあるものの、その場合、薬剤の安全性が担保されていないケースがほとんどです。
メトホルミンを安全に服用したい方は、クリニックで処方してもらいましょう。
低用量ピル×メトホルミン
低用量ピルとメトホルミンとの飲み合わせは、原則問題ありません。メトホルミンとピル類は臨床的に併用されることが珍しくなく、一般的には併用が可能とされています。
しかし、複数の薬剤を併用する際はいくつかの注意点があります。まず、低用量ピル単体の用法用量を正しく理解し、飲み合わせが推奨されていない薬剤も把握しておきましょう。
以下の薬剤は低用量ピルの効果を弱めることがあります。
・抗生物質
・抗てんかん薬
・精神刺激薬
・抗結核薬
・HIV感染症治療薬
なおC型肝炎の薬であるヴィキラックス配合錠は、低用量ピルとの併用は不可となっています。
メトホルミンとピルの併用を含め、ほかの薬剤との飲み合わせについても理解したうえで服用しましょう。
中用量ピル×メトホルミン
中用量ピルとメトホルミンとの併用についても、原則として問題はありません。
併用の際に注意が必要な薬剤は、低用量ピルと同様です。これらの薬剤を一緒に服用すると、ピルの効果が薄れてしまったり、副作用がでやすくなったりすることがあります。
中用量ピルはエストロゲンという女性ホルモンの量が多く効果は強力ですが、吐き気やむくみなどの副作用が出やすいという一面もあります。
アフターピル×メトホルミン
緊急避妊薬(レボノルゲストレル、ウリプリスタール酢酸エステルなど)は、短期的かつ一時的な服用薬です。
これらの薬剤とメトホルミンと併用してはならないという明確な禁忌・注意は一般的には報告されていません。
アフターピルはホルモン量が多く、吐き気や頭痛、不正出血などが起こりやすいことがあります。
一方、メトホルミンは胃腸障害(下痢、腹痛)を引き起こすことがあり、個人によっては不快感が強まる可能性があります。
しかし、薬物相互作用による深刻な問題は一般的にはあまり報告されていないため、併用はおおむね問題ないといえるでしょう。
メトホルミンとピルを併用するときの飲み方
メトホルミンは、1日に2~3錠を、食前もしくは食後に飲みます。
低用量ピル・中用量ピルは、時間帯や食前食後は関係なく、1日に1回服用します。
メトホルミンとピルを一緒に飲む場合、時間を決めておくと飲み忘れを防げるでしょう。
メトホルミンの飲み方については、処方時にクリニックで説明してもらえるので、不明点があれば診療時に質問してみてください。
メトホルミンやピルを飲み忘れてしまったときはどうすればいい?
メトホルミンとピルの飲み方について前述しましたが、あらかじめ飲むタイミングを決めていても、うっかり忘れてしまうこともあるでしょう。
もし、両方またはいずれかの薬剤を飲み忘れてしまったときは、以下の対処法を参考にしてください。
なおメトホルミンは身近なドラッグストアでは購入できないため、定期購入の申し込みをしておくことがおすすめです。
1週間分をピルケースなどに準備しておくと、スムーズに服用できるでしょう。
メトホルミンを飲み忘れた場合
メトホルミンを飲み忘れた場合は、1回飛ばして、次のタイミングで服用します。
飲み忘れたからといって、2回分(2倍量)を一緒に飲むことはしないように、注意してください。
2倍量を服用した場合、効果が強くなりすぎて副作用を発症しやすくなるおそれがあります。
ピルを飲み忘れた場合
ピルを飲み忘れたら、忘れたことに気づいた時点で、飲み忘れた分を服用します。
メトホルミンは2回分まとめて服用することはしませんが、ピルの場合は1回に2回分を飲んでも基本的に問題ありません。
ただし、2日分以上忘れてしまった場合は、忘れた分すべてを飲むことはせず、前日分だけ服用し、その後はいつもの服薬スケジュール通り服用を続けてください。
飲み忘れた期間は避妊効果が継続されていない可能性が高いため、効果については医師に確認したほうがよいでしょう。
メトホルミンとピルのそれぞれの副作用
メトホルミンとピルの服用に際して、副作用が気になる方もいるのではないでしょうか。
ここでは、それぞれの薬剤の副作用について解説します。
・メトホルミンの副作用
・ピルの副作用
副作用の感じ方はそれぞれなので、どの程度影響がでるかは一概にいえません。あまりにも体調が悪くなってしまったときは、医師に相談しましょう。
メトホルミンの副作用
メトホルミンを服用すると、下痢や吐き気、食欲不振など、消化器系の症状が現れることがあります。
これらの症状は、飲み続けるうちに軽くなることもありますが、気になる場合は必ず医師にご相談ください。
以下はメトホルミンの副作用に関する口コミです。
個人的に気になった副作用としては、若干お腹が緩くなり下痢ぎみに感じる事が結構あった事です。トイレの回数が増えたので良く言えば、お通じがよくなったとも言えなくも無いです。消化が良くなったともとれます。
抜粋:がんちゃんさんの口コミ
まれに、重篤な副作用として「乳酸アシドーシス」という状態が起こることがあります。これは血液中の乳酸が過剰に蓄積した際に起こるもので、意識が混濁したり、呼吸が困難になったりする場合があります。
ピルの副作用
ピルの副作用は、ピルの種類や個人の体質によって異なりますが、主に以下が挙げられます。
・頭痛・偏頭痛
・悪心・嘔吐
・乳房の張り
・不正出血
・乳房痛
・下腹部痛
このほか、まれに起こる重篤な症状として血管内で血液が固まってしまう症状(血栓症)があります。違和感を覚えた場合は、早めに医師の診断を受けましょう。
メトホルミンは何と併用するとダイエット効果が高まる?
メトホルミンはダイエット効果があることでも注目されています。
以下では、メトホルミンの具体的なダイエット効果について解説します。
・メトホルミン単体のダイエット効果
・GLP-1薬との組み合わせのダイエット効果
メトホルミンでメディカルダイエットを始めたい方は、まずはクリニックのオンライン診療を受けましょう。
メトホルミン単体のダイエット効果
神戸大学大学院の研究で、血糖値を下げるために用いられるメトホルミンが、体重減少にも効果がある可能性が発見されました。
研究チームは、肥満の患者に6か月間メトホルミンを服用してもらい、その前後で体格指数(BMI)を比較しました。
その結果、メトホルミン服用群では、平均BMIが約1.01低下するという結果が得られたのです。これは身長168cm、体重99kgの成人男性の場合、体重が約3kg減少することに相当します。
すべての人が同じように体重が減少するとは言い切れないものの、今後に期待できる研究結果だといえるでしょう。
GLP-1薬との組み合わせのダイエット効果
メディカルダイエットにおいて、メトホルミンと併用すると効果的な薬剤に「GLP-1受容体作動薬」が挙げられます。
GLP-1受容体作動薬にはGLP-1の働きを補う効果があり、血糖値を安定させる効果が期待できます。
※GLP-1…小腸から分泌されるホルモンのこと
いくつかの研究においては、メトホルミンとあわせてGLP-1受容体作動薬を用いた場合のほうが、体重減少が見られたという報告があります。
メトホルミン以外のGLP-1薬については、以下の記事もあわせて参考にしてください。
メトホルミンとピルは医師に相談のうえで併用しよう
メトホルミンとピルの併用は可能なケースが多いため、心配しなくても問題ないでしょう。
しかし元々の体質や、そのときの体調によっても異なるため、服用時は身体の変化に注意しながら過ごすことがおすすめです。
メディカルダイエットに挑戦していると、薬剤の服用や生活面において、疑問に思ったり心配に感じたりすることがあります。
かかりつけのクリニックを決めておくことで、安心してメトホルミンやピル、GLP-1受容体作動薬などを取り入れられるでしょう。
メトホルミンは初月3,980円(税込)、2か月目以降4,980円(税込)で購入できるため、手軽に始められます。※250mg 30日分(60錠)を定期便の場合
キレイレポではオンラインで24時間365日予約できるので、メディカルダイエットに興味をお持ちの方はぜひご相談ください。