
痛みや違和感の少ない子宮頸がん検診「インナービュー検査」とは? 消化器内科・婦人科・乳腺外科が連携し、病気の早期発見と症状改善を目指す|インナービュー内視鏡レディースクリニック新横浜:田淵 晃大先生
今回取材させていただいた先生



インナービュー内視鏡レディースクリニック新横浜はどのようなクリニックですか?

消化器内科・婦人科・乳腺外科を備えたクリニックで、婦人科検診やおなかの不調などに対応しています。
当院は、消化器内科と婦人科を中心に、乳腺外科の機能も備えたクリニックとして、2024年5月に開院しました。
婦人科では検診・生理のトラブル・ピルの処方など、消化器外来では腹痛・胸やけ・便秘など、乳腺外来では乳房のしこりや腫れなどが主な診療内容です。消化器内科・婦人科・乳腺外科の医師がそれぞれ在籍しており、連携して病気の早期発見や症状の改善に臨んでいます。

インナービュー内視鏡レディースクリニック新横浜の強みを教えてください。

複数の診療科への受診が必要な治療・検査をまとめて実施できることです。
3つの診療科があるため、1つの症状を異なる診療科の観点から診られることが当院の強みです。
たとえば腹痛の症状で婦人科と消化器内科のどちらを受診すべきか迷ったときは、当院に来ていただければ間違いありません。貧血のお悩みで受診された方には、消化器外来で大腸にポリープや癌がないかチェックし、婦人科で生理の出血量をチェックするなど、さまざまな観点から症状の原因を探れます。
ホルモン治療や婦人科検診など、乳腺外科と婦人科をはしごする必要がある診療も当院だけで完結できるため、通院に割く時間を減らせる点もメリットといえるでしょう。

インナービュー内視鏡レディースクリニック新横浜のコンセプトは何ですか?

患者さんの「大事な人生の時間を守るお手伝い」をすることです。
「大事な人生の時間を守る」という当院のコンセプトには、二重の意味を込めています。
1つは、スマートな診療によってクリニックの滞在時間を減らすという意味です。Web予約や来院前に記入できるWeb問診票の導入で、待ち時間を減らすことに努めています。一度でなるべく多くの検査を実施して、患者さんの来院回数を減らすことも心がけています。
もう1つは、病気の早期発見・回復によって、患者さんが健康でいられる時間を守りたいという思いです。
病気によって、大切な人と過ごす時間や趣味を楽しむ時間などが奪われた患者さんを、これまで何人も見てきました。なかには、早期に対処できれば悪化を防げた症例がいくつもあります。だからこそ若いうちから定期的に検診を受けて、病気を未然に防いでいただきたいのです。
婦人科検診の恥ずかしさや痛みを軽減したインナービュー検査


なぜ若い年代からの検査・検診を推奨しているのですか?

若い女性の罹患率が高い子宮頸がんを中心に、命に関わる病気を早期に発見するためです。
女性が発がんした部位を多い順に挙げると、乳房、大腸、肺、胃、子宮となります(※参照:厚生労働省健康・生活衛生局がん・疾病対策課 令和2年全国がん登録 罹患数・率 報告)。
どの部位のがんも進行が遅いため、1~2年に一度のペースで定期検診をしていれば対処が間に合う段階で発見できます。
20〜30代の若い方はまだ先の話だと感じるかもしれませんが、子宮頸がんは若年の女性もかかる可能性が高い病気です。事実、がんを理由に子宮頸部の部分切除を受ける方が最も多いのは30歳前後の年代です。
子宮頸がん検診に苦手意識があって受診に踏み出せない方も多いでしょう。そんな方には、従来の検診時に生じる痛みや恥ずかしさを軽減したインナービュー検査をおすすめしています。
ほかにも当院では、子宮体がん・卵巣がん・乳がん・胃がん・大腸がんの検査ができます。当院だけで検査を済ませられるので、これまで時間がなくて検診に来られなかった方もぜひお越しください。

インナービュー検査はどのような病気を発見するための検査ですか?

子宮頸がんを発見するための内視鏡検査です。
基本的に婦人科では、子宮の入口である子宮頸部、子宮の本体である子宮体部、卵巣の3つに分けて女性器を診療します。
卵巣や子宮体部ががんになった場合はおなかの腫れや出血などの症状が出やすいのですが、子宮頸部のがんは症状が出ないまま進行するケースが多数です。そのため、子宮頸がんは定期的な検査で発見する必要があるのです。
インナービュー検査では、高性能カメラを腟部に入れて子宮頸部を観察します。カメラには拡大機能や、異常のある血管を強調する画像強調機能があるため、異常を精密に検知できます。
子宮頸部を内視鏡で診るため子宮頸部内視鏡検査が医学用語上の呼び方ですが、当院では親しみやすくインナービュー検査と呼んでいます。

従来の子宮頸がん検診とインナービュー検査の違いを教えてください。

内診台ではなくベッドの上で横向きになって検査します。腟に挿入する器具の直径が小さいため痛みや違和感も軽減できます。
従来の子宮頸がん検診では、器具を使って腟内を広げ、腟をこすって採取した細胞から異常を確認します。そのため、患者さんは内診台にあがって、陰部を露出した状態で開脚姿勢をとる必要がありました。
インナービュー検査では、ベッドの上に横向きになった状態で検査をおこないます。陰部を露出しないスリットパンツを履いていただくため、恥ずかしさも軽減できるはずです。

また、従来は20〜40mm程度の器具で腟内を広げていましたが、インナービュー検査で腟内に入る器具は10mm程度のカメラだけです。挿入時の冷たさや異物感が抑えられるため「従来の検診より負担が少ない」との声を多く頂戴しています。
従来の検査とは異なり、インナービュー検査は保険適用外です。ただし、2025年1月現在はキャンペーン価格の4,840円(税込)で提供しています。精神面・身体面だけでなく費用面でのハードルも下げているので、この機会にぜひ受けに来てください。
卵子の数を検査して妊活の時期を検討


ブライダルチェックとはどのような検査ですか?

妊娠・出産に影響をおよぼす体の特徴や病気の有無をチェックする検診パッケージのことです。
母子感染する疾患や、不妊や流産のリスクを高めうる感染症や子宮筋腫・子宮内膜症などを確認する検診をブライダルチェックと呼んでいます。
ブライダルチェックを通じて病気の有無や身体の特徴をあらかじめ把握することで、患者さんに安心して子どもをつくる準備を始めていただきたいと考えています。
将来的には子どもがほしいけれど、仕事やパートナーの都合ですぐに妊娠できない方には、妊活を始める時期の参考にもしていただけますよ。

どのような方がブライダルチェックを受けていますか?

30歳前後で結婚された方がとくに多く来院されます。未婚の方でも健康チェックとして受診可能ですよ。
当院のブライダルチェックは女性が対象です。女の人の体であれば、未婚の方でも健康チェックとして受診いただけます。
とくに多く来られるのは30歳前後で結婚した方です。漫然と「自分は妊娠できるのだろうか」と不安を抱く方が相談に来られます。

ブライダルチェックの検査項目を詳しく教えてください。

基本コースでは経腟超音波検査、子宮頸部細胞診、おりもの検査、血液検査をおこないます。
超音波の検査では、妊娠の妨げになるような子宮筋腫の有無を主にチェックします。あわせて卵巣に「排卵ができない」「卵子が出てこない・育ちにくい」などのトラブルがないかどうかも確認します。
おりもの検査ではクラミジア・淋菌・トリコモナス・カンジダなどの感染を、血液検査では貧血の症状や、梅毒・HIV・B型肝炎・C型肝炎などの感染を調べます。20〜30代の発症率が高い子宮頸がんの検診も、基本コース内に含まれていますよ。
ただ病気の有無がわかるだけでなく、身体のコンディションを整える準備にも役立つのが、ブライダルチェックの良いところです。たとえば卵巣が炎症を起こしている場合は、ピルを処方して生理の回数を減らして炎症を抑えられます。貧血が判明した方には栄養状態をサポートします。
妊娠における不安要素をブライダルチェックで発見しておけば、このように事前の対策が打てるため、希望の時期に妊娠できる確率を高められますよ。

ブライダルチェックでは妊活を始める適切な時期もわかりますか?

卵子の数を調べるAMH検査は、妊活を始める時期や不妊治療の検討材料になります。
オプションになりますが、卵子の数を調べるAMH・抗ミュラー管ホルモン検査(血液検査)も実施しています。卵子の数によって、妊娠しやすい状態かどうかがわかります。
もし卵子の数が少ない場合は、早めに妊活を始めることをおすすめします。卵子が多い場合は、ゆっくりと赤ちゃんを迎える準備をしても良いでしょう。
オプション検査には、ほかにも抗体の有無がわかる風疹・麻疹抗体検査や、がんのなかで30代の女性の罹患率が最も高い乳がんを検査できる乳腺超音波検査などもあります。健康状態に不安のない状態で赤ちゃんを迎えるためにも、ぜひ一緒に受けてほしいです。