
患者様に寄り添い、最適な治療を追求する──口腔外科出身の歯科医が語る最新のインプラントとは?|ハミール東京デンタルオフィス小川町:宇田川 源先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー



インプラントは、どのような方におすすめの治療法ですか?
インプラントは、「自分の歯のようにしっかり噛みたい」「入れ歯の手間をなくしたい」「健康な歯を削りたくない」という方に特におすすめの治療法です。
まず第一に、天然の歯に近い力で噛めるため、硬いお煎餅やステーキなども安心して楽しめます。次に、取り外しの必要がないので、毎日のケアが簡単で、会話中や食事中に外れる心配もありません。
そして第三に、ブリッジのように隣の健康な歯を削らずに済むため、他の歯を守りながら失った部分だけを補うことができます。
これらの点から、長期的に見てもインプラントは「機能性」「快適さ」「健康維持」を兼ね備えた治療法の一つです。

他の治療法(入れ歯・ブリッジ)と比べたときの、インプラントの特徴は何でしょうか?
「しっかり食べ物を噛める」という機能面と、「他の歯を削る必要がない」という周囲の歯の健康を守る面でのメリットが非常に大きいです。
インプラントは、入れ歯やブリッジと比べて、噛む力が自分の歯に近く、硬いものでも自然に食事を楽しめます。
また、ブリッジのように健康な歯を削る必要がないため、残っている歯の寿命を延ばすことにもつながります。

治療法の選び方や、費用面で不安がある場合はどうすればいいですか?
私たちは、それぞれの治療法のメリットとデメリットを正直にお伝えし、患者様ご自身に納得して選んでいただくことを大切にしています。
インプラントは自由診療であり、ご予算の問題もありますので、決して無理強いすることはありません。
例えば、「まずは一度保険適用の入れ歯を試してみて、もしどうしても合わなければ、その時に改めてインプラントを検討する」というのも、患者様にとっては非常に賢明な選択だと考えています。
デンタルローンや医療費控除といった制度についても情報提供し、患者様が総合的に判断できるよう、あらゆる角度からサポートさせていただきます。
インプラントは適切なケアで10年以上使用可能!保証制度付き


一度治療したインプラントは、どのくらいの期間もつのでしょうか?
インプラントは、適切なケアを続ければ10年以上長持ちする治療法です。
当院では、安心して治療を受けていただけるよう10年間の保証制度を設けています。これは、技術力と使用しているインプラント体への信頼の証でもあります。
万が一、保証期間内にインプラントの土台(フィクスチャー)に問題が生じた場合は、当院の負担で再治療を行いますのでご安心ください。
ただし、長持ちさせるためには、毎日の丁寧なブラッシングや定期的な歯科メンテナンスが欠かせません。これらを続けることで、10年、20年と快適に使い続けることができます。

インプラントが使えなくなってしまう原因には、どのようなものがありますか?
インプラントが使えなくなる主な原因は、強い力による破折(割れ)と、歯周病に似たインプラント周囲炎の2つです。
まず多いのが、食いしばりや歯ぎしりなどで特定の歯に過度な力がかかり、金属製のインプラントが割れてしまうケースです。こうした方には、就寝時にマウスピース(ナイトガード)を使用するなど、破折を防ぐための対策を行います。
また、もう一つの原因であるインプラント周囲炎は、インプラント周辺の組織が歯周病菌に感染して炎症を起こすものです。ただし、進行は非常にゆるやかで、定期的なメンテナンスとクリーニングを行えば早期発見・早期対応が可能です。
日々のケアと定期的なチェックを続けることが、長く快適に使い続けるための最大のポイントです。
口腔外科で培った確かな技術が、インプラント手術の精度を支える


先生は口腔外科のご出身とのことですが、その経験はインプラント治療にどう活かされていますか?
大学病院の口腔外科で培った豊富な外科処置の経験が、安全で的確な手術を行う上での絶対的な土台になっています。
私は大学病院の口腔外科で、親知らずの抜歯をはじめ、さまざまな外科手術を数多く担当してきました。
インプラント手術も骨に穴を開けて人工歯根を埋め込む外科的な処置であり、骨の硬さや厚み、神経や血管の位置を三次元的に把握する高度な判断力と技術が求められます。
こうした経験を通じて身につけた「正確な診断力」と「繊細な手技」が、最小限の負担で、安全性と精度に十分配慮した手術を心がけています。安心して手術をお任せいただければと思います。

手術の際に、患者様の負担を減らすために特に心がけていることは何ですか?
事前の精密な診断とシミュレーションに基づき、「的確な麻酔」と「可能な限り短時間での処置」を徹底することを大切にしています。
これが患者様のご負担を最小限に抑える鍵となります。
手術が長引くほど、術後の腫れや痛みは強くなる傾向があります。そのため当院では、CTで顎の骨の状態を三次元的に精密に確認し、無駄のない手術計画を立てることで処置時間を最小限にしています。
また、手術中の痛みを防ぐために、最初から最後まで効果がしっかり続く麻酔を的確な量で行うことも徹底しています。これにより、患者様が安心して手術を受けられる環境を整えています。
最新テクノロジーを活かして、患者様の負担を最小限に


院内で導入されているCTなどの先進設備は、インプラント治療でどのように役立ちますか?
CTを用いることで、骨の構造や神経の位置を三次元で正確に把握でき、インプラント手術をより安全・確実に行うことが可能です。
従来のレントゲン写真が二次元の平面的な情報しか得られないのに対し、歯科用CTは顎の骨の構造を三次元の立体画像として捉えることができます。
これにより、インプラントを埋め込む位置の骨の厚みや高さ、すぐそばを走る重要な神経や血管との位置関係を、手術前にミリ単位で正確に把握できます。
これにより、手術中のトラブルを未然に防ぎ、一人ひとりの患者様にとって最も安全で確実な治療計画を立てることが可能になるのです。

詰め物や被せ物を作れる「セレックシステム」を採用されていますが、どのようなメリットがあるのでしょうか?
セレックシステムの最大のメリットは、治療期間を短縮できることです。
従来のように粘土状の材料で歯型を採り、技工所に依頼して数日〜10日ほど待つ必要がなく、口腔内スキャナーで歯をスキャンしたデータをもとに、院内でその日のうちに詰め物や被せ物を作製できます。
これにより、通院回数を減らし、忙しい方でも短期間で治療を完了できるのが特徴です。
なお、セレックシステムによる治療は自由診療となり、患者様のお口の状態や症例に応じて適用の可否が判断されます。
患者様の想いに寄り添い、最適なゴールを共につくる


宇田川先生が、日々の診療で最も大切にしていることは何ですか?
私が最も大切にしているのは、歯科医師が一方的に治療を決めるのではなく、患者様と一緒に最適な選択を考えることです。
インプラントやブリッジ、入れ歯など、治療法にはそれぞれメリットもあればデメリットもあります。私はそれらを包み隠さず丁寧にお伝えし、患者様が納得した上で選べるようにすることを常に心がけています。
なぜなら、医師が「これが一番良い」と思う治療が、必ずしも患者様の生活や価値観に合うとは限らないからです。
だからこそ、患者様が何を大切にしたいかを一緒に考え、その人にとって本当に納得できる治療法を見つけていくことを、日々の診療で最も大切にしています。



