
「歯並びを整えることは、口内の健康を長く維持することにつながります」患者さんに最適な治療方法を選択し、ニーズに応える矯正治療|武蔵浦和歯科・矯正歯科:篠原 壮 先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー



矯正治療はどのような症状がある方におすすめしていますか。

見た目や咬み合わせが気になる方、または普段から口がぽかんと開いてしまう方におすすめです。
矯正治療を希望される方の多くは、見た目や咬み合わせの悩みをきっかけに来院されます。また、普段から口がぽかんと開いてしまう方や、歯並びが悪く磨き残しが多い方は、むし歯や歯周病になるリスクが高いので、矯正治療を検討したほうがよいでしょう。
咬み合わせの悪い方は、特定の歯に負担がかかるため、歯が割れやすいリスクもあります。歯のヒビに気づかずご来院される方も多く、診察時に見つかることもよくあります。
今は「人生100年時代」と言われていますが、100年生きることを前提に考えると、歯を健康に保つことは非常に重要だと思います。歯並びを整えることは、見た目を美しくするのみならず、口のなかの健康を長く維持することにつながります。

小児矯正治療は成人矯正治療とどのような違いがありますか。

小児矯正治療は成長を利用して歯並びの異常を防ぐ治療、成人矯正治療は歯並びを整える治療という違いがあります。
小児矯正治療は、歯並びや顎の成長を正常に導くための矯正治療です。成長を利用して顎の横幅を広げたり、指しゃぶりや口を開けたままでいるくせを改善したりすることで、正常な歯並びを目指します。
一方、成人になると顎の横幅を広げる治療は難しく、成人矯正治療では主に歯並びや咬み合わせを整える治療が中心になります。必要に応じて抜歯を行い、歯の位置や咬み合わせを調整します。
小児矯正治療で、ある程度歯並びを整えておけば、大人になってからの大きな歯並びの乱れを防ぐことが期待できます。
歯列不正が重度の場合や、細かなズレや咬み合わせをきれいに整えたい場合には、成人矯正が必要となることがありますが、軽度な場合は小児矯正治療のみで歯並びが整うこともあります。

小児矯正治療で悪いくせを改善するメリットについて教えてください。

咬み合わせを整え、正しい歯や骨の発育を促すメリットがあります。
たとえば、指しゃぶりを続けていると、上顎が前に押し出されてしまい、いわゆる出っ歯のような歯並びになることがあります。また、奥歯は咬み合っているのに上下の前歯がしっかり咬み合わない開咬(かいこう)と呼ばれる状態になる場合もあるのです。
さらに、口をぽかんと開けたままにする習慣があると、下顎の発達が不十分になりやすく、鼻・口・顎を結んだEラインのバランスが崩れ、いわゆる口ゴボと呼ばれるような、上顎が前に出た横顔になってしまうこともあります。
このようなくせや傾向が見られる場合は、小児矯正治療をおこなったほうがよいでしょう。もちろん、すべてのお子さんに矯正が必要なわけではありません。しかし、必要なお子さんには、早めに矯正治療をおこなったほうがよいと考えます。

矯正治療を受ける患者さんは、どのような年齢層や性別の方が多いのでしょうか?

小児の患者さんは男女問わず、成人の患者さんは20代〜30代の女性が多いと思います。
当院では、小児の場合は男女問わず、さまざまなお子さんが矯正治療を受けています。一方、成人の場合は、20代〜30代の女性の患者さんが多い印象です。
見た目の印象を気にされて受診される方が多いのはもちろんですが、咬み合わせの改善を目的に来院される方も少なくありません。最近は歯並びや口元の印象を整えることへの関心が高まっており、そのような理由から矯正治療を検討される方も増えていると感じています。
ワイヤー矯正なら重度なでこぼこも改善しやすい

ワイヤー矯正のメリットとデメリットを教えてください。

メリットは患者さん自身の管理が不要で、術者が微調整しやすいこと、デメリットは痛みがあり目立ちやすいことです。
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットを取り付け、そこにワイヤーを通して歯を動かす矯正治療です。
ワイヤー矯正のメリットとしては、マウスピース矯正のように装置を取り外す必要がないので患者さん自身の管理が不要なことが挙げられます。また、1本1本の歯を細かく調整しやすいのも特徴です。
デメリットとしては、見た目と痛みが挙げられます。歯が動く際の痛みに加え、ブラケットやワイヤーが口の内側に当たって口内炎ができることもあります。
ただし、見た目に関しては近年は改善も進んでおり、透明なプラスチックやセラミック製のブラケット、白くコーティングされたワイヤーなど目立ちにくいタイプが登場しています。当院でも、目立たないタイプのワイヤー矯正装置をご用意しています。

ワイヤー矯正で患者さんの注意が必要な点はありますか?

装置に汚れが付着しやすいので、ていねいなブラッシングが必要です。
ワイヤー矯正の治療中は、装置に汚れが溜まりやすいため、毎日のブラッシングで口腔ケアをていねいにおこなうことがとても重要です。
また、硬いものを強く噛むと矯正装置がはずれてしまうことがあるため、食事にも注意が必要です。たとえば、スペアリブのような硬い骨付き肉を噛むと装置が取れてしまうことがあるので、できれば避けたほうがよいでしょう。

この症例ではなぜワイヤー矯正を選択したのでしょうか。

出っ歯にお悩みだったため、抜歯をして歯列を下げる治療を得意とするワイヤー矯正を選択しました。

当院では患者さんがもっとも悩んでいることに合わせて治療計画を立てています。この患者さんは、出っ歯を気にされていたため、上下左右合計4本の歯を抜いて、ワイヤー矯正で歯並びを整えました。でこぼこした歯並びもあわせて改善しています。治療期間は約2年半、治療費の総額は80〜90万円ほどです。
ワイヤー矯正は、抜歯をおこない歯列を大きく下げる治療が得意なため、とくに前歯の突出が強い方には向いている治療方法です。そのため、このケースではワイヤーを選択し、可能な限り歯を下げる治療をおこないました。
軽度の歯並びの乱れにおすすめ、目立ちにくいマウスピース矯正

マウスピース矯正のメリットについて教えてください。

取り外しができるので口内を衛生的に保ちやすく、目立たず痛みが少ないのはメリットだと思います。
マウスピース矯正は、取り外しができる矯正方法で、歯磨きやお手入れがしやすく、口内を衛生的に保ちやすいのが大きな特徴です。
また、透明なので装着していても目立ちにくく、周囲から矯正治療をしていることが気づかれにくいというメリットがあります。見た目が気になる方にもおすすめですね。さらに、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ない傾向があるのも、メリットのひとつです。
一方で、マウスピース矯正は決められた時間を守り、患者さんご自身でしっかりと装着していただく必要があります。1日20時間以上の装着が推奨されており、この装着時間を守らないと思うように歯が動かず、治療が進まないのはデメリットかもしれません。
また、飲食の際には必ずマウスピースを外す必要があります。間食が多い方やこまめに食事をされる方にとってはやや手間に感じることもあるでしょう。

マウスピース矯正はどのような場合に適応となりますか?

歯並びの乱れが軽度の場合は適応となります。
マウスピース矯正が適しているのは、軽度な歯並びの乱れが見られるケースです。たとえば、前歯の軽いでこぼこやすき間、軽度の出っ歯、前歯が咬み合わない開咬、あるいは軽い受け口(反対咬合)などには対応できる場合が多くあります。とくに、軽度のすきっ歯であればマウスピース矯正での治療が向いていると思います。
マウスピース矯正とワイヤー矯正のどちらでも対応できる症例であれば、治療期間や効果に大きな差はありません。
マウスピース矯正は見た目や快適さを重視したい方にとって魅力的な選択肢ですが、対応できるケースが限られています。歯を大きく動かす必要がある重度の出っ歯や複雑な歯列不正の場合、マウスピースでは対応が難しく、ワイヤー矯正のほうが適していることがあります。

この症例ではなぜマウスピース矯正を選択したのでしょうか。

2番目の前歯が反対咬合でしたが、歯並びや咬み合わせの乱れが軽度だったためマウスピース矯正を選択しました。

この患者さんは、歯並びの乱れや歯のアーチが狭いといった多少の問題はあったものの、重度ではなかったため、抜歯をせずにマウスピース矯正での治療を選択しました。上下の歯にある軽いでこぼこを整えつつ、反対咬合になっていた2番目の前歯を前に出して、歯列全体をきれいに整えたケースです。
治療期間は約1年半から2年ほどです。抜歯をしなかったので、短期間での治療が可能でした。費用についても、ワイヤー矯正と大きな差はなく、80万~90万円程度です。
医院によって料金は異なると思いますが、当院ではマウスピース矯正とワイヤー矯正の費用にさほど違いはありません。
矯正治療も毎日対応、地域の皆さんの口腔の健康をトータルにケア


篠原先生が歯科医師を目指したきっかけについて教えてください。

子どもの頃、むし歯治療で通っていた歯科の先生のようになりたいと思ったのがきっかけです。
小・中学生の頃、むし歯治療のため歯科に通院していました。そのときに担当してくださった先生はとてもやさしく、親切に対応してくださる方でした。「先生のように、人にやさしく寄り添える仕事をしたい」と思ったのが、歯科医師を目指したきっかけです。
子どもの頃の思いを胸に、患者さん一人ひとりの心に寄り添い、親身になって対応することを大切にしています。

カウンセリングで意識しているポイントを教えてください。

患者さんが望んでいることをしっかりとくみ取ることです。
カウンセリングの際に心がけているのは、その患者さんが何を一番気にされているかをしっかりくみ取ることです。
患者さんによって気になる悩みや求めているポイントは本当にさまざまで、たとえば費用面を重視される方もいれば、費用よりも抜歯するかどうかや仕上がりの美しさにこだわる方もいらっしゃいます。
そのため、その患者さんが何を望んでいるのかをていねいなヒアリングでくみ取り、把握して、そのニーズに応えられるような治療方針をご提案するように心がけています。

クリニックのコンセプトや特徴を教えてください。

地域の方々の口腔内の健康をトータルでケアするため、歯科治療全般の診療をおこなっています。
当院では、地域の方々の口腔内の健康をトータルでケアしていきたいと考え、むし歯・歯周病治療、予防、矯正治療、インプラントなど、歯科診療全般に対応しています。
矯正治療もワイヤー矯正とマウスピース矯正の両方を取り扱っており、患者さんのニーズに合わせて柔軟な対応が可能です。また、当院は矯正治療も一般診療と合わせて毎日おこなっています。
また、駅直結の立地にありアクセスも便利で、通いやすいクリニックです。お子さんからご年配の患者さんまで、老若男女問わず、幅広い悩みに対応することを目指しています。

受診を検討している方へのメッセージをお願いします。

土日祝日も診療しています。小さなお悩みでも、お気軽にご相談ください。
当院では、2025年4月から歯科医師と歯科衛生士を増員しました。歯科医師も複数名在籍し、地域の皆さんのお悩みにいつでもお応えできるよう、土日祝日も診療しています。
お子さんからご年配の方まで、幅広い年代の患者さんの治療をおこなっています。ちょっとしたお悩みでも、お気軽にご相談いただければ幸いです。駅から近くアクセスが良好なクリニックですので、まずはご相談にいらしてください。



