
指先で読み取る肌の記憶。手打ち注入が叶える理想の肌 |SUNMELIA SKIN CLINIC 中山暁先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー


なぜ画一的な治療ではなく、患者様ごとに治療を組み合わせることを大切にしているのですか?

患者様は肌質や骨格、生活習慣、そして「なりたい姿」も全く違うため、単一の施術では限界があるからです。
肌質、骨格、日焼けの有無といった生活習慣まで、ベースは人それぞれ全く異なります。さらに「若々しくなりたい」「明るい印象になりたい」「モデルのような顔立ちになりたい」など、目指す方向性も千差万別です。
個々のお悩みと理想に寄り添うと、一つの施術だけでは対応しきれない場面が出てきます。例えば、小顔治療で人気の高いエラボトックスは効果的な反面、100%たるみも引き起こします。そのため、たるみが出ることを予測した上で、それをカバーする別の治療を組み合わせる多角的な視点が不可欠です。
私たちは、顔全体のバランスを丁寧に見ながら、一人ひとりに最適な治療計画をカスタマイズしてご提案することを大切にしています。

レーザーや注入、ホームケアまでトータルで提案されている理由を教えてください。

それぞれの治療の得意分野を組み合わせ、さらにご自宅でのケアでその効果を維持することで、患者様の悩みを根本から解消することを目指すためです。
当院にご相談いただくお悩みで最も多いのが、アンチエイジングに関するものです。多くの方が「何から始めたらいいかわからない」という状態でお越しになります。
例えば、レーザー治療はシミや赤みといった「色味」の問題に強く、注入治療は毛穴や肌の質感、輪郭といった「形」の問題を得意とします。これらを組み合わせることで、「なんとなく調子が悪い」と感じていた曖昧な悩みが一つひとつクリアになっていきます。
さらに、クリニックでの治療は月に1〜2回が限度です。それ以外の日常で、紫外線や摩擦といったダメージから肌を守り、治療効果を最大限に維持するためにホームケアの提案は欠かせません。クリニックでの専門的な治療と、ご自身で行う日々のケアという両輪で、健やかな肌の土台を育てていく。それが私たちの考えるトータルアプローチです。
「美容迷子」から抜け出すための医師との対話

多くの患者様が自分に必要な治療を理解できるようになるのは、先生のどのようなアプローチによるものですか?

なぜその治療が必要なのか、その背景にある「考え方」や「理屈」を、患者様が腑に落ちるまで徹底的に共有するからです。
私たちはカウンセリングに十分な時間を確保し、いわゆる「患者教育」に力を入れています。例えば、赤みが気になるというお悩みに対し、「この治療がいいですよ」とただ提案するだけではありません。「肌の赤みはこういうメカニズムで起きていて、この治療法はその根本原因にこうアプローチできるので、あなたの今の状態に合っているのです」というように、その結論に至った思考プロセスまで必ず共有します。
美容医療に対して「なるほど」と腑に落ちる感覚を持っていただくことが非常に重要です。理論を理解した上で施術を受け、実際に効果を体感すると、その納得感はさらに深まります。これを繰り返すうちに、患者様ご自身でも「今の自分にはこの治療が必要かもしれない」と考えられるようになり、受け身の治療から脱却できるのです。

シミや肝斑、毛穴の治療では、どのような考え方を重視していますか?

情報が溢れているからこそ、「肌の理屈」を正しく理解していただくことです。
特に肝斑や毛穴の悩みは、1回の施術で劇的に改善するものではありません。多くの方が、一度何かを試して効果が出ないと、すぐに別の治療へと乗り換えてしまう「美容迷子」の状態に陥っています。
大切なのは、目新しい治療法を追いかけることではなく、ご自身の肌が今どういう理屈でそうなっているのかを理解し、適切な治療を継続することです。
私たちは、なぜその治療を、その回数行う必要があるのかを丁寧にご説明します。情報過多の時代だからこそ、クリニック全体で患者様の知識のベース作りをサポートし、迷わず最適な道筋を歩めるような体制を整えています。
機械治療との違いはーー手打ち注入に宿る職人技

機械治療で効果を実感できなかったという方も来院されるそうですが、先生の手打ち治療にはどのようなこだわりがあるのでしょうか?

針を刺した時の感覚で、肌の硬さや厚み、過去のダメージまで読み取り、ミリ単位で注入する深さや量を調整している点です。
ポテンツァや水光注射などの機械治療を何度も受けたけれど、効果が今ひとつだったという方は少なくありません。もちろん機械が悪いわけではなく、非常に効果が出る方もいらっしゃいます。
しかし、肌質が極端に硬かったり、薄かったり、あるいは悩みの原因が機械のターゲットと合っていなかったりすると、効果が出にくい場合があります。
手打ちの最大の利点は、指先の感覚で肌の状態をリアルタイムに把握できることです。頬、目元、フェイスライン、鼻など、部位によって皮膚の硬さも厚みも全く異なります。手打ちでは、針を刺した瞬間の抵抗感から、「昔ここにニキビがあったな」「この部分は組織が硬くなっているな」ということまでわかるのです。
「肌は今までのことを全部覚えている」と常々お伝えしているのですが、その肌の記憶を指先で感じ取りながら、一滴一滴を最も効果的な場所に届ける。それが手打ち治療の神髄です。

具体的には、どのように打ち方を変えているのですか?

毛穴が気になる部分にはその一つひとつを狙って注入するなど、お悩みに合わせて注入量や深さのバランスを緻密に変えています。
例えばジュベルックのような薬剤を注入する際、多くの場合は薬剤を均等な間隔で打っていきます。しかし、私は毛穴が全く気にならない場所に打つのはもったいないと考えています。鼻の毛穴であれば、目に見える毛穴一つひとつに対してアプローチするなど、時間と手間はかかりますが、その方が効果は格段に高まります。
気になるほうれい線や小じわといったポイントに絞って、深さや量を調整しながら集中的にアプローチする。本来、手打ち治療はそこまでこだわればもっと結果を出せるはずなのに、という歯がゆさを感じています。同じ薬剤を使う施術であっても、打ち方一つで効果は全く変わってくるのです。
プロファイル、ジャルプロ… 結局どれがいい?肌育治療の「解像度」を上げる

肌育系の注入治療は種類が多すぎて選べません。失敗しないためのポイントはありますか?

ネット上の情報だけを鵜呑みにせず、ご自身の肌や悩みを客観的に評価し、提案してくれる信頼できる医師を見つけることです。
「SNSで良いと見たから」という理由で施術を選ぶのは危険です。発信者とあなたとでは、年齢も肌質も骨格も全く違います。また、クリニック側のポジショントークによって情報が偏っている可能性もあります。
調べれば調べるほど、混乱して迷子になるだけです。大切なのは、特定の施術を押し付けるのではなく、あなたの悩みをしっかり聞いた上で、様々な選択肢から最適なものを提案してくれる医師と出会うこと。難しいことですが、まずは信頼できるパートナーを探すことが、失敗しないための最も確実な方法です。

それぞれの製剤が持つ「ハリ艶」のニュアンスの違いを具体的に教えてください。

同じ「ハリ艶」という言葉でも、ふっくらするのか、引き締まるのか、肌の質感がどう変わるのか、それぞれに絶妙な違いがあります。
例えば、プロファイルは肌を内側からふっくらさせる効果が高く、顔のコケ、痩せが気になる方に注入すると、若々しいふっくら感、ハリ感が生まれます。ジャルプロは引き締めながら、リフトアップさせることができ、お顔のたるみや緩みが気になる方におすすめです。同じリフトアップでも、ボリュームを足したほうがいいのか、引き締めたいのかでお顔の状態やご本人の希望によっても適応は異なります。
一方で、プルリアルやリジュランは、和紙のように中の密度が低下し毛穴や小じわが目立ちやすくなっている方に、肌の密度を高めてハリを出し、コピー用紙の様にツルッとしたハリを出すイメージです。ジュベルックは毛穴やクレーターなどに対して、肌に厚みを持たせ表面の凹凸をフラットにすることで、ハリ艶を実感できます。
このように、一口に「ハリ艶」と言っても、そのアプローチや得られる質感が全く異なります。この施術ごとの「解像度」を上げ、ご自身のなりたいイメージと合致するものを選ぶことが、満足度に直結します。
「なりたい自分」を叶える、クリニックの在り方

クリニックのコンセプトを教えてください。

劇的な変身ではなく、その人が本来持っている魅力を最大限に引き出し、年齢を重ねても美しい「より良い自分」を一緒に目指していくことです。
美容医療というと、誰か別人のように変わる「整形」をイメージされる方もいますが、私は少し違うと考えています。
例えば、60歳の方が50歳に見えるといった「-10歳」の若返りや、実年齢は変わらなくても「ものすごく綺麗な60歳」であること。そうした、ご自身の魅力を最大限に輝かせる状態へ導くことが、これからの美容医療の役割ではないでしょうか。
みんなが同じような顔を目指すのではなく、その人らしさが一番際立つ状態を、二人三脚で育てていく。クリニックは施術を提供する場所というよりも、患者様と共にゴールを目指すパートナーでありたいと考えています。

貴院ならではの強みを教えてください。

知識と経験が豊富な「人」と、安心して悩みを打ち明けられる居心地の良い「空間」、そしてそこで得られる質の高い「体験」です。
当院には、目新しい特別な機械があるわけではありません。クリニックの価値は、施術そのものではなく「人」にあると考えています。流れ作業のようになるのではなく、一人ひとりの患者様とじっくり向き合い、あらゆる角度からアプローチを考えられるスタッフが揃っていることが最大の強みです。
また、誰もがリラックスして過ごせる落ち着いた空間づくりを心がけています。カウンセリングから施術、アフターフォローまで、今日ここで過ごして良かったと思っていただけるような「体験」そのものを提供することが、私たちのこだわりです。

最後に、美容医療を検討している読者へメッセージをお願いします。

選択肢と情報が増えすぎた今だからこそ、一人で悩まず、気軽に安心して相談できる場所を見つけてください。
美容医療をとりまく環境は、この数年で大きく変わりました。選択肢が増えたことは素晴らしいことですが、その一方で情報に惑わされ、何が正しいのかわからずに迷子になってしまっている方が非常に多いと感じます。
ご自身で調べることはもちろん大切ですが、ぜひ気軽に相談できる場所を一つ、見つけてほしいと思います。
当院では、いわゆるアップセルのようなことは一切ありませんし、お話をした結果、今は何もする必要がないという結論になれば、それで良いと考えています。あなたの悩みを安心して打ち明け、一緒に解決策を探していける。そんな場所があるということを知っていただけたら嬉しいです。



