
「オーダーメイドに近い薄毛治療をご提供します」傷跡の目立たない自毛植毛で、自然な仕上がりと毛流れを実現|東京植毛美容外科:佐藤 文仁 先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー



東京植毛美容外科を開院した経緯を教えてください。

自分が一番良いと思える、自毛植毛をご提供したいと思ったからです。
大学卒業後、病院勤務を経て入職させていただいたのが、アスク井上クリニックという自毛植毛専門のクリニックでした。植毛業界で非常に有名な井上 浩一先生の元で2年間学ばせていただいたあと、あるクリニックから声をかけていただき、植毛部門の立ち上げに携わりました。
ゼロから植毛部門を立ち上げて診療に従事しましたが、雇われの身では自分の考えを貫き通すことが難しいこともあります。そこで、自分で思い描いた植毛手術を提供したいと考え、開業に至りました。
AGAを投薬による治療で改善するクリニックは増えてきましたが、植毛はまだあまり認知されていません。今後は植毛について広く知ってもらいながら、多くの患者様のお悩みを解消していけたらと思っています。

薄毛には、どのような治療法があるのでしょうか?

当院では、内服薬による治療と、自毛植毛をご提供しています。
男性ホルモンに依存する薄毛を、AGA(Androgenetic Alopecia)といいます。AGA治療には第一の選択肢として、内服薬による治療があります。ミノキシジルやフィナステリドなどの有効成分が含まれる内服薬により、毛根の血流を改善して抜け毛を抑制し、新しい毛の成長を促進します。当院ではフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルの内服薬を処方しています。
さらに効果をお求めの方にご検討いただくのが、自毛植毛です。自毛植毛とは、薄毛になりにくい後頭部の毛を、薄毛が気になっている部分に移植する施術です。当院では、この自毛植毛にとくに力を入れています。
傷跡が残りにくく、自然な毛流れが叶う植毛法


東京植毛美容外科の自毛植毛の特徴を教えてください。

傷跡が残りにくい術式を採用していることと、難易度の高いこめかみにも自然に植毛できることです。
植毛手術には、後頭部を帯状に切り取るFUT法と、1本ずつくり抜くFUE法の2種類があります。当院で採用しているのは、傷跡が残りにくく、見た目がきれいに仕上がるFUE法です。
また、毛穴の作り方には、円形状にくり抜くホールスリットと、線状に穴を開けるラインスリットがあります。当院では穴が小さく傷が比較的きれいに治るラインスリットを採用しています。繊細な植毛となるため、毛流れが自然になるのも大きなメリットです。
さらに、こめかみに植毛できるのも、当院ならではの特徴だと思います。こめかみに植毛すると額が狭くなるため植毛の効果を実感しやすいのですが、難易度が高いことから受けつけていないクリニックも多いようです。
こめかみには太い毛を移植すると違和感が出るため、細い毛を植えていかなければいけません。当院にはその技術力があるため、こめかみへの植毛をご検討の方はぜひご相談ください。

毛を採取した後頭部は薄毛にならないのでしょうか?

気にならない程度の株数しか採取しないため、薄毛になることはありません。
まず、植毛する毛包は1000~2000株が一般的です。その程度ですと、後頭部の毛の薄さを感じることはありません。
髪の毛は、1平方センチメートルあたり80ほどの毛穴があり、その毛穴から2~3本の毛が生えています。そのうちの25~30%がなくなる、つまり毛穴が50ほどになってしまうと、多くの方が少し薄くなったと感じるとのデータがあります。
後頭部は、大抵の場合200~300平方センチメートルの広さです。仮に250平方センチメートルと考えた場合、後頭部の毛穴の数だけでも2万近くあることになります。そこから1000~2000株を採取したとしても10%程度なので、術後も後頭部に薄さを感じることはありません。

M字部分に植毛する場合、何株程度必要なのでしょうか?

M字部分のみでいえば、1000株程度です。

患者様のご要望や毛の状態にもよりますが、多くの場合、M字部分の植毛は1000株程度必要です。この症例では、1200株植毛しました。生え際を下げたいというお悩みではなく、生え際に細い毛が多くなってきたため、ラインをはっきりさせたいとのご希望でした。そのため、髪の毛の密度をアップさせるための施術をおこないました。
生え際だけでなく、こめかみにも植毛しているため、全体的に密度が上がった印象に仕上がっています。
自然に仕上げるコツは、生え際に移植する毛の太さです。生え際に太い毛が生えていると、マネキンのような不自然な生え方になってしまいます。生え際には細い毛を移植し、徐々に太くしていく技術が、大変重要です。

移植した毛は、どの程度効果が持続するのでしょうか?

後頭部の毛と同じで、長期間効果は持続します。
後頭部の髪の毛を生え際に移植した場合、すぐに抜け落ちるようなことはありません。後頭部から植毛した毛は、後頭部と同じ期間生え続けます。
AGAに限って言えば、薄毛の原因は男性ホルモンの影響です。腋下や陰部の毛は男性ホルモンの影響を受け、生える方に作用するのですが、M字と頭頂部は薄くさせる方に作用します。
後頭部は、男性ホルモンの影響を受けにくい部分であり、後頭部の株を頭頂部に移植したとしても、男性ホルモンの影響を受けにくいままなのです。そのため、植毛効果が続く期間は、後頭部と同様で非常に長いと思っていただいて結構です。

自毛植毛のデザインは、どのように決めていくのでしょうか?

解剖学的側面と、顔の黄金比に則って決めていきます。
デザイン面で最も大切なのは、解剖学的に自然であるかどうかです。眉毛の位置にも同じことがいえますが、髪の生え際に関してもおおよその位置は決まっています。そのため、まずは解剖学に則って、植毛する位置とデザインを決めていきます。
加えて、顔の黄金比も重要です。生え際から眉間まで、眉間から鼻まで、鼻から顎までの比率が1対1対1になるのが、最も顔が美しく見える黄金比といわれています。この黄金比を見ながら、生え際のラインを決めることを大切にしています。

自毛植毛の診療の流れを教えてください。

カウンセリングのあと、手術の可否を確認し、問題がなければ手術をおこないます。効果がはっきりとわかるようになるのは、半年~1年後です。
自毛植毛は、カウンセリングに来ていただいたその日に手術を受けられるわけではありません。まずはカウンセリングで気になっている部分や、仕上がりのご希望などを患者様に伺うほか、実際にどの程度の株数が必要になるかといった具体的な治療の話もします。
その後、血液検査や健康確認により、手術ができるか否か判定をします。心筋梗塞などの既往歴がある方や治療中の方、悪性腫瘍、糖尿病、B型肝炎、C型肝炎、HIVなどに罹患されている方は、健康上の理由でお断りすることがあります。
検査結果に問題がなければ、手術をおこないます。手術の翌日も洗髪のためにご来院いただく必要がありますが、その後の経過観察は半年~1年後となります。通院回数の目安は、4〜5回程度です。
個人差はありますが、植毛した半年後くらいには髪の毛が生えてきたと実感できます。実際に髪が伸びるまでの期間も考慮すると、治療期間は1年程度と考えていただくとよいでしょう。

手術後のダウンタイムは、どのくらい見ておくといいでしょうか。

術後はかさぶたが残りますが、日常生活に大きな支障はありません。強めに洗髪ができるようになるのは1週間後です。
手術翌日は、植毛した部分がかさぶたになります。それを気にしなければ、手術の翌日にでも日常生活や職場への復帰は可能です。ただし外科手術のあとなので、肉体労働は2~3日は避けるようにしてください。強めの洗髪ができるようになるのは、1週間後です。
経過観察での来院は半年~1年後となりますが、もしもその間に気になることがあれば、検診はいつでも受けつけております。検診には追加費用は一切かかりません。また、LINEでの相談や経過フォローもおこなっています。

自毛植毛の副作用やリスクがあれば教えてください。

外科的手術になるので、頭皮に傷をつけることが一番のリスクです。
まず知っていただきたいのは、植毛手術には限界があることです。通常生えている毛の密度を100とすると、一度の植毛では50%の密度にしか到達できません。毛流れやデザインに注意すれば50%の密度でもご満足いただけることも多いのですが、100%の密度をお求めの場合は、期待値を調整していただく必要があります。
また、植毛手術は外科的な手術なので、頭皮に人工的に傷をつけることが一番のリスクだといえます。当院では傷跡が残りにくい術式を採用していますが、傷跡が残ることや、ケロイド状になってしまうこと、違和感が残る可能性もゼロではありません。
植毛したあとに毛が生えてこないリスクや、感染症のリスクも存在します。ただし、これらを回避するために事前に血液検査をさせてもらいますので、手術が可能となった場合はそれほど気にする必要はないでしょう。
薄毛のお悩みに対して、あらゆる角度から治療をご提案します


カウンセリングで大切にしていることを教えてください。

患者様のご要望と、医学的に対応可能なバランスを考え、納得いくまですり合わせることです。
患者様の中には理想の仕上がりを思い描いていらっしゃる方も多いのですが、その理想どおりに仕上げると、解剖学的にアンバランスになってしまうことがあります。術後、理想とかけ離れた結果に、がっかりすることにもなりかねません。
そのため、カウンセリング時に仕上がりについて十分にすり合わせることを大切にしています。
重要なのは、患者様が納得できて、かつ医学的にも違和感のないデザインにすることです。患者様の要望を考慮しつつ、全体的なバランスを考えたデザインや株数をご提案し、納得していただけるまで丁寧に説明することを心がけています。

ご来院を検討されている方に向けてメッセージをお願いします。

自毛植毛に関わらず、薄毛にお悩みの方はぜひ一度ご相談にお越しください。
植毛は決して安価なものではありませんし、治療期間の長さや、髪型が変わることに抵抗感を抱いている方も多いかもしれません。しかしそういった不安にも、解決策を1つずつ丁寧にご提案できるよう心がけております。
当院は、院長の私が1人で治療や手術を担当している、こぢんまりとしたクリニックです。そのため診療はオーダーメイドに近く、ある程度融通が利くのが強みです。
薄毛のお悩みについてあらゆる角度から改善できるよう、治療をご提案させていただきますので、自毛植毛に関わらず、薄毛にお悩みの方はぜひ一度ご相談に来ていただければと思います。