「これまでの治療法では難しかった疾患の改善を目指して」傷つき、老化した細胞を修復する次世代治療、再生医療とは？｜大阪小田クリニック：杉山 高秀 先生

当院は「最善の治療」を目指し、幹細胞治療、NKM免疫療法、エクソソームを中心とした再生医療を提供しています。再生医療はこれまでの治療法では難しかった疾患の改善が期待できる新しい治療法です。

再生医療のほかには、美容関係の治療も揃っています。

当院は、先進的な設備と熟練したスタッフを揃え、20年以上再生医療治療を続けています。

フレッシュな細胞を提供できるよう、院内に細胞培養加工施設を設置。国際的なGMP基準に沿った専用のクリーンルームですので、安全で高品質な細胞の培養が可能です。

幹細胞は私たちのからだのなかにもある細胞で、それぞれの機能をもつ細胞に分化する能力と、自己を複製する能力があります。幹細胞治療では年齢とともに減ってしまった幹細胞を補うことで、傷つき老化した組織を修復して再生させます。

治療で使用する幹細胞は、患者様ご自身の細胞です。患者様の腹部から脂肪細胞を採取し、そこから幹細胞を取り出し、培養して増殖させます。増殖させた幹細胞は約2時間かけて点滴で体内へ投与します。

幹細胞治療は全身の細胞を活性化するため、からだのなかで炎症を起こしている部位の修復効果が期待できます。現時点では、特定の疾患に対する治療ではなく、全体的なものととらえています。
赤ちゃんの傷がすぐに治るのは幹細胞の数が多いからなのですが、それを応用して老化した細胞を強化することで、若いときの状態に戻そうという考え方をしています。

これまで改善効果があった疾患で代表的なものには、パーキンソン病、脳梗塞の後遺症、認知症、変形性関節症、アトピー性皮膚炎などがあります。とくに患者様のニーズとして多いのは、慢性肝炎や糖尿病、慢性疼痛などです。

注入する幹細胞は自分の細胞ですので、リスクはほとんどありません。副作用として考えられるのは血栓ですが、血栓は生存率の高い幹細胞を注入量を守って投与することで防げます。

当院で培養している細胞は98%以上の生存率があります。投与量に関しても、安全に投与できるとされている1回の注入量の4億個に対して、3億個までの投与に抑え、安全性に配慮した治療を提供しています。

人は生まれたときには60億個の幹細胞を持っていますが、20歳で10億まで減り、40歳をすぎると細胞の数は5億以下にまで減少します。私たちは幹細胞を増やす目安を20歳と同等の10億個に設定し、3億個の注入を3ヶ月に一度のペースで3回おこない、その後は1年に1回投与するルーチンで治療しています。

エクソソームのなかには、マイクロRNAや成長因子が含まれており、細胞の再生や修復、炎症の抑制、免疫を整えて元気にする力があります。

幹細胞に似た効果が期待できるのですが、非常にコストがかかる幹細胞に比べて安価になりますので、エクソソームを希望される患者様は増えています。幹細胞が長期的に効果を発揮するのに対して、エクソソームの効果は短期的です。

何となくの不調や、疲れているとき、よく眠れないときなどはわかりやすく効果を実感されると思います。エクソソームの投与は多いほうが効果がありますが、コストの関係もありますので、500万個をベースで考えています。2週間に1回や、1ヶ月に1回の投与をおすすめしています。

濃度がまったく異なりますが、エクソソームは化粧品でも多く使われており、美容のアンチエイジングのイメージが定着していると思います。当院でもアンチエイジング目的の患者様が中心ですが、慢性肝炎、慢性疼痛、慢性炎症、アトピー性皮膚炎などの疾患で治療を受ける方も多くいらっしゃいます。

また、当院ではED治療でも大きな効果が出ています。これまでEDはバイアグラのように対症療法しかなかったのですが、エクソソームの投与で、元気なころの状態に戻すことが可能になりました。

免疫療法は、患者様の血液から免疫細胞を取り出し、培養して増殖させて免疫力を高める治療です。通常の免疫細胞療法ではナチュラルキラー細胞（NK細胞）など一種類に絞って培養しますが、当院のNKM免疫細胞療法は、自然免疫細胞のNK細胞を中心に、獲得免疫のT細胞を適切な量でミックスして、自然免疫の向上を可能にしています。

免疫細胞がどれだけ下がっているか測り、予防的に投与することもできますが、現在は主にがん治療で提供しています。活性化した免疫を投与することで、体中の免疫力を高め、本来備わっているがんを排除する力を向上させ、がん細胞を攻撃します。

がん治療は、がん三大治療と呼ばれている外科手術、放射線治療、化学療法が主流です。そこに新たな治療として、自分の免疫力を上げる免疫療法が実績をあげ始めています。免疫治療がうまくいくと大変有効な治療になり、10人のうち2〜3人はがんが完治しています。がん予防のために免疫療法を受ける場合は、1年に1、2回を目安としています。

予防医学は、まだまだ未開発な部門なのですが、次の世代へ伝えていく必要性を感じており課題としています。疾病治療としてはもちろん、疾病予防としても素晴らしい可能性をもつのが再生医療です。これからも、QOL（生活の質）を大切にできる最前線の治療を提供したいと思います。

自分の持っている細胞を活かした病気の予防、とくにがんの予防に力を入れて、いつまでも健康で長生きするためのお手伝いをしたいと考えています。一人ひとりお困りごとは異なるためそれぞれの訴えを大切にして、適切な治療を選択し、患者様とともに病気を治していけるようなクリニックを目指しています。