「ヒアルロン酸注射は、ボリュームアップを図らないことが大切です」ベビーコラーゲン注射などの切らない治療で、たるみやクマを改善 | MiSA Clinic 寺井 美佐栄 先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
クリニックのコンセプトを教えてください。
切らないアンチエイジングで、誰もが安心して受けられる施術を提供することです。
当院では、メスを使用しないメニューを50以上用意し、最新の医療技術を駆使して、切らずにアンチエイジングを目指すための施術を提供しています。
これまで数多くの症例を経験してきた中で、「どうしても切りたくない」「大掛かりな手術はしたくない」という方とたくさん出会いました。当院は、そういった人に喜んでいただけるようなクリニックを目指しています。
ご来院いただくお客様は、クマやたるみの改善をお求めの方が多いのですが、どちらの治療も、施術をおこなう医師に豊富な知識と経験がなければ満足いく結果は得られません。当院では、これまで培ってきた経験の成果を出すことで、多くの方にご満足いただけていると自負しています。
クリニックの強みは何でしょうか?
医師による施術だけでなく、看護師による施術の技術も高いことです。
主に注射系の治療は医師による施術ですが、照射系の施術などは看護師が担当するものもあります。当院の強みは、看護師の技術力も高いことです。
クリニックによっては、マニュアルどおりに看護師が照射するところもあります。しかし当院では、必ず医師が診察したあとで、担当看護師にショット数や熱を入れる深さなどを細かく指示します。それぞれのお客様に合った設定を徹底しているため、看護師施術だとしても一人ひとりがオリジナルの施術なのです。
大手などと比較すると施術費用は決して安くはありませんが、お客様に寄り添った診察と施術計画、ベテランの看護師による施術で、高いパフォーマンスをご提供できます。
診療をするうえで、大切にしていることを教えてください。
そのお客様に合った、オーダーメイド施術をすることです。
当院が大切にしているのは、その方に合ったオーダーメイドの施術を提供することです。お客様によって、お仕事、予算、ダウンタイム、好み、仕上がりなどすべてが異なります。注射・注入治療や美容機器の種類を豊富に取り揃えていますので、そのなかからその方に合った施術を、会話をしながら一緒に模索します。
美容医療は以前に比べると一般的になってきましたが、まだまだ一歩踏み出すのが怖いという方が多いのが現状です。しかし当院なら、そんな気持ちにも寄り添える施術計画が可能です。当院は大掛かりな手術がないからこそ、誰もが安心してご来院いただけるクリニックだと思います。
ベビーコラーゲンで内部からハリのある肌へ
クマやたるみ治療を受ける方が多いようですが、どういった施術が人気ですか?
施術の組み合わせはお客様によって異なりますが、ベビーコラーゲン注射は入荷待ちになるほど人気です。
ベビーコラーゲン注射とは、赤ちゃんの肌に多く含まれるⅢ型コラーゲンが豊富に配合された製剤を注射していく施術です。真皮層に注射することで肌の再生能力自体を高め、クマ、シワ、たるみなどの改善が期待できます。
ベビーコラーゲンには、形をつくり細胞を支える役割のあるⅠ型と、皮膚の再生能力に優れているⅢ型コラーゲンが50:50で配合されています。
Ⅲ型コラーゲンは成人になると大幅に減少する成分で、減少するとお肌が疲れやすくなり、シワやたるみが発生します。
Ⅲ型コラーゲンを豊富に含むベビーコラーゲンを注入することで、自然にハリのある肌を取り戻します。ヒアルロン酸注射では難しかったシワや、凹んだ傷などにも有効です。
ベビーコラーゲンを注射するメリットを教えてください。
根本的にコラーゲンを増やすので、ナチュラルに仕上がります。
ヒアルロン酸注射はボリュームアップのための使用が多いのですが、ベビーコラーゲンはコラーゲンを根本的に増殖させることでナチュラルなハリを得られます。注射後、小ジワやハリに変化が見られ、徐々にコラーゲンが組織へ浸透し安定化していきます。
ベビーコラーゲンは、人工的に作られたものではなく胎盤から採取したヒト由来のものなので、体になじみやすいのが大きな特徴です。
注射系施術にもいろいろありますが、目の周りなどデリケートな部分でさえ自然になじんでいく製剤は、唯一無二だと思います。
クマの改善には、とくにおすすめですね。目の下にある眼窩脂肪の膨らみが影を作りクマとなっている場合は、ベビーコラーゲンを眼窩脂肪の下部に入れてなじませることで、凹みが消え、クマも目立たなくなります。
他院では、脱脂手術で膨らみを除去することもありますが、当院ではベビーコラーゲンの注入により段差を埋めることでクマを解消します。
なお、脂肪が多い場合は脂肪溶解注射で脂肪を減らす施術もできますので、切る必要があるかもとお悩みの人も、一度ご相談いただければと思います。
また、肌そのものにも良い影響があるのも、ベビーコラーゲンの大きな特徴です。たるんできた肌や凹みのある部分を自然に持ち上げるだけではなく、徐々に肌の細胞を活性化させてコラーゲン生成量を増やすため、なめらかで触り心地のいい肌へと導きます。
ベビーコラーゲンの効果は、どの程度持続するのでしょうか?
個人差はありますが、4~6ヶ月程度です。
生体に極めて近い製剤なので、人工的に作られた製剤に比べると、効果の持続期間は短いです。注射後しばらくしてから少しずつ減っていき、個人差もありますが、長くて半年程度持続します。少しずつ量は減っていくものの、コラーゲン自体の量が増える分、施術前に比べるとクマやたるみの改善は感じられるはずです。
再注射のタイミングとしておすすめしているのは、初回から4ヶ月後です。まだ効果が残っているときに注射すると、ブースター効果で定着しやすくなります。
あまり期間を空けてしまうとまたゼロからやり直すことになるため、当院では4ヶ月以内での再施術を、受けやすい料金設定にしています。4ヶ月以内の再注射であれば、初回の金額の6割程度で施術を受けていただけますよ。
ベビーコラーゲンの扱いがあるクリニックは多くはないようですが、なぜ取り入れようと思ったのですか?
極力トラブルの少ない施術をご提供したいと思ったからです。
ベビーコラーゲンを扱っているクリニックが少ないのは、大変貴重な製剤だからです。アメリカの1社でしか製造されていないため、発注から入荷まで1年待ちだったこともありました。入手しにくく在庫管理も難しいため、取り扱いのあるクリニックが決して多くはないのだと思います。
以前より他院修正を手掛けることが多く、ヒアルロン酸注射を受けた人のトラブルをたびたび目にしてきました。注射箇所が青く透けてしまうチンダル現象が生じてしまった人や、違和感のある膨らみを修正したくて来院される人が多くいらっしゃいました。
ボリュームがほしいからといって、どんな部分にでもヒアルロン酸を注射することは、私はおすすめできません。とくに皮膚が薄い部分はトラブルの発生率が高くなります。その点、ベビーコラーゲンは皮膚が薄い部分にもとてもなじみやすいのです。ヒアルロン酸での施術だとリスクが高い箇所に、ベビーコラーゲンの特性がうまく合致したことで、使い分けるために取り入れるようになりました。
ヒアルロン酸注射で自然に仕上げるためのポイントとは
ヒアルロン酸は、どんな部分への注射が多いのでしょうか?
ヒアルロン酸の硬さを利用し、萎縮した骨を補充する役目を果たすことで、リフトアップを狙う施術を多く取り扱っています。
たるみには皮膚の老化及び、骨の老化が関係しています。当院では、ヒアルロン酸注射は、骨の老化に対して使用することが多いです。
つまり、加齢によって凹みが目立つこめかみや、たるんでしまった頬に対して、そのたるみの原因となっている部分の骨上にヒアルロン酸を注入することで、骨萎縮を改善し、元にあった場所に皮膚を戻すようなイメージでリフトアップ効果を図ります。
当院で扱っているヒアルロン酸製剤の1つに、Juvederm VistaシリーズのボリューマXCがあります。これは2016年9月に、中顔面、下顎部、こめかみの減少したボリュームを増大させるため、皮下骨膜上深部へ注入して使用されることを目的として、厚生労働省から認可されたものです。
適度な硬さがあるため、皮下に注射することで支柱の役割を果たし、内側からボリュームを持たせることで皮膚を引っ張り上げます。
当院では9種類のヒアルロン酸製剤をご用意しています。それぞれ性質が異なりますので、お客様のお悩みに合った製剤を選択し、カスタマイズしています。
美しく仕上げるために、注射の際に工夫していることを教えてください。
自然な美しさを引き出すために、ボリュームアップを図らないことです。
自然に仕上げるためには、ボリュームアップを図らないことが重要です。ボリュームを出そうとする打ち方では、不自然に膨らんでしまう恐れがあるのです。当院ではボリュームアップではなく、リフトアップさせるために骨を補填するような打ち方にこだわっています。
たるみの原因の1つに、加齢による骨萎縮があります。骨が痩せてしまうことで肉が落ち、たるみが発生してしまうのです。そこで、痩せた骨にヒアルロン酸を乗せるようにして打つことで、ただボリュームアップするだけでない自然な仕上がりになります。
これは製剤メーカーであるアラガン社が推奨している打ち方でもありますが、神経や血管の位置、骨の形状を考えながら注射するのは、熟練した医師にしかできません。
ヒアルロン酸注射は、稀ではありますがリスクを伴います。失明や鼻の壊死も例があるため、リスクの高い箇所に注射することはおすすめできません。そういった箇所にはヒアルロン酸注射ではなく、より良い施術メニューを提案する選択も、大切にしています。
注射系治療のこだわりを教えてください。
得意としている様々な目的の注入剤を使い分け、複数の肌の悩みを同時に改善することです。
カウンセリングをしていると、1つの悩みだけでなく、たるみ、シワ、ニキビのクレーターなど、あらゆる悩みが複合的に発生していることが多いと感じます。そんなときは、注射系施術でクマを埋めながら浅い層のシワにも打つなど、一度の施術で複数のお悩み改善をご提案することもあります。
複数の注入剤を用いて、表皮や真皮層、骨膜など様々な層に各々の目的に沿って注射するのは当院独自の方法で、難易度は非常に高いといえます。実施していないクリニックも多いのですが、私は打ち分けを得意としているので、異なる層への注射も一度の施術で対応可能です。
また、脂肪が多く通常はメスを使う施術が必要だと思われる場合も、注射や美容機器を複合的に使うことで解決できることもあります。どんな状態にもメスなしで対応できるよう研究と経験を積んでいますので、より良い組み合わせをご提案いたします。
ヒアルロン酸の効果は、どの程度持続するのでしょうか?
7~12ヶ月程度ですが、ヒアルロン酸製剤の種類によっても異なります。
打つ本数や年齢にもよりますが、7~12ヶ月程度で効果の減少を実感するようになります。ただ個人差もあるため、私はお客様それぞれに効果の持続期間をお伝えするようにしています。
効果が減少していくといってもすべて消えるわけではなく、初回に4本打った人が再注射では1本で十分になることもよくあります。ヒアルロン酸も、繰り返し注射することで効果が長持ちするようになるので、一度きりではなく二度、三度と打ってみることをおすすめいたします。
前向きな治療で、笑顔で帰っていただきたい
先生のこれまでのご経験で、今に活きていることは何でしょうか?
どんな症例にも粘り強くストイックに向き合ってきたことが、あらゆる手技やデザインセンスの習得に繋がりました。
元々は違う分野の医師として従事してきたのですが、一度きりの人生だしやりたいことをやろうと思い、10年ほど前に美容の世界に飛び込みました。複数の大手美容皮膚科での院長経験を経て、2022年9月に当院を開院しました。すべての経験が今に活きていると思いますが、どんな症例や経験にも粘り強く対応したストイックさが、あらゆる手技やデザインセンスの習得に繋がったと思っています。
また、ある美容クリニックでの院長経験は独立開業した現在に大変活きていると思います。当時は、診療からスタッフのマネジメント、採用、労務も何もかも私が担当していました。
そのうえ、土地柄もありお客様の途切れない大変忙しいクリニックでしたので、毎日がやり甲斐だらけでした。余裕がなかったこともあり、当時はあまりお客様の心に寄り添えていなかったのではないかという反省も結果として残りました。その気づきが、お客様に笑顔で帰っていただくための接遇として、現在に繋がっています。
また、そのあと移った美容クリニックでは、統括指導医として分院の立ち上げから深く関わらせてもらいました。そこではYouTube配信もおこない、より多くの人に美容の素晴らしさをお伝えできることに大変感動しました。
YouTube配信は、美容のことについて知っていただける貴重なツールとして、現在も利用しています。
お客様とのコミュニケーションで大切にしていることを教えてください。
自然体で接し、とにかくたくさん会話を重ねることです。
自然体でお客様と接し、たくさんお話をすることを大切にしています。ただ世間話をするだけでなく、好みなどの把握が、仕上がりのデザインのイメージにも繋がってくるのです。
また、お客様にリラックスしていただくためにも、ネガティブなことは言わないようにしています。たとえば、他院修正で来てくれた人にも、そのクリニックがどう悪かったなどと言うつもりはありません。その先生なりの考えがあっての仕上がりなので、それをリセットするなり活かすなりする方法を、ポジティブにお話するようにしています。
美容クリニックは、多少なりとも不安な気持ちを抱きながら来てくださる人が多いので、どんなお客様にも前向きに施術を受けていただき、笑顔になって帰っていただきたいと思っています。
今、美容クリニックに行くか迷っている人には、きれいになることを怖がらないでほしいです。時々、「私なんかが恥ずかしい」と言いながら肩身狭そうにカウンセリングを受けに来てくださる人がいるのですが、そんなふうに思わなくて大丈夫ですよ。
私は、少しでもきれいになりたいと思っているすべての人に喜んでいただきたいと思っています。喜んでいただけることで、私自身の存在意義も実感できるので、結果Win-Winだなと思うのです。
当院は、少し気分がよくなるようなお手伝いを、美容医療からできればいいなと思っています。どんな人でも、ぜひお気軽に足を運んでみてください。