
「だるさや疲れなどの症状は、男性更年期障害かもしれません」泌尿器科医による専門的治療で男性の健康をサポートするメンズヘルス外来|くぼたクリニック松戸五香:窪田 徹矢院長
今回取材させていただいた先生
インタビュアー



くぼたクリニック松戸五香のコンセプトを教えてください。

地域密着型でおもいやりのある医療をご提供することをコンセプトとしています。
当院は、困っている方がいれば受け入れることを大切にしています。そのために、泌尿器科から内科・皮膚科・脱毛・美容医療と幅広い診療が可能です。ED治療などのお悩みに対しては、オンラインでの診療もおこなっています。
また、いつでも受診できることに重きを置いており、予約診療はもちろんのこと、予約外でも受付しております。なにかあれば頼りにしていただける、地域に根づいた医療を提供していきたいと思っています。
当院では、人と人とのコミュニケーションを非常に大切にしています。スタッフの研修にも力を入れており、接遇の研修を月1回必ず実施し、スタッフ間の評価や患者様の声もしっかりとフィードバックして常に改善するよう努めています。

メンズヘルス外来とはどのような診療をおこなうのでしょうか。

LOH症候群(男性更年期障害)などの症状に対して、専門的に治療をおこなう外来です。
メンズヘルス外来では、なんとなく体がだるい、疲れやすいといった男性の症状に対して、テストステロン療法によって症状の改善を目指します。
当院がメンズヘルス外来を設置したのは、男性更年期障害の認知度が高まり、治療を希望される患者様が増えたためです。また、以前勤めていた総合病院の患者様を受け入れるため、メンズヘルス外来の設置が必要でした。メンズヘルス外来を設置して専門的な治療を提供しているクリニックはまだまだ少なく、総合病院でともに担当していた医師の退職がきっかけで、患者様を受け入れなければと考えました。
認知度が高まりつつある、男性更年期障害とは


LOH症候群(男性更年期障害)はどのような症状があるのでしょうか?

男性ホルモンであるテストステロンが減少することによって、身体症状・精神症状・性機能に障害を及ぼします。
LOH症候群は、加齢によって男性ホルモンであるテストステロンが低下することにより、性機能や精神的なものを含めたさまざまな症状が出てくる男性更年期障害のことをいいます。
一般的に、身体症状・精神症状・性機能の3つの症状に分類され、身体症状では、疲れやすい・吐き気がある・火照り・のぼせ・汗をかきやすくなるといった女性の更年期障害と同様の症状が見られます。
精神症状はうつ病と間違えられることも多く、気分の落ち込み・イライラ・不安症状や記憶力の低迷といった症状があります。性機能の症状では、性欲や勃起力の低下などがみられます。当院の患者様は、身体症状と性機能の症状をきっかけにご来院される方が大半です。
男性更年期障害の原因は男性ホルモンの減少です。ホルモンが減少する原因は加齢のほかに、日頃の疲れやストレスなども要因となります。よくあるのが、職場の変化や睡眠不足による精神的ストレスです。また、筋力量は男性ホルモンに比例するため、筋力低下も原因となります。

LOH症候群(男性更年期障害)の治療法について教えてください。

男性ホルモン補充療法をおこない、筋肉注射や外用薬でアプローチしていきます。
治療法は男性ホルモン補充療法(TRT)が一般的です。当院では、筋肉注射または外用薬を用いた方法で治療をおこないます。また、症状に応じて適応する漢方薬を用いたり、生活習慣の改善をサポートしたりすることもあります。
精神症状がみられる方には、内服薬や睡眠薬をおすすめします。筋肉注射での補充療法に関しては、一定の条件を満たせば保険適用が可能です。一度ご相談に来ていただけたらと思います。

LOH症候群(男性更年期障害)のような症状があった場合、どのようなことに気をつけると良いでしょうか?

悩む前に、早い段階で専門の医療機関を受診することをおすすめします。その際に、メンズヘルス専門の先生を選ぶと良いでしょう。
認知度は高まっているものの、まだまだ男性更年期障害やメンズヘルス外来をご存知ない方もいらっしゃいます。中には、うつ病だと思い心療内科に行ったものの改善が見られず、血液検査をしてみたら男性更年期障害だったというケースもあります。
うつ病と男性更年期障害の因果関係はないと言えますが、うつ病になったことで引きこもり、筋肉量が落ちた結果、男性更年期障害になることは考えられます。ご自身では判断しにくいため、メンズヘルス外来をうまく活用していただけたらと思います。

何歳くらいからLOH症候群(男性更年期障害)の症状は見られるのでしょうか?

一般的に30代後半から男性ホルモンの低下が見られます。個人差はあるものの、元々のホルモン量と差が出ることで症状があらわれます。
一般的に、男性ホルモンの量は20代中盤がピークです。その後徐々に下がり始め、30代後半になると男性更年期障害の症状が出てきます。元から男性ホルモンの数値が低い方ですと、大きな症状は感じにくい傾向にあります。なぜなら、ホルモン量の差が症状を発症させる要因になるからです。
近年は、症状がなくてもホルモン値を上げることを目的に、自費でホルモン注射を打たれる方も増えてきました。
ただし、長期的にホルモン注射を打ちすぎると、睾丸萎縮や不妊の原因になる可能性が高まるので、打ちすぎには注意してください。
日常のストレスや不安、緊張が要因でEDになることも


男性のお悩みで多いEDの原因について教えてください。

EDの原因はさまざまなものがあり、心因性・器質性(血管性)・薬剤性・ホルモンバランス・老化などが挙げられます。
EDとは勃起不全や勃起障害とも呼ばれており、性行為の際に十分な勃起ができないことや維持ができないといった症状をいいます。
EDの原因は実にさまざまですが、心因性・器質性(血管性)・薬剤性によるEDが代表的なものとされています。そのほか、ホルモンバランスや老化も原因となります。
心因性は主に若い方で多く、日常のストレスや不安、緊張が要因です。また、過去のトラウマなども心因性のひとつになります。器質性は血管性EDとも呼びますが、血管が硬くなる動脈硬化が主な要因です。40代・50代に多く、高血圧や糖尿病などの生活習慣病とも深く関わりがあり、将来的に心筋梗塞や脳梗塞になる前兆ともいわれています。
薬剤性は、精神的な薬や降圧薬の服用が原因となる場合です。ただし、薬剤性は基本的に稀な印象です。

くぼたクリニック松戸五香でのED治療はどのようにおこなうのでしょうか?

ED治療薬を第一の選択として、3種類のジェネリック治療薬をご提案します。また、ビガー(陰圧式勃起補助具)やエクソソームを使った治療法もご提供しています。
当院のED治療は、内服による治療を第一の選択として、3種類のジェネリック治療薬をご提案しています。これらはバイアグラ、レビトラ、シアリスといった一般的なED治療薬です。また、内服でのアプローチができない患者様には、ビガー(陰圧式勃起補助具)やエクソソーム(幹細胞培養上清液)を用いた治療もご提案いたします。
ビガー(陰圧式勃起補助具)は、陰圧をかけて強制的に勃起させる機械です。日本性機能学会監修ED診療ガイドラインに記載の陰圧式勃起補助具で、日本で唯一購入可能な管理医療機器になります。ご自身で簡単に勃起させられるので、勃起のリハビリにもおすすめです。さらにED治療薬との併用も可能です。
エクソソーム(幹細胞培養上清液)は成長因子を陰茎の海綿体に直接注入し、血管の再生を促すことで根本原因から治療する方法です。これによって持続可能な改善を目指します。
ED治療の副作用として、血管を拡張させる性質上、ほてりや動悸・頭痛や目の充血が出る方がいらっしゃいます。そのほか鼻詰まり・胸焼け・背中や筋肉の痛みを感じる場合もあります。
また、ED治療薬は血圧を下げる作用があるため、既に血圧降下薬を使用している方や心臓病の方は、事前に医師とよく相談するようにしてください。

ED治療でオンライン診療を始められた理由をお聞かせください。

EDは相談しづらいお悩みなので、オンライン診療であれば受診のハードルが下がるのではと考え開始しました。
当院は7年以上オンライン診療をおこなっています。ED治療をする上では、オンライン診療は必須だと考えております。なぜなら、誰とも遭遇することなく、医師と直接対面する必要もないからです。また医師と1対1で相談できて、ED治療薬がもらえるのは、患者様にとってメリットが高いのではないでしょうか。
EDの誘発率は40代では5人に1人、50代では2.5人に1人といわれています。当院で治療される患者様の年齢層も、40代から50代が大部分を占めています。
ED治療は基本的に副作用が少なく、始めやすい治療です。少しでもお悩みがある場合は、医療機関を受診して治療薬を処方してもらうと良いでしょう。
SNSでの発信を通して、泌尿器科を身近なものに


窪田 徹矢院長のご経歴を教えてください。

大学卒業後、研修を経て総合病院泌尿器科へ入職しました。頻尿・尿もれ・EDなどの専門家として、年間約25000人の診療にあたっています。
獨協医科大学卒業後、千葉医療センター・成田赤十字病院での研修を経て、国保松戸市立病院・千葉西総合病院泌尿器科へ入職しました。頻尿・尿もれ・EDを笑顔で治す専門家として、年間約25000人の診療にあたっています。当院は、2017年に開院しました。
泌尿器科に進んだ理由は、内科的なことから外科的なことまで全部一貫して診れる診療科であり、患者様から感謝されることが多いことに魅力を感じたためです。
また今後、高齢化社会の中で泌尿器科のニーズは増えていくと感じています。しかし、泌尿器科医は医師の中でも約2パーセントしかいないのが現状です。私の場合、泌尿器科を希望する人数が少なかったからこそ、手厚い研修が受けられました。今後、より泌尿器科医を希望する医師が増えてくれたらいいなと思います。

窪田 徹矢院長が開院されたきっかけを教えてください。

泌尿器科医として日々診療にあたる中で、改めてかかりづらい科であると実感しました。泌尿器科のハードルを下げて相談しやすいクリニックにしたいと思い、開院を決意しました。
元々親族が医療従事者だったことから、医師は身近な職業でした。私自身、よく町の先生に診てもらっていたので、将来は地域医療に携わりたいなと考えていました。
泌尿器科へ入職し日々診療にあたる中で、改めて泌尿器科は患者様にとって受診しづらい科であることを実感しました。たとえば、男性の尿漏れが増えている一方、恥ずかしくて病院に行けない方も多くいらっしゃいます。
泌尿器科のハードルを下げて、患者様が相談しやすいクリニックを作りたいと思い、開院を決めました。そして自ら発信して泌尿器科のイメージも払拭できればと考え、SNSを利用した活動もおこなっています。

クリニックで今後注力していきたいことはありますか?

泌尿器科などの内面的なご相談から、美容医療を用いた外見のお悩みまで、男性のための総合的な治療により注力していきたいです。
当院は泌尿器科がメインなので、男性も入りやすいクリニックです。近年は医療脱毛も比較的男性の割合が多く、イボやシミ・ホクロ除去のご要望も増えています。そういったニーズに応えられるように、男性のための総合的な医療により注力していきたいと考えています。
当院は、お子様からお年寄りの方まで、幅広い年齢層の患者様がいらっしゃいます。医療理念として「おもいやり」を大切にしており、お悩みをもつ方に「ここに来てよかった」と思ってもらえるようなクリニックを目指しています。ぜひご相談いただければ幸いです。