原因に合わせた治療法でお悩みを解決。自然な仕上がりを作るクマ取りの秘密とは?|銀座みゆき通り美容外科 東京院:水谷 和則 先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
先生のご経歴を教えてください。
産婦人科にいた頃、術後の縫合を見て「もっときれいに治したい」と思い、美容外科に興味を持ちました。
医師になって今年で33年目になります(2024年7月時点)。医師を目指したのは、幼い頃から細かい作業が好きだったからです。大学卒業後は大学病院で5年間、整形外科と産婦人科を学びました。美容外科に興味をもったのは、産婦人科にいたころに「もっときれいに治せないか」と思ったことがきっかけです。
美容外科に移ってからは、形成外科など他分野の医師からも技術を学び、治療範囲を広げていきました。その後いくつかの美容クリニックでの勤務を経て、銀座みゆき通り美容外科を開院し今に至ります。現在でも、さまざまな医師と積極的に交流しながら、医療技術の向上に取り組んでいますよ。
施術後の誤差を最小限に抑えるクマ治療へのこだわり
クマにはどのような種類があるのでしょうか?
クマは遺伝型と加齢型の2種類に分けられます。
目のクマには、遺伝型のクマと加齢型の2つがあります。
遺伝型のクマは、骨格や皮膚の薄さなどが原因です。このような方は、子どもの頃からクマがあることも珍しくありません。
加齢型のクマは、加齢による骨や皮膚、脂肪などの身体の組織の老化による変化が原因です。眼球が入っている骨の部屋、眼窩(がんか)の変化率が大きく、加齢によって小さくなることで脂肪が骨の中に収まりきらなくなり、たるみの原因となります。
たるみが原因となっている場合には、脂肪の除去や移動をおこなう治療が適用となります。治療法としては、脱脂、脱脂+脂肪注入とハムラ法などが代表的です。
目の下にたるみはないけれど色がついている方は、レーザー治療や注入治療が適用です。
脱脂+脂肪注入とはどのような施術でしょうか?
目の周りの脂肪を除去した後に、目の下の凹みに脂肪を注入する施術です。
脱脂とは、たるみやクマの元となる目の周りの脂肪を除去する施術です。皮膚を切らずに、下まぶたの内側から除去するので、表側にはまったく傷が残りません。しかし、脱脂だけでは目がくぼんだ印象になり、クマが解消しないことも多いです。
そこで適用となるのが脱脂+脂肪注入です。脱脂+脂肪注入では、太ももから皮下脂肪を吸引して、それを注入脂肪に加工し、脱脂後のくぼみに注入してたるみやクマがない目元に整えます。
脂肪の定着率は6〜7割程度が目安です。持続期間は長く、10年以上の年月を経て少しずつ減っていきます。持続力では数カ月で消えてしまうヒアルロン酸やコラーゲンよりも優れているといえますね。ただ、持続期間が長いのでいかにきれいに仕上げるかが大切です。
脂肪注入にリスクはありますか?
主なリスクは術後のしこりです。
脂肪注入のリスクはしこりの発生です。そのため当院では、しこり発生のリスクが低く、定着率の高いコンデンスリッチファット法を使用しています。コンデンスリッチファット法とは、脂肪の中にある不純物を特殊な処理で取り除き、元気な(壊れていない)脂肪だけを濃縮する方法です。濃縮後、そこからさらに脂肪粒子の大きさを目的別に3段階に分けることで、より繊細な施術を可能にします。
また、脂肪注入を患者さんが仰向けの状態でおこなってしまうと、起き上がったときに不自然な仕上がりになることがあるため、当院では患者さんに座った状態で表情を動かしてもらい、確認しながら注入していくので、自然な仕上がりになります。
ハムラ法とはどのような施術でしょうか?
脂肪を除去せず、目の下の凹みに移動させてクマを解消する施術です。
ハムラ法は、たるみの原因となっている脂肪を目の下の凹みに移動させて、クマの原因である目の下の凹凸を解消する施術です。脂肪注入に不安感がある方や、目の下の内側にあるくぼみのティアトラフ靭帯がくっきりしているような方におすすめしています。
また、ハムラ法には表ハムラ法と裏ハムラ法の2種類があります。表ハムラ法は皮膚を切って行う方法で、目元のシワを取りたい方におすすめです。裏ハムラ法は、脂肪をまぶたの裏から切らずに移動する方法で、「シワは気にならないが、たるみを改善したい」という方におすすめしています。
色味が原因のクマの治療方法を教えてください。
原因に合わせてレーザーや薬での治療、脂肪注入など適切なものを選択します。
目の下に色が出る原因は2つあります。1つめは色素沈着で、肌をこするなどの刺激によりメラニン色素が過剰に分泌され色がついた状態です。治療としては、レーザー治療やメラニンの生成を抑える薬を使用して色味改善を行ないます。
2つめは、目の下の皮膚が薄く、皮下の筋肉の色が透けている状態です。このような方には、皮膚の下への脂肪注入を行い、色が透けるのを解消します。脂肪を広く注入することで、眼輪筋や血管の色が透けて見えるのをカバーすることが可能です。
ダウンタイムはどれくらいでしょうか?
どの治療法でも2週間程度が目安となります。
ダウンタイムはどの治療法でも2週間程度です。ハムラ法は手術の直後に腫れることがあり、脱脂+脂肪注入では数時間経ってから腫れることが多いです。ただし、脱脂+脂肪注入であれば当日からお化粧が可能で、腫れる部位もマスクでかなり隠せます。
リスクとしては内出血や細菌感染です。細菌感染は免疫の関係上、加齢によってリスクが高まるため、50代以上の方には多めに抗生物質を出しています。施術のリスクについては、よく説明したうえで施術を行なっています。
目元のたるみと色味を解消。脱脂+脂肪注入の症例を紹介
施術でこだわったのはどのような点でしょうか?
適切な量の脂肪を注入し、色味を解消しながら自然な仕上がりにすることです。
この方は「クマの色が濃くなって、疲れて見える」というご相談でした。治療法として、たるみと色味を解消できる脱脂+脂肪注入をご提案しました。こだわったのはしっかりと色味を解消しつつ自然な仕上がりにすることです。
目の下を3つのブロックに分けて適切な量の脂肪を取ったあと、仕上がりイメージをもとに深さや量を調整しながら脂肪注入をしました。ダウンタイムは2週間程度です。
脂肪の定着率は個人差が大きいため、完璧な予測はできませんが、可能な限り施術の精度を高めるように努めています。
「患者さんに寄り添いながら進める」水谷 和則先生の思い
治療するうえで大切にしていることはありますか?
十分な説明を行い、自然な仕上がりにすることを意識しています。
顔の細かな造作や脂肪吸引で意識しているのは、最初からそうであったような自然な仕上がりにすることです。そのために所属医師の徹底した技術指導など、できることはすべてやるという姿勢で取り組んでいます。今後はクリニックの運営を効率化して、患者さんと向き合う時間をさらに増やしていきたいですね。
最近、他院でトラブルになって修正治療に来る方が多いのですが、美容の施術はその方の一生に関わることなので、最低でも3〜4軒はカウンセリングに行ってほしいと思いますね。当院ではカウンセリング時に十分な説明をし、施術から術後のケアまで、患者さんに寄り添いながら進めていきます。医師、スタッフ一同協力して治療を提供して参りますので、ぜひ一度ご相談に来ていただければ嬉しいです。