「見た目だけでなく、機能面にも配慮した治療を提供します」口腔外科医による骨切り術の魅力とは|マックスファクス銀座クリニック:塘田 健人 先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
クリニックのコンセプトを教えてください。
口腔外科医と美容外科医のコラボレーションです。
当院は、口腔外科医と美容外科医のコラボレーションをコンセプトとしています。口腔内の骨格に関わる施術を口腔外科医が担当し、そのほかの部位のバランスを美容外科医が整えるという形で分担しています。
たとえば、顎の骨切り術を口腔外科医が終えたあとに、鼻の手術やリフトアップ、目の手術などを美容外科医が担当します。口腔外科医と美容外科医がタッグを組むことにより、顔全体のバランスや機能面も考慮した施術が可能となります。
カウンセリング時に大切にしていることを教えてください。
気軽にお話していただけるような信頼関係を築くことです。
美容に関わるお悩みは、他人には話しにくいことも多いため、患者さんのお悩みを引き出すには信頼関係を十分に構築する必要があります。そのため初回のカウンセリング時から、患者さんがリラックスできるような話し方や、コミュニケーションをとることを心がけています。
なかには、うまく言えないけど気になることなど、感覚的なお悩みをお持ちの方もいらっしゃいます。そのような場合には「このような点にお悩みではないでしょうか」などとこちらから声をかけ、言語化できるようにサポートしています。また、なりたい顔の写真をお持ちいただければ、適切な治療方針を打診できますので、まずはお気軽にご相談ください。
術後も快適に過ごせる、口腔外科医による骨切り術
骨切り術はどのようなお悩みをお持ちの方におすすめの施術でしょうか?
顔の非対称さや顎の長さが気になる方、ガミースマイルにお悩みの方におすすめです。
骨切り術は、顔の左右が非対称で悩んでいる方や、顎の長さが気になる方などにおすすめです。顔の歪みや長さの不均衡(ガミースマイル)に関しての両顎手術(ルフォー1型骨切術と下顎枝矢状分割術、オトガイ形成術)を最も得意としております。その他にも左右の非対称に合わせたエラ削り、顔の幅を狭くする場合は頬骨骨切り術など、お悩みに応じて施術を選択できます。
そのほかにも、「保険診療で噛み合わせを治したが、見た目がよくない」「噛み合わせは正常だが、骨の歪みが気になる」などのお悩みも骨切り術で対応可能です。
骨切り術にはどのようなリスクがあるのでしょうか?
顔が小さくなる分、皮膚などが余ってたるみとなる場合があります。
骨切り術では骨を小さくするので、余った皮膚や組織がたるみとなってしまう可能性があります。とくに30代後半以降の方は、そうしたリスクが高い印象です。対処法としては、美容外科医によるたるみ治療を提案しています。一方、20代の方であれば、余った皮膚や組織が縮んで馴染む場合が多いので、過度に心配する必要はありません。
また、顔が小さくなった分、鼻が大きくなったと感じる方もいらっしゃいます。そのような場合には、美容外科医による鼻翼縮小などの鼻を小さくするような施術が提供可能です。骨切り術の腫れが残っている間は施術のリスクが高くなるため、半年程度時間をあけてから受けることをおすすめしています。
ガミースマイルの治療についても詳しく教えてください。
中顔面を短縮し、歯ぐきの露出を減らすルフォー1型骨切り術を実施します。
ガミースマイルの治療法の1つが、ルフォー1型骨切り術です。ルフォー1型骨切り術は中顔面を短縮する骨切り術で、顔の骨格が短くなる分、歯ぐきが見えにくくなります。
リスクは、唇の動きが悪くなる、歯が見えにくくなるなどの症状が現れる点です。そのため治療方法を検討する際には、副作用とメリットを天秤にかけ、メリットが大きいと判断した場合のみ治療を打診しています。
その際の判断基準となるのが、見えている歯ぐきの量です。見えている歯ぐきの幅が広いほど、手術前後での変化が大きくなるため、治療のメリットを感じやすくなります。また既往歴や年齢なども考慮しながら、安全な治療計画を打診しています。
骨切り術の治療はどのように進んでいくのでしょうか?
カウンセリング、術前検査、手術、経過観察、定期検診の流れで進んでいきます。
まず、初回カウンセリングを受けていただき、治療を受けるか決めていただきます。その後、術前検査として、血液検査、レントゲン撮影などを実施します。いくつかの検査は外部機関で実施することもあり、合計で4回程度術前検査に通っていただきます。
当日は、最終的な治療のシミュレーションや説明をしたうえで、手術に進みます。ただし、説明を事前に受けたい方は、別途日程を確保することも可能です。
術後は経過観察として、3日間当院でお過ごしいただきます。退院後は、1週間、1カ月、3カ月、半年の頻度で定期検診を受けていただき、問題がなければ治療が終了します。
口腔外科医による骨切り術を受けるメリットを教えてください。
見た目だけでなく、機能面にも配慮した施術が受けられる点です。
口腔外科医は、口腔機能の専門家です。そのため、見た目だけでなく、噛み合わせなどの機能面にも配慮した治療が可能になります。たとえば、歯の周りの骨を動かす両顎の骨切り術では、口腔機能を損なわないよう、噛み合わせや口周りの筋肉の機能を確認しながら手術を進めていきます。
また、術後の快適度が高くなる点もメリットです。通常の骨切り術では、術後に上下の歯列を固定する顎間固定を実施します。顎間固定によって噛み合わせは安定しますが、口を開けなくなるうえ、呼吸もしにくくなってしまいます。その点当院では、筋肉のバランスを考慮しながら、適切な方法で骨を固定するので、顎間固定をせずに快適な術後をお過ごしいただけます。
安全性やアフターフォローについて教えてください。
手術は経験豊富な医師が担当し、術後は24時間体制でサポートが受けられます。
前提として骨切り術は、一定以上の知識と技術力があれば、事故のリスクが低い手術です。加えて、より安全性を高めるため、重要な血管や臓器を傷つけないようなトレーニングを受けています。また私自身、過去に難易度の高い癌や外傷の手術を数多く経験してきているので、緊急時の対応についても把握しております。
当院ではアフターフォローとして、術後はリカバリールームで経過を見ています。その後も24時間体制で看護師のサポートが受けられるので安心できます。診療時間外のメール相談や電話相談が利用可能です。
さらに、メンタル面のケアにも力を入れています。たとえば、ダウンタイムの辛い症状や腫れている顔を見て心配になってしまった場合にも気軽に相談できます。また希望があれば、術後のカウンセリングの回数を増やすことも可能です。
最近では韓国で骨切り術を受ける方もいますが、日本との違いを教えてください。
韓国での手術は費用を抑えられますが、アフターフォローに問題がある可能性が考えられます。
韓国で骨切り術を受けるメリットは費用の安さです。渡航費を含めても、費用を抑えられると聞いています。
懸念点となるのは、アフターフォローです。韓国では、大規模な手術をしたあとも当日中にホテルに帰されることがあります。また言語も異なるので、こちらの要望が伝わっているか、経過観察のシステムが整っているかなどの確認も困難です。
さらに、帰国してから感染が発覚したり、腫れがひどくなったりした場合、すぐに対応してもらうことが難しいでしょう。
癌や外傷の治療から骨切り術まで数多く経験し、美容外科の道へ
先生のご経歴を教えてください。
口腔外科医として経験を積んだあと、美容外科に移りました。
歯科研修終了後、口腔外科に進み、埼玉医科大学国際医療センターで癌や外傷の手術を数多く経験してきました。癌や外傷の手術は患者さんの生死にかかわるような場面が多いですし、解剖学的にも複雑ですので、自然に緊急時の対応を身につけました。当時培った技術は、現在の美容の施術にも生かされています。
その後、より高度な技術を求められる保険診療の骨切り術を担当するようになり、技術力を高めていきました。次第に、さらに自由度が高く、技術力が求められる美容医療の骨切り術に携わりたいと思うようになり、美容外科に移って今に至ります。
今後力を入れていきたいことを教えてください。
歯科治療をより充実させていきたいです。
骨切り術や美容外科の施術メニューは充実してきているので、歯科治療についてもより幅広く提供していきたいと思います。とくに骨切り術では、歯の周りの骨にアプローチするので、それにともなって歯のトラブルが発生する可能性があります。そうした歯の治療も含めて対応できるようなクリニックにしていきます。
当院の治療の特徴は、口腔機能を守りながら顔を美しく整えられることです。これからも、筋肉や噛み合わせとのバランスを考慮した機能的な治療を提供していきます。骨切り術を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。