「ニキビは正しく取り除くことが大切」特許取得の生体皮膜剤でニキビを未病の段階で防ぐ|にっしん皮フ科・形成外科 平岩 亮一 先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
にっしん皮フ科・形成外科では、どのような診療を扱っていますか?
保険診療の皮膚科・形成外科、保険外診療では炭酸ガスレーザーや未病治療などを扱っています。
保険診療では、傷・熱傷・粉瘤・皮膚癌などの皮膚科・形成外科を扱っています。
保険外診療では、ピアスの穴あけやケロイドに対する形成手術、ニキビ跡を治療するためのケミカルピーリング、ほくろや老人性いぼなどを除去する炭酸ガスレーザー治療、ニキビのレーザー治療などを扱っています。
さらに、未病治療にも力を入れており、繰り返しニキビにお悩みの方や、通年性の鼻炎様症状にお悩みの方などからご好評をいただいています。
未病治療とは具体的にどういったものなのでしょうか?
未病とは病気の発症に至るまでの状態のことをいい、発症を防ぐための治療です。
ニキビができる過程には段階があります。まず、汗や皮脂が乳化したものが毛穴で炎症を起こします。そうすると、顔を触りたくなるような感覚や痒みが発生します。そこから毛穴の組織や皮脂腺の壊死が始まると痒みは痛痒さへと進行し、アクネ菌などの細菌が活性化することで壊死が進み、症状は痛みに変わり膿となります。そして膿が吸収される過程でコラーゲン線維や出血凝固産物のフィブリン(糖たんぱく質)等で毛穴が塞がることで芯のあるニキビが発症するのです。
ニキビ治療では化膿止めの飲み薬や塗り薬が一般的ですが、そもそもニキビを発生させないための治療が未病治療です。
予防と混同されがちですが、予防はニキビを防ぐための洗顔や食生活の工夫などを指します。未病治療では、毛穴の痒みを止める治療と、毛穴の痒みが痛みとなり膿になるのを防ぐ治療を同時に進め、ニキビの発生を止めます。
ニキビの未病治療では、どういった施術をおこないますか?
私が開発した生体皮膜剤、栴檀海斗(せんだんかいと)を主に使用しています。
当院では、未病治療に栴檀海斗(せんだんかいと)という生体皮膜剤を活用しています。生体皮膜剤とは、皮膚や粘膜の上に薄い膜を作り刺激から保護するものです。
皮膚や体組織へのダメージを軽減する働きがあるのですが、ニキビ治療において栴檀海斗が活躍するのは、顔を手で触りたくなるような感覚から痛痒さへと変化する段階です。この進行を止めることで、ニキビの発生を防ぎます。
栴檀海斗は私が開発したもので、アメリカを含む国内外13件で特許を取得しています。
栴檀海斗は、どのタイミングで使用するものでしょうか?
かゆみが出た時や肌がべたつく時に使用するのがおすすめです。
朝夜の美容液のように使用してもいいのですが、決まった時間帯だけではなく気になった時に使用することで栴檀海斗の良さを活かせます。
特に、べたつきや痒みを感じた時は是非ご使用ください。ニキビができる兆候として、汗や皮脂の乳化で肌がべたつき始めます。汗や皮脂乳化物が多いほど肌はべたつき、痒みが発生します。そのまま放置してしまうとニキビへと進行してしまいますが、栴檀海斗を使用することでダメージの進行を阻止します。
タオル等で皮膚を垂直に押すように分泌物をある程度除去してから、栴檀海斗を塗布してください。痒みもべたつきも抑えられ、朝の洗顔したてのようなさらりとした状態が維持できます。
栴檀海斗は、ニキビ以外にも使用できるのでしょうか?
鼻炎様症状や頭痛などの改善も確かめられています。
栴檀海斗は、熱傷などの組織障害や外傷を負った場合、虫刺されにも効果を発揮します。
また、栴檀海斗の点鼻液や点眼液を活用することにより、通年性鼻炎様症状、頭痛、リンパ節の痛みや肩こり、眼瞼痙攣、花粉症時の鼻詰まりや痛みなどを軽減できる場合があります。
このように、全てではありませんが体の炎症症状の抑制に栴檀海斗は効果を発揮します。例えば、喉が痛くて咳き込んでしまった時などに、シュッと喉にスプレーすることで1分ほどで刺激感が収まり、咳き込みを止められる場合があります。
ニキビ跡を残さないための炭酸ガスレーザー治療
ニキビができてしまった場合は、どのようなケアをすればいいでしょうか?
よく「潰したら駄目」と言いますが、本当は適切に潰す(摘出する)ことが大切です。
ニキビは「潰したら駄目」と思い放置してしまう方も多いかもしれませんが、放置してニキビの炎症が広がり周辺の組織を傷つけた結果、肌に酷い凹凸ができてしまうことがあります。
炎症を広げないためには、不良肉芽や化膿したニキビを除去しなければなりません。この際に穴が開きクレーターになることもありますが、放置して炎症が広がってしまうよりも圧倒的に綺麗に治ります。
しかし自分で潰すとなると、余計に肌を傷つけて炎症を広げてしまう可能性があります。炎症組織を適切に外に出すことが大切なので、くれぐれもご自身では潰さないようにしてください。
ニキビ跡にしないためには、どんな治療がおすすめですか?
気になる箇所だけ炭酸レーザーで治療するのがおすすめです。
ニキビを綺麗に治すためには、ニキビの芯を除去することが必要です。そのために皮膚に多少なりとも穴を開けなければなりませんが、その治療におすすめなのが炭酸ガスレーザーです。
炭酸ガスレーザーはニキビ跡のクレーターや凸凹にもある程度効果的ですが、できれば跡になる前に防ぎたいですよね。そこで、定期的に化膿する前のニキビの芯をレーザーと器具によって除去することで、ニキビのない綺麗な肌を維持します。また、化膿する前にニキビの芯を出してしまうので、クレーター化を防止できます。
ニキビ治療には保険診療でお薬を処方することもありますが、お薬の場合、ニキビ周囲の皮膚のバリア機能低下、赤み、接触皮膚炎(かぶれ)といった副作用も避けられません。レーザー治療のメリットは、ニキビだけにピンポイントに働きかけることです。
レーザー治療は、痛みはありますか?
治療中は、ゴムで弾かれるような痛みがあります。
レーザー照射の際に、静電気とゴムで弾かれたような痛みが同時に発生する感覚があります。大きく腫れて膿んでいる箇所は、さらに痛みを感じます。照射後に器具を使ってニキビの芯を除去しますが、圧出する際にも刺激を伴います。
レーザー照射直後は治療部分が浮腫むことがありますが、3分程度で軽減します。ダウンタイムは3日程度で、レーザーにより開いた小さな穴は3週間から数ヶ月程度で自然に消失します。
どの程度通院すれば、症状は改善しますか?
軽いニキビなら、一日で良くなる場合もあります。
レーザーなどを組み合わせて治療をおこなうことで、ニキビで真っ赤に腫れたような状態の肌でも、1~3週間に1回のペースで、6~7回治療すればかなり改善されます。
軽い症状であれば、1回の処置だけでもご満足いただける程度に改善します。
ただし、レーザー光線から目を保護するゴーグルを着けていただくため、目の周りのレーザー治療は難しいかもしれません。その場合にも他の治療法はございますので、ご相談いただければと思います。
患者様に笑顔で帰っていただけることが、何よりの喜び
なぜ、栴檀海斗の開発に至ったのですか?
患者様が痒みで苦しんでいたことがずっと頭に残っていたからです。
埼玉医科大学医学部を卒業後、同院の形成外科医局に在籍していました。その後東京医科歯科大学皮膚科形成班に移籍して、後に美容外科へ入職しました。複数の医局で学ばせていただきましたが、患者様との数々の出会いが現在の診療にも大変活きています。
栴檀海斗の開発に至ったのも、当時出会った患者様が汗による痒みが引かないことに苦しんでおられたことがきっかけでした。平成26年から「汗の痒みを如何に止めるか?」をテーマに痒み防止剤の開発に着手することから始まり、翌年には日本国内で特許を取得するに至りました。
診療をする際に、大切にしていることは何でしょうか?
患者様が求める効果を叶えるために、治療の引き出しをたくさん作るよう心掛けています。
何よりも患者様が満足して笑顔で帰っていただけることが、私にとって一番嬉しいことです。そのためにも、診察時にはたくさんお話をして、患者様が何を求めているかを聞き逃さないようにしています。
当院に来てくださる患者様は、いろんな皮膚科を回った末に頼ってくださる方も多くいます。そんな方の希望を叶えるためにも、どこでも受けられるような治療ではなく、もっと効果を突き詰めたような治療をご提供したいと思っています。患者様にご満足いただけるよう、治療の引き出しは常にたくさん持ち、あらゆるご提案をできるよう心掛けています。
来院を検討されている方にメッセージをお願いします。
お茶を飲みにくるような感覚で、気軽に足を運んでみてください。
当院の患者様にも、「受診しなくていいのでお茶を飲みに来る感覚で来てください」とよく言っていますが、それくらい気軽な気持ちで来ていただきたいです。
また、栴檀海斗での治療でしたらこまめに通院していただく必要はありませんので、医院に通うのが億劫だったり難しかったりする方に当院は合っていると思います。
威圧感を与えるような医院ではありませんので、安心してお越しいただけるはずです。ご興味を持たれた方は是非、気軽な気持ちで足を運んでみてください。