「当院の糸リフトは、引っ張り上げません」熟練の技術力でナチュラルな美しさを生み出す | プライム銀座クリニック 髙澤 博和 先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
クリニックのコンセプトを教えてください。
長く美しくいられるために、ナチュラルなエイジングコントロールをすることです。
美容クリニックを利用される方のなかには、施術の仕上がりに歴然とした変化をお求めの方もいらっしゃいますが、当院はどちらかというとナチュラルな美しさを大切にしています。高い効果を求めるがためにリスクを冒すよりも、効果を出しつつもリスクの低い方法を選択することに重きを置いているのです。
より長く美しさを保つためにはどの治療法がベストかを突き詰めながらも、ダウンタイムやリスクを極力減らすことで、施術によるお客様のストレスを軽減します。
また、ご来院されたすべての方に安心して美容医療を受けていただくために、どんなことでもご納得いくまで丁寧に説明いたします。お客様には誠実に向き合い、高い技術力とともに安心を提供しています。
診療をするうえで大切にしていることは何でしょうか?
会話する時間をしっかり取り、お客様と信頼関係を築くことです。
お悩みはあるものの、どうなりたいか理想を明確にお持ちではない方もいらっしゃいます。そういった方には、じっくり会話をしながら、その方が本質的に求めているものはどこにあるのかを確認し、すり合わせていきます。
お客様にとっては少々面倒かもしれませんが、「本当はどうなりたいですか?」「周りの人はどう思うと思いますか?」など、あらゆる角度から質問をしています。その方が何かしら意思決定するまでの、達成目標を一緒に決めていく過程を大切にしていますね。
施術の効果を盛って話すことはありませんし、むしろデメリットの方を丁寧に強調してお伝えすることの方が多いかもしれません。信頼関係を築きながらの丁寧な診療は、お客様に満足いただくことが大変多く、リピーターや紹介のお客様の割合が高いのも当院の特徴です。
引っ張り上げない糸リフトで、効果を最大限に引き出す
糸リフトを受けるのは、どのような方が多いのでしょうか?
他院で糸リフトを受けたものの、満足できなかった方が多くご来院されます。
糸リフトは、コグというトゲのついた糸を皮下組織に挿入することで、たるみやしわを改善する施術です。多くの方は、コグを内部に引っかけ糸で引っ張り上げることで、たるみを改善すると思っているかもしれません。しかし、内部でどれだけ引っ張り上げたとしても、引き上げの効果は1ヶ月程度で失われてしまいます。
仰向けで寝たときに鏡を見ると、顎方向に垂れていた顔が、ピンと張りますよね。私のこれまでの経験から、糸リフトでこの状態の顔の印象よりも上に引き上げることは難しいという結論に至りました。そのため、当院が提供するのは、仰向けに寝たときのような顔の状態をより長くキープするための、引っ張り上げない糸リフトです。
このような方針で糸リフトを提供しているため、他院で期待したほど効果が継続しなかった方や、引き上げすぎて吊り上がった顔になってしまった方など、以前糸リフトを受けて失敗した方からの依頼を多くいただいています。当院の技術力を信頼してくださっているとともに、糸リフトの現実的な効果に共感を得てくれている方が大半ではないでしょうか。
先生が考える、糸リフトで得られる一番の効果は、どういったものなのでしょうか?
皮下組織が固まることで、肌にハリが生まれることです。
糸リフトを挿入すると、皮下組織で糸が溶け、炎症を起こします。この炎症で瘢痕化が起こり、緩い組織が固まっていくのですが、これが肌のハリとなり、リフト効果を得られます。そのため糸リフトで目指すのは、こめかみから頬にかけて、十分な瘢痕による癒着で固めてしまうことです。
理論的には、糸の本数が多ければ多いほど、高密度に癒着させることができます。そう確信し試したこともあったのですが、本数が多いほどひきつれが目立つデメリットがありました。このような経験を積み、当院では片側6本の挿入がスタンダードとなりました。現在のやり方が、術後のストレスもほぼなく、満足感もキープできるベストな方法です。
糸リフトのデザインは、どういった点にこだわりがありますか?
術後のストレスになる要素をできる限り減らしつつ、効果を最大限に引き出すことにこだわっています。
糸リフトは、瘢痕を起こすことでリフト効果を得られるので、目元や口元など、よく動く場所への挿入はリスクがあります。目元や口元の動きが鈍くなることや、ひきつれが残ってしまうことは、お客様にとって大変なストレスです。こういったストレスをできる限り取り払うため、糸を挿入する場所は丁寧に見極めます。
目指しているのは、上へ引っ張るのではなく、脂肪や皮膚をニュートラルの位置に戻して固定することです。無理に引き上げず、よく動かす部分はなるべく避けながら、糸を広範囲に入れることを徹底しています。
これまで他院で糸リフトを受けたものの、期待どおりの効果が得られなかった経験がある方には、ぜひ当院の糸リフトを体験していただきたいですね。
クマ治療成功のカギは、術前の丁寧な診察
クマ治療も人気メニューの1つと伺いましたが、どのような施術の提供が多いのでしょうか?
影クマ(黒クマ)への、脂肪再配置施術を多く提供しています。
クマにも分類があるのですが、当院で主に治療するのは、青クマと影クマ(黒クマ)の2種類です。目の下の皮膚が薄いことで内部の組織が透けて見え、暗い色になることを青クマと呼びます。一方影クマは、目の下の眼窩脂肪の影が黒っぽく見えている状態です。目の下の膨らみを物理的に除去することで、影クマも解消されます。
当院でとくに力を入れているのは、経結膜眼窩脂肪移動術(GB法プラスリフト)による影クマの改善です。裏ハムラにも近い術式ですが、当院ではアメリカの医師であるゴールドバーグ先生が生み出した手技を改変した、独自の技術を取り入れています。
まぶたの裏側で切開し、膨らみの原因である眼窩脂肪をへこみ部分に移動して縫いつけることで、影クマを解消します。術後は、治癒の過程で脂肪が少しずつ萎縮して元の位置に戻ろうとする力が働くため、そうした力を阻止するために脂肪を丁寧に固定することが成功のポイントです。
この施術は、下眼瞼と鼻・頬の境界に見られるくぼみ(ティアトラフ)の解消にはとくにおすすめです。膨らみを作る食い込みを裏側から剥離し、そのへこみを強力に改善できるため、ほかのどの施術よりもバランスよく美しく仕上がります。
青クマの治療には、どういった方法を採用していますか?
PRP注入のほか、生活習慣改善の指導もしています。
青クマには、当院ではPRP(多血小板血漿)注入をおすすめしています。PRP注入は、ご自分の血液から分離・濃縮した血小板を肌に注入することで、肌の再生を促進する治療法です。肌に刺激を与えてコラーゲン生成を促し、ふっくらとした弾力を取り戻すことで、青クマを改善します。
ただ、カウンセリングでは、生活習慣を改善することの大切さもお伝えしています。青クマの主な原因は血行不良であるため、生活習慣の良し悪しで青クマの状態も変わります。昨今ではスマートフォンの画面を遅い時間帯まで見る方が多くなったこともあり、若い方からの相談も増えています。青クマにお悩みの方は、まず生活習慣から変えていただけると改善に向かうはずです。
クマ治療をするうえで、大切にされていることを教えてください。
術前の診察でクマの状態をしっかりと判断し、ベストな治療法を導き出すことです。
クマ治療をする際に大切にしているのは、術前の診察です。眼窩脂肪がどの程度クマに影響しているか、また、その方の骨格などを丁寧に診察します。
脂肪を再配置するのではなく、完全に脂肪を除去する脱脂法が適応となる方もいます。ただし、骨格によっては、脱脂はくぼんで見えるリスクがあるため、事前のカウンセリングと治療法の選択は慎重におこなうべきでしょう。
また、これまでにクマ治療で注入治療を受けた経験の有無も必ず確認します。注入系治療は比較的手軽に受けられますが、体内に吸収されずに残る製剤を繰り返し注入した方は、眼窩脂肪の手術をしたあとに、かつて注入した製剤の不自然なしこりが残ってしまうというリスクがあるがあるのです。
目の下のクマの原因が眼窩脂肪だとわかったのであれば、注入治療ではなく、脂肪の除去手術が最適です。今、クマ治療を検討している方も、安易に注入を選択せず、まずはしっかり診察を受けることをおすすめします。
豊富な解剖知識により、美しさが長く続くヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸注入も人気の施術の1つと伺いました。他院にはない特徴を教えてください。
目の上のヒアルロン酸注入は、他院ではあまり扱っていない当院の得意施術です。
ヒアルロン酸注入を扱う美容クリニックは多数ありますが、当院のように目の上の注入を得意とするクリニックは少ないようです。
目の上の注入は、とてもデリケートな施術です。ヒアルロン酸は注入後に少し膨らむこともあり、目の上はとくに、ほんのわずかな膨らみにより印象が左右されます。私がヒアルロン酸注入の提供を始めた頃は、濃度重視のヒアルロン酸製剤が多く、術後の膨らみが目立つことも多々ありました。最近では膨らみやすい製剤は減ってきましたが、注入した翌日に膨らむことも稀にあります。
そのため、目の上のヒアルロン酸注入は大変慎重におこなっており、治療を2回のセッションに分けるように提案しています。1回目は控えめに入れて、様子を見たうえで2回目の注入をすることが、お客様の安心感につながっているのだと思います。
注入のテクニックが、仕上がりに影響するのでしょうか?
テクニックももちろんですが、解剖の知識が何よりも重要です。
目を取り囲むように眼輪筋が存在するのですが、眼輪筋の表側と裏側に近い方、それぞれにヒアルロン酸を入れる場所があります。裏側に近い場所は、ヒアルロン酸が周りに広がるため効果が持続しにくいのですが、表側は筋肉があるためヒアルロン酸が広がりにくく、注入した場所に長くとどまってくれます。そのため、効果をキープするために、筋肉よりも表側にある、非常に薄くて細いスペースを狙って注入するようにしています。
ただ、表面に近いと凹凸が出やすいため、慎重な注入が大切です。少しでも入れすぎると目元がむくんだ印象になるため、0.01cc単位で微調整して注入しています。そしてこれ以上は違和感が出てしまうと判断した時点で、お客様にご相談のうえ、裏側への注入に切り替えていきます。
自然な仕上がりを叶えつつ効果を持続させるためには、テクニックはもちろん、このような解剖の知識が必要不可欠です。とくに目の周りの注入には不安を抱いている方が多いため、注入の丁寧さがお客様に安心していただけているポイントだと思います。
職人のように、お客様のご要望にお応えします
これまでのご経験で、現在に活かされていることはありますか?
中国での診療経験は、現在の診療に大いに活きています。
医師になってからは、毎日が勉強だと思い取り組んでいます。なかでも、2018年に立ち上げた北京のクリニックでの診療は、現在の糧となっています。今も月に2回ほど診療に行っていますが、一時期は北京に留まり治療に専念していました。中国はとても広いので、お客様の顔立ちの特徴は多岐に渡ります。たとえばモンゴル系の、輪郭が真四角でまぶたがとても分厚いような顔も診療してきました。
人種が違えば美意識も異なりますし、お客様一人ひとりによってさまざまな考え方があります。いろいろな意味で私の想像を超える考えをお持ちの方も少なくはありません。そういった方々のために私達にできることは、その方が目指すものを丁寧に聞き取り、その要望に応えていくことです。
今はSNSの普及により、自分の美意識による世界観を治療に反映するアーティストタイプの先生が増えてきましたが、私はどちらかというと職人タイプの医師です。皆さんからいただいた依頼を、いかに自分の技術力で実現していくかに重きを置いています。
ご来院を検討されている方に、メッセージをお願いします。
丁寧な治療で、真摯に対応いたします。どうぞ安心してお越しください。
当院は、無茶な施術はしない、誠実で丁寧な対応を徹底しています。美容医療に関して、ネット上では夢を与えるような情報が溢れていますが、現実はそうでない場合も多々あります。もしかしたら、当院のカウンセリングで夢が打ち砕かれることがあるかもしれませんが、デメリットやリスクは必ず知っておいた方がいいとの考えから、正直にすべてをお伝えしています。
当院では術後に「イメージと違った」と言われることはほぼありません。「やらない方がよかった」と思わせてしまうこともないように取り組んでいますので、その点はご安心ください。
理想のイメージがない方も、お気軽にご相談ください。また、なりたいイメージが明確にある方も、当院のような職人気質のクリニックで相談するのが一番かもしれません。ご希望のイメージに向けて、誠実に取り組ませていただきます。