正しい診断と治療計画で困難な症例に対応。多様なアプローチで挑むニキビ跡治療とは?|浅草駅前まつだ皮膚科:松田 洋樹 先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
浅草駅前まつだ皮膚科はどのような皮膚科ですか?
保険診療も自費診療も幅広く提供している皮膚科です。皮膚のことで悩んだらまず最初に来ていただけるようなクリニックを目指しています。
当院は、湿疹や蕁麻疹などの肌疾患から、シミ取りなどの美容系の治療まで、肌の困りごとを保険診療から自費診療まで幅広く診療しています。
とくにニキビ跡の治療に関しては、保険診療だけでは改善できず、長年お悩みの患者様が多くいらっしゃいました。ですが、自費診療の薬や機械も積極的に導入し、さまざまな治療の選択肢を提示することで、患者様のお悩みを解決できるようになりました。
また、当院では、根拠のある診断と根拠のある治療方法という理念の元で診療しているため、自費診療に関しても治療効果の根拠が明確なものだけを選び、治療方法をご提案しています。
開業までのご経歴を教えてください。
東京大学医学部附属病院の皮膚科で保険診療の経験を積み、休みの日には美容クリニックで美容皮膚科の経験を積みました。
初期研修を終えた後は、東京大学医学部附属病院の皮膚科に入局し、いくつかの総合病院に従事しました。大学病院や総合病院では、一般的な疾患から難治疾患まで、さまざまな疾患の方がいましたので、そこで保険診療の幅広い経験を積みました。
勤務後や週末には、美容クリニックで勤務しながら美容治療も学び、開業前にはニキビ治療に定評のある池袋駅前のだ皮膚科クリニックで勤務しました。これまでの学びと経験が糧となり現在の診療に役立っています。
充実した設備で、すべてのニキビを改善。CUREjet(キュアジェット)によるニキビ跡治療とは?
ニキビ治療にはどのようなアプローチ方法がありますか?
保険診療で治らない場合は、自費診療の内服薬、外用剤、ダーマペン、サブシジョン、CUREjet(キュアジェット)など多様な治療方法があります。
まずは保険診療内の治療から始めますが、どうしても改善が見込めない場合は、自費診療も案内しています。ニキビには自費診療の内服薬であるイソトレチノインや各種外用剤を処方して治療、予防をします。
赤みが残っているニキビ跡に関しては、Vビームを提案します。肌の凹みやくぼみができている場合はニキビ跡の状態に合わせて、ダーマペン、TCAクロス、サブシジョン、トライフィルプロ、CUREjet(キュアジェット)、各種注入剤など、選択肢は複数あります。
ニキビ跡治療はどのように治療法を決めるのですか?
ニキビ跡には3種類あるので、種類を見極めることが重要です。
ニキビ跡はすべてがクレーターと思われがちですが、ニキビ跡のタイプはアイスピック型、ボックスカー型、ローリング型の3種類あり、効果の高い治療方法はそれぞれ異なります。
治療では、まず患者様のニキビ跡がどの型なのか見極めることから始めます。アイスピック型は狭く奥に深いニキビ跡で、TCAクロスやダーマペンなど表面からのアプローチを提案します。
ボックスカー型はフチが垂直で底が平坦なニキビ跡で、表面だけでなく、サブシジョンなどで皮下からもアプローチすると、より効果的です。
ローリング型は大きくなだらかに凹んでいる特徴があります。癒着により皮膚が下に引っ張られているため、サブシジョン系の施術以外に注入治療のジュベルックなども治療の選択肢になります。
後述するようにCUREjetは表面側からも真皮側にもアプローチできるためどのタイプのクレーターにも効果が期待できます。
ニキビ跡の種類に合わせて治療を提供をするのですか?
種類に合わせるだけではなく、患者様が治療したい範囲と予算を含めた治療法を提案します。
ニキビ跡のタイプに最適な治療を優先するのではなく、治療する範囲、かけられる予算まで含め、総合的に治療法を検討します。
たとえば、ローリング型のニキビ跡は、皮下からのアプローチが有効なので、表面からアプローチするダーマペンをおすすめすることはあまりありません。
ですが、患者様が広い面積を低価格で治療したい場合は、広範囲を低コストで施術ができるダーマペンを使用します。ダーマペンで肌全体の調子を良くした上で、ピンポイントで強い治療をプラスするような提案をします。
当院では、ニキビ跡により治療効果が望める、CUREjetを導入しました。既存の治療と合わせると肌のすべての層にアプローチが可能になり、これまで以上にニキビ跡がきれいに改善できるようになります。
これまでの治療機器とCUREjetの違いについて教えてください。
既存の治療ではフォローしきれなかった部位にアプローチできる点、繊維化した組織の切断と薬剤の注入を同時にできる点が優れています。
CUREjetは針を使わず、ジェットの力で繊維化した組織を断ち切る治療機器です。
ニキビ跡にアプローチする場合、TCAクロスやダーマペンで組織にダメージを与えたり、サブシジョンで繊維を断ち切ったりしていました。ですが、これらの治療では、浅い層の組織を切ることや、細かく均等に薬を散布できませんでした。
ですが、CUREjetでは、これまでは浅すぎて繊維が切れなかった層へのアプローチが可能で、手では注入できない緻密さで薬を浸透させることもできます。
そのため、ニーズはあるのに治療方法が少なかった小さなニキビや浅いニキビ跡、傷跡やしわなどの改善なども期待でき、幅広い活用方法があります。
さらに、針を刺さずに薬剤を皮下に注入できるため、針を用いた施術に抵抗がある方にもおすすめです。
浅草駅前まつだ皮膚科では、なぜニキビ治療で大きな効果があげられているのですか?
ニキビの治療方法の多さに加えて、ニキビ跡の分類による正しい診断と治療計画をおこなっているからです。
当院が結果を出せている明確な理由の1つは、ニキビ治療に対するアプローチ方法の多さです。Vビーム、CUREjetなどの治療機器、サブシジョン、TCAクロスなどの治療メニューなど、提供できる治療が多いので、さまざまなタイプのニキビに対応できます。
また、ニキビ跡を分類して最初に作戦を立ててから治療を始めますので、治療過程が患者様にもわかりやすく、効率的な治療ができます。
ニキビ跡の治療は、順調に進んでも3カ月かかり、半年や1年かかることも当たり前です。事前にそのことをしっかりお伝えし、治療を続けていただけるように工夫しています。
もちろんニキビ跡を作らないのが一番ですので、ニキビをすぐに治すこと、ニキビを作らない肌づくりにも力を入れています。ニキビだと思って受診される患者様の中にはニキビではない患者様もかなり多いので、繰り返し発生するニキビは一度受診することをおすすめします。
ニキビと間違えることが多い、酒さ(しゅさ)治療についても教えてください。
赤み、膨らみがニキビにも似ている酒さは、正しく診断されにくく、難しい疾患です。当院では外用剤、内服剤に加えてVビームで完治を目指しています。
酒さ(しゅさ)は、頬や鼻、おでこなど顔の中心部に赤みやニキビのような症状が出る疾患です。実はかなりの人が罹患していますが、ニキビや湿疹と間違いやすく、正しく診断されていないケースが多くあります。
また、正しい診断を受けても、保険診療で提供できる塗り薬は1種類しかないため、保険治療では限界があります。
当院では、酒さに悩まされている患者様に向けて、Vビームによる治療のほか、海外の治療データを参考に、効果の高い機器を多く扱っています。保険診療にこだわらず自費診療の外用薬、内服剤を用意し、高い効果が望める治療を提供しています。
正しい診断が可能にする、効果の高いシミ治療
シミ治療で大切にしていることはどのようなことですか?
ニキビ治療と同様にシミの種類の見極めを重要視しています。
シミと呼ばれるものには、老人性色素斑、そばかす、肝斑、黒アザ、色素沈着などさまざまな種類があります。
老人性色素斑やそばかすにはピコスポットで短期的な治療、黒アザはピコレーザーやピコスポットで長期的な治療、色素沈着や肝斑は内服やピコトーニングで長期的な治療をします。
このように、効果的な治療や治療期間が異なりますので、まずは正しい診断をつけて、効果の確実性が高い治療法を提案します。
多くの場合、複数の種類のシミが混在しているので、それぞれのアプローチ方法をお伝えして、治療を優先すべきシミがどれなのかお伝えします。
シミ治療の効果を高めるためのこだわりを教えてください。
拡大鏡の使用や、シミの経過に関するヒアリングを通して、必ず医師がシミの診断と施術内容を決定することです。
シミの種類が混合している場合、治療の優先順位を間違えると、一方のシミが悪化することもあります。
また、シミの中には判別が難しいシミもありますので、拡大鏡であるダーモスコピーで区別します。問診の際には、いつできたか、どう広がったのかなど経過も含めてシミの種類を判断しています。
当院では、カウンセラーさんや看護師ではなく、必ずシミ治療の経験が豊かな医師が診断して施術内容を決めていますのでご安心ください。
さらに、シミ治療は、これまでの経験をもとに効果のある、確実性が高い治療のみに絞っており、治療法を提案する際も患者様が迷わないようにできるだけシンプルにお伝えしています。
レーザー治療では1回の治療でシミが取り切れない場合がありますが、2週間後に来ていただければ、無料で再治療させていただくケースもございます。
フリートークの時間に本音を引き出す
患者様とコミュニケーションを取るときに大事にされていることを教えてください。
フリートークの時間を作って、言葉にしていない本音を引き出すようにしています。
とくに大切にしたいのは、患者様にお話ししていただく時間を長く取ることです。
こちらから質問してイエス、ノーで答えていただくだけではなく、気になっていること、今の症状をどうしていきたいかなど、何でも気軽に話していただける雰囲気作りを意識しています。
そうすることで、患者様が言葉にしていない本当の悩みを見つけられますので、治療後の目標を立てやすく、患者様には満足度を高めていただけると思います。
これから来院をお考えの方にメッセージをお願いします。
皮膚について困ったことがあれば、まずは気軽にご相談いただけるとうれしいです。
当院では、常に医師が2人、もしくは3人体制で診療にあたっており、どの医師も経験豊富ですので、なんでもご相談ください。長年悩んでいたものが簡単に治ることもありますし、気になりながらも放置していたものが、悪性腫瘍である場合もあります。
当院は、来たい時にすぐに来ていただけるよう平日は19時30分まで、いつでも予約なしで受診できます。
気になっていたけれど相談できずに放置していた症状があれば、一度来院して診断を受けることで、安心できると思いますので、ぜひお気軽にご来院ください。