「皮膚科専門医の知識と経験を活かして症状に合った治療を提案」新規開業のクリニックで保険診療から美容医療まで幅広く対応|みかスキンクリニック:尾藤 三佳 先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
新しく開院されたクリニックだとお聞きしました。美容医療は受けたことがないのですが、気軽に相談できますか?
どんなお肌の悩みでも気軽にご相談ください。皮膚の疾患やアレルギーがある人でも受けられる治療を提案します。
市立病院などで皮膚科専門医として培ってきた数多くの経験を活かし、患者さん一人ひとりのあらゆるお悩みに応えたいという思いで、2024年9月にクリニックを開院しました。
特に力を入れたいのは、多くの方が悩みを抱えるしわ・たるみに対する治療です。しわ・たるみの原因は患者さんによってさまざまで、対処方法もそれぞれ異なります。患者さんのご希望を伺い、カウンセリングで症状をしっかりと見極めたうえで、最も適切な治療をご提案します。
アトピーなどの皮膚疾患やアレルギーのある方が受けられる美容医療もありますので、どんな方でもまずはお気軽にご相談ください。
しわの改善にはどんな治療が向いていますか?
しわの原因は人それぞれ。症状に合った治療を提供します。
しわとひと口に言ってもさまざまな種類があり、治療方法も種類によって異なります。たとえば小じわは、加齢とともに真皮中のコラーゲンが減ることで生まれる小さなしわです。加齢とともに悩む方が増えるほうれい線も、実は肌のハリ・弾力・表情筋の衰えによって刻まれるしわの一種です。
小じわの治療には、ディスカバリーピコというピコレーザーが有効です。ディスカバリーピコはコラーゲンやエラスチンの生成を促進し、皮膚の再生力を活性化させます。従来のレーザーに比べて痛みや肌へのダメージが少ないのも特徴です。
ほかには、ヒアルロン酸製剤の一種であるボライトも、肌の保水力を高めて乾燥や小じわを防ぐ効果があります。
ほうれい線などの老化によってできる深いしわは、皮膚の表面の治療だけでは改善が難しいため、ヒアルロン酸製剤の注入によって内側から皮膚を持ち上げる治療法などを提案します。ジュベルックという製剤は、コラーゲンを増加させて深いしわになった部分をふっくらさせる作用があるのでおすすめです。
ボトックス治療は若い人にも効果がありますか?
もちろんです。しわが刻まれてしまう前の若い方にこそ治療をおすすめします。
ボトックスとは、ボツリヌス菌から作られる「A型ボツリヌス毒素」を有効成分とするたんぱく質の一種です。
注入した箇所の筋肉の動きを止める作用があるため、顔をしかめたり眉間を寄せたりする表情のクセによって刻まれた表情じわを改善する効果があります。特に目尻や眉間などの表情じわには、早期に治療することで大きな効果が期待できます。
ボトックスは、定期的に打つことでしわが刻み込まれることを防ぎます。しわが刻まれてしまう前からの予防が重要なので、特に「しわ治療はまだ早いかも」と躊躇されている若い方にこそ、美容医療の第一歩として試してみてほしいですね。肌つやを良くしたり、下に垂れた筋肉をリフトアップしたりする副次的な効果もありますよ。
フェイスラインのたるみにはどんな治療が有効ですか?
たるみにはウルトラフォーマー3によるハイフ治療が効果的です。
フェイスラインのたるみは、加齢や顔の筋肉の衰えが原因で起こります。たるみによって顔全体が垂れ下がると老けた印象になるため、アンチエイジングの目的で治療を希望される方は多いです。
たるみの改善にはウルトラフォーマー3という医療機器を使った高密度焦点式超音波(ハイフ)の治療が効果的です。真皮・皮下組織・筋膜・脂肪層に超音波エネルギーを照射することで、皮膚表面にはダメージを与えずたるみを改善します。従来のレーザーや光治療などでは届きにくい部分にアプローチできるため、肌を深部から引き締めることが可能です。
ただし、脂肪層の減少を引き起こす場合がある点には注意が必要です。ご自身のたるみにウルトラフォーマー3の治療が適応となるかはカウンセリングで見極める必要があるため、まずは一度ご相談にお越しください。
保険診療+自由診療で本気のニキビ治療
基本のニキビ治療について教えてください。
保険治療の塗り薬や外用薬がベースです。カバーできない悩みには自由診療で対応します。
ニキビとは、ホルモンと細菌と皮脂の相互作用によって毛穴が炎症を起こす疾患です。皮脂が多く分泌されるおでこや頬などは、特にニキビができやすい傾向にあります。ニキビは基本的に保険治療で対応しますが、どうしても保険治療でカバーできない場合は自由診療を提案します。
ニキビの保険治療はアダパレン、ベピオなどの塗り薬の処方が基本です。アダパレンは毛穴の詰まりを改善する作用があり、ベピオはニキビの原因菌であるアクネ菌などを殺菌する作用があります。どちらも、毛穴詰まりによってできる白ニキビの症状が見られる際に処方します。
炎症を起こしてしまったニキビには、抗生物質の塗り薬や飲み薬を処方する場合もあります。抗生物質は重症化したニキビに高い効果を発揮する反面、長期間の使用によって効果が下がる傾向にあるため、医師による使用期間と量の適切な判断が重要です。体質改善やニキビ予防のための補助的な役割として、ビタミン剤を処方することもあります。
繰り返すニキビによって残った赤みやへこみはどのように改善したらよいでしょうか。
ニキビ痕には種類があり、それぞれに応じた治療が必要です。
ニキビの炎症によって皮膚がダメージを受けると、場合によってはニキビ痕が残ります。皮膚がへこんでクレーター状になる、赤みが残る、色素が沈着するなど、ニキビ痕の種類はさまざまです。
赤みが残るタイプのニキビ痕は、肌の表皮や真皮がダメージを受けて薄くなったことが原因です。ヘモグロビンの影響で紫がかったニキビ痕は、その後メラニンの影響で茶色いシミのような色素沈着になる場合もあります。ニキビが繰り返し発生して真皮が傷つくと、肌の表面に凹凸ができてクレーターの状態になります。
ニキビができた直後の赤みは時間が経てば治るケースが多いですが、色素沈着のニキビ痕やクレーター状のニキビ痕は、保険治療だけでは回復が困難です。保険治療で治らないニキビ痕には、症状にあわせて自由診療の治療法を提案します。
なかなか治らないニキビ痕にはどんな治療が有効ですか?
ジュベルック、フラクショナルレーザー、ダーマペン、ケミカルピーリングなどが効果的です。
しわの改善に効果があるジュベルックは、ニキビによってできた肌のへこみの改善にも有効です。ピコレーザーを使用するピコフラクショナルも、皮膚細胞の入れ替わりを促進するため、クレーター状のニキビ痕の改善に効果を発揮します。
超極細の針で肌に極小の穴を開けるダーマペンでは、穴を回復させるための皮膚の治癒力を引き出して、コラーゲンやエラスチンの生成、肌のターンオーバーを促します。当院では最新のダーマペン4を導入しているため、細かいニキビ痕にも対応できます。
ケミカルピーリングは、酸性の薬剤を肌全体に塗布して肌表面の古い角質を取り除き、肌のターンオーバーを促す治療法です。赤みや色素沈着によるニキビ痕が気になる方におすすめです。
ニキビ予防には何が有効ですか?
普段の癖や食生活などの生活習慣を見直すことです。
繰り返すニキビに悩む方はたくさんいらっしゃいます。ニキビを予防するためには、食生活や生活習慣を見直して、ニキビが発生した原因を探ることが大切です。日々のストレスも、ホルモンバランスが崩れてニキビの悪化につながるため気をつけましょう。
肌を無意識に触ってしまう癖も、ニキビが悪化する原因となります。膿がたまってしまった場合は、早めに医療機関で膿を出して適切な薬を使用することをおすすめします。ニキビは放置しておくと痕が残ってしまう場合があるため、症状がひどくなる前に医師へご相談ください。
特に女性の場合、化粧品が毛穴に詰まってニキビを引き起こすこともあります。毛穴詰まりを予防するために、今後は当院でもビューティフルスキンやゼオスキンなどのドクターズコスメを取り入れていく予定です。
無自覚な悩みまでキャッチするカウンセリングを
クリニックを開院されるまでの経緯を教えてください。
皮膚科専門医としての経験を積んだ後、幼少期から馴染みのある大宮で開業しました。
大阪医科薬科大学医学部卒業後、京都府立医科大学での研修を経て、京都府立医科大学皮膚科学教室に入局。その後、2011年より京都市立病院皮膚科で勤務を始めました。
大学病院と市立病院では、アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎などのアレルギー性疾患から、良性・悪性腫瘍の手術など、数多くの症例に取り組んできました。同時に、形成外科と美容医療を行うクリニックにも長年勤務して経験を積みました。
子育てが一段落したタイミングで、幼少期から馴染みのある大宮で開業の機会を得られました。開院前から抱いていた「保険診療を基本に保険診療だけでは叶えられない幅広い治療を提供する」という思いは、この先もずっと持ち続けたいです。
カウンセリングで心がけていることは?
患者さんご本人が気づいていないことも含めて、悩みの原因を見極めるようにしっかりとお話を伺います。
まずは、患者さんの一番の悩みをしっかりと聞き取ることを重視しています。カウンセリングをするうちに、患者さん本人も気づいていなかった根本的な悩みに気づいた場合は、より症状に合った治療を提案することもあります。
美容医療を行う際にも、皮膚科医としての知識と経験を用いて診断できるのは当院の強みです。たとえば患者さんがレーザー治療を希望されるシミが、ごくまれに、ただのシミではなく悪性腫瘍と疑われる場合もあります。当院ならば、そのようなケースを適切に診断し、素早く病理検査に回せます。
はじめて来院する患者さんは緊張されると思いますが、気になることを聞きそびれることがないように、できるだけ患者さんが話しやすい環境づくりを心がけています。一方的ではなく双方向のコミュニケーションで患者さんと信頼関係を築いていきたいと思っています。
これからクリニックを訪れる人にメッセージをお願いします。
患者さんに不安がないように、一人ひとりに寄り添った治療を提供します。
クリニックのある大宮は、各地からのアクセスがよく便利な場所ですので、足を運んでいただきやすい立地です。思い入れのあるこの地で、地域の皆さんのお役に立てれば幸いです。
美容医療も扱っている皮膚科と聞くと、入りづらいと感じる男性や子ども連れの方も多いのですが、当院では一般皮膚科も美容医療も分け隔てなく診療しています。
お肌の悩みは人それぞれ。一人ひとりが抱くそれぞれの不安を解消できるように、年齢や性別に関わらず、患者さんに寄り添った治療を提供します。お肌に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度お越しください。