
「美容医療は、QOLを高めることで健康的な毎日を後押しできる医療です」 YouTubeチャンネル登録者数4万人*!ポテンツァ開発者が語る美容医療のやりがいと目標|ティアラクリニック:髙橋 貴志先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー



髙橋先生のプロフィールを教えてください。

美容医療の道で21年の経験をもつティアラクリニックの院長です。登録者数約4万人のYouTubeも運営しています。
ティアラクリニック院長の髙橋 貴志です。美容医療を始めてからは20年以上が経ち、ベテランの域に入りました。クリニックでは肌治療から外科手術まで幅広く対応しています。
クリニックで患者さんを担当しながら、企業や大学と連携して医療機器や製剤の研究も行っています。過去には、美肌治療として有名なポテンツァの開発にも携わりました。
「たかし先生のカラダキレイ美容ch」というYouTubeチャンネルで情報発信もおこなっています。患者さんや医療従事者など多くの方に見ていただき、おかげさまでチャンネル登録者数は4万人を越えて伸び続けています。

髙橋先生のご経歴を教えてください。

東京医科歯科大学の皮膚科・形成外科や救急病院で修行したあとに美容医療の道に進みました。
母子家庭で育ったので、子どもの頃は「母親に恩返しできる仕事に就きたい」という思いで勉強ばかりしていましたね。その成果もあって国立医学部に現役合格し、医療の道へと進みました。
下宿するお金がなかったため進学先は東京大学や京都大学ではなく、地元の国立大学を選んだのですが、やはり都会の一流の大学でも経験を積みたいと考えて、卒業後は国立・東京医科歯科大学で研修医になりました。一般皮膚科・形成外科で研修したあとは、3次救急総合病院でさらに修業を積みました。
救急病院での勤務は非常に過酷です。昼夜関わらずコールが鳴って全身やけどのような重症患者が運ばれてくる毎日が続くので、精神的にも技術的にもかなり鍛えられました。
治療ではもちろん命を救うことが最優先ですが、限られた時間のなかで必ずこだわっていたことがありました。それは、傷をきれいに治すことです。休日も勉強に励んで形成外科の知識をたくわえながら、患者さんの体にダメージが残りづらい縫合手術の手法を研究していました。
3~4年で救命に必要な医者としてのスキルをひととおり習得できた実感を得たため、今度は得意分野を極めるために美容医療と保険治療をおこなう病院に転職しました。美容医療は独学していたほどに関心の高い分野だったので没頭していき、気がつけば今に至っていました。

どのように美容医療のスキルを身につけられたのですか?

海外で研修やセミナーを受けて習得しました。
私が医師になったばかりの時代は、美容医療といえばマイナーなジャンルでした。医師同士の会話でも「美容の医師になる」と言うと驚かれるくらいだったのです。
そのような時代には、もちろんスキルを学べる場がほとんどありません。ボトックスひとつをとっても、打ち方を教えてくれる先生は国内に見当たりませんでした。
海外で学ぶしか手段がなかったので、アメリカに行ってボトックスの打ち方を教えてもらったり、韓国に行ってさまざまなセミナーを受講したりしてスキルを磨きました。

美容医療のやりがいはどのようなところですか?

患者さんのQOLを高めて健康寿命を延ばせるところ。そして毎日「ありがとう」の言葉がもらえるところです。
マイナージャンルだった当時から、美容医療は人の健康寿命を延ばすために重要な医療行為だと考えていました。
たとえば高齢の女性のなかには、シミやシワなどのコンプレックスが原因で外出に消極的な方が一定数いらっしゃいます。そのような方のコンプレックスを解消して、体を動かす機会や人とコミュニケーションを取る機会を増加させられる方法が、まさに美容医療なのです。
気持ちが前向きに変わると、自然とQOLが向上して健康寿命も延びますし、大病を患うことが少なくなるので、国の財政、保健財政の負担軽減にも寄与しています。施術後に患者さんの喜ぶ姿を見たり、お出かけしたエピソードを聞いたりすると、患者さんの生活を豊かにしている実感がわくのでとてもやりがいを感じます。
それに真面目に施術をして結果を出していれば、患者さんから毎日のように「ありがとう」の言葉をもらえます。やはり感謝の言葉は何度いただいてもうれしいもので、その日家に帰って飲むビールを美味しくしてくれます(笑)。
世界的企業や東京大学とともに研究開発

ポテンツァを開発した経緯を教えてください。

世界的医療機器メーカーの現会長と温泉に浸かりながら話したアイデアから開発を始めました。
韓国で美容医療のセミナーを受けていたとき、Jeisysという会社の社員と知り合いました。Jeisysは当時まだ社員が4人しかいない小さなベンチャー企業でしたが、現在は世界60カ国以上に展開して業界をリードする美容医療機器メーカーです。その当時の社長が、現在会長をしているカン・ドンファン氏でした。

カン氏と意気投合してから、タッグを組んで脱毛やシミ取りなどのさまざまな機器を開発しました。カン氏が試作品をつくり、私が日本で臨床データを取って論文の執筆や学会発表をおこなうことで、製品を世に広めてきたのです。
ポテンツァのアイデアが浮かんだのは、カン氏と2人で温泉に浸かっているときでした。そのときはお互いが「やり切った」と言えるほどの製品を世に出したところで、次の開発の題材に悩んでいたのですが、あれこれとアイデアを交わすうちに、従来の機器ではニキビ跡を満足に治療できないと意見が一致し、開発を目指すこととなりました。

レーザー機器に関してトップクラスの権威をもつアメリカレーザー医学会(ASLMS)での口頭発表を皮切りに、ポテンツァは世界に浸透しました。使い方を正しく広めるために何十か国もの国をカン氏とともに周ったことは、忘れられない思い出です。

先生がアンバサダーをしているフィルロードとはどのような注射ですか?

マスから採取した成分でつくった美肌注射で「痛みの少ないリジュラン」とも呼ばれています。

フィルロード(Fillroad)は、ポリヌクレオチドという分子の作用によってシワやくすみを改善し、肌にハリや艶感を与える美肌注射です。
「痛みの少ないリジュラン」として広まったように、サーモン注射とも呼称されるリジュランとフィルロードはよく似た施術です。フィルロードはサーモンではなくマスから成分を採取することで、リジュランよりも成分の安定性を高めることに成功しています。
チャレンジしやすくて効果が高い施術なので、肌のハリ不足やくすみに悩む方にはぜひフィルロードを試していただきたいです。

どのようなきっかけで東京大学との共同研究に至ったのでしょうか?

フィルロードのアンバサダーをしたことからお声がかかりました。

東京大学の先生がフィルロードに関心をもち、アンバサダーである私に声をかけてくださったことが共同研究のきっかけでした。
体にもたらす影響や効果について観察することで、フィルロードの安全性と有益性を裏づけるデータを取りました。それ以来、先生との親交が深まり、ティアラクリニックは東京大学の関連病院にも指定いただいています。
現在は、ポテンツァによる汗管腫(下まぶたあたりに発生しやすい1~3mm程度の良性腫瘍)の治療について共同で研究しています。数年のうちに、この治療を提供できるクリニックを増やしたいと考えながら、論文の準備を進めています。
クリニックではなく医師を選ぶ時代のなかで


ティアラクリニックはどんなクリニックですか?

ライトな治療からハードなオペまでオールマイティに対応できる美容クリニックです。
当院にはさまざまな科目出身の医師が10人以上在籍しているため、どんなお悩みに対してもオールマイティに対応できます。肌治療などのライトな施術から外科手術まで、なんでもご相談ください。
在籍する医師の多くは女性です。担当医師の性別はご希望に沿うので、男性医師に抵抗がある女性の患者さんも安心してご来院いただけるはずです。
治療内容は予算を基準に組み立てます。お金儲けよりも患者さんとの信頼関係を大切にしているので、初回のカウンセリングで高額な契約を提案するようなことはしません。
人生100年と言われるような時代なので、患者さんには無理せず長く通い続けていただきたいと考えています。美容室のような感覚で気軽に来られるクリニックになることが目標ですね。

ティアラクリニックの魅力を教えてください。

基本的にカウンセリングから治療までのすべてを医師が担当するところです。

一部のレーザー治療などを除いて、基本的にカウンセリングから治療までのすべてを医師が担当します。初診の患者さんであれば、最低でも15分から30分程度はじっくりとお話しして治療方針を決めています。
肌治療のカウンセリングでは、AIが搭載された最先端の診断装置を使用します。肌の状態をデータで分析するので、症状への的確なアプローチが見つかるはずです。
診療で最も大切にしているのは誠実さです。後輩の医師には「たとえば患者さんが自分の家族だった場合にも、本当にその施術を勧めるのか?」という観点で治療を提案するように常日頃から伝えています。過剰な施術は決しておこないません。

全国から患者さんが集まる理由は何ですか?

手術の解説や研究の裏話などをYouTubeで発信していることが理由のひとつだと思います。
YouTubeを始めてから、遠路はるばる来院してくださる患者さんが増えました。ポテンツァを受けるためだけに新幹線に乗って来院してくださった方もいます。
近頃は、患者さんがクリニックではなく医師そのものを選ぶ時代になりました。だからこそ、医師はSNSで顔を出して正確かつ有益な情報を発信する必要があると感じます。
とは言っても、YouTubeはもともと趣味のような感覚で始めました。手術について解説したり、ポテンツァの開発秘話を喋ったりと、自分の人生のアルバムをつくる気持ちで始めたのです。
しかし医療従事者の視聴者が思いのほか多く、YouTube経由で人脈や仕事の幅が広がりました。フィルロードのアンバサダーのオファーをいただいたのも、代理店の株式会社シーラボの社長が私のYouTubeを見てくださったことがきっかけです。医師の知り合いも増えて、ほかのクリニックからの紹介で来院する患者さんも増加しました。

今後の目標はありますか?

都内に分院をつくることが目標です。あとは今後も変わらずに誠実な美容医療を続けることですね。
日本全国から来てくださる患者さんが増えたので、アクセスのいい都内に分院をつくることが現在の目標です。ただ施術の質は絶対に落としたくないので、つくれても1つでしょうか。現在のクリニックと同じように、どんなご相談にも高いクオリティで対応できるようなクリニックを構想しています。
あとは、今後も変わらずにまじめで誠実な美容医療を続けていくのみです。美容医療に限った話ではありませんが、どんな業界にも必ずお金儲けを目的にズルをする人はいますよね。
しかし当院は、地道にコツコツと目の前の患者さんに向き合い続けることで、患者さんの数を増やしてきました。始まりは小さな雑居ビルの一角でしたが、2回の引っ越しを経て、現在は駅前の大きなビルのワンフロア140坪で営業しています。
これからも、かかりつけ医として選んでもらえるような信頼できるクリニックでありたいです。カウンセリングは無料なので、はじめての方もぜひお越しください。