目指すのは地域の方々を笑顔にできる美容のかかりつけ医!お一人おひとりに合わせたホームケア×治療を提供|津かじわらクリニック 梶原 愛莉砂先生
今回取材させていただいた先生
インタビュアー
先生が医師を目指したきっかけについて教えてください。
父をがんで亡くし、自分と同じ思いをするご家族を減らしたいと思ったのがきっかけです。
私は、15歳のときに父をがんで亡くしました。20年ほど前のことです。当時はまだ現代のようにがん治療が進歩しておらず、抗がん剤で苦しい思いをしたのに助からなかったという悲しみから、医療に対して不信感を抱いていました。
そのため、進路を決める段階では、医療関係に進むのだけはやめようと思っていたのです。しかし、恩師に相談したところ「そういう思いを持った人が関わることで医学は進歩するのではないか」とアドバイスを受けました。
私と同じような悔しい経験をするご家族を少しでも減らしたいという思いから、医師を目指すことにしたのです。
形成外科を専攻しようと思ったのはなぜですか?
がんと向き合われている患者さんが、笑顔で過ごせる時間を増やしたいと思ったからです。
このような経緯から医師を目指したため、がんに携わる診療科に進みたいと考えましたが、がんを治療するのは感情移入してしまうため難しいと思いました。そこで、乳がんで乳房をなくした方の再建手術に携わる形成外科に進もうと考えたのです。
今はがんの治療法も進歩し、健康な人と変わらない生活を送れる寛解(かんかい)を目指せる時代になりました。昔と違い、患者さんお一人おひとりに、がんを乗り越えた先の人生があるので、少しでも笑顔の時間が増えるような治療を提供したいと思いました。
がんの治療のひとつでもあるホルモン療法を受けると、副作用で肌がくすむことがあります。そして、病状が落ち着くと、病気のことだけではなくお肌のことが気になる方もいらっしゃいます。
そういった患者さんから、相談を受けるようになったのがきっかけで美容医療についても勉強するようになりました。肌がきれいになると、患者さんは病気に対しても前向きになれるのです。
当院にも、肌をきれいにしたいというがん患者さんが通院されています。「先生のおかげで毎日が楽しくなりました」というお声をいただくことも多く、その方の人生に寄り添うことができるのが美容医療だと感じています。
津かじわらクリニックで美容医療をご希望されるのはどのような方が多いのでしょうか?
女性の患者さんが多いですが、男性の患者さんもいらっしゃいます。
美容皮膚科にいらっしゃるのは女性の患者さんが多いですが、泌尿器科が入り口となって男性の患者さんも受診してくださいます。皮膚科の保険診療もおこなっているので、来院のハードルが低いというお声はよくいただきます。
ご相談内容は、ニキビやシミのお悩みが多いですね。また、ほくろやできもののご相談もいただきます。
ニキビのご相談に来られるのは、学生さんや20代前半くらいまでの方が中心です。シミは40~50代の方からのご相談が多く、男女比は女性9に対し男性1くらいです。
また、シミがある程度改善されたら、次は毛穴のお悩みや肌質改善とほかのお悩みをご相談いただくことも多く、シミ治療が美容医療の入り口となっていると感じます。
患者さんの話に耳を傾け、お一人おひとりに合ったホームケアをご提案
ニキビ治療のポイントを教えてください。
ニキビとニキビ痕で治療が変わります。まずニキビ痕にしないことが大切です。
ニキビは、皮膚科を担当している院長が診察します。ニキビで悩んでいるのか、ニキビ痕で悩まれているのかで治療方法が異なり、通常のニキビであれば保険診療内で治療します。内服薬は漢方薬を中心に処方しています。
医師間で連携をはかりながら、難治性のニキビやニキビ痕の治療など保険診療で対応が難しい場合には、ご要望に応じて自由診療もご提案します。
ただし、難治性ニキビの治療薬であるイソトレチノインは、妊娠中の方や妊娠の可能性のある方、将来的に子どもを産みたい方は服用できない薬です。そのため、実際にはあまり処方することはありません。
ニキビだけではなくニキビ痕についても悩まれている方には、自由診療のダーマペンやケミカルピーリングとエレクトロポレーションを組み合わせた治療をご提案することもあります。
ダーマペンは、肌に微細な穴を開けて本来持っている治癒力を利用して肌を綺麗にすることを目指す施術です。ケミカルピーリングは、薬剤を塗布して古い角質を取り除き肌のターンオーバーを促す施術です。
エレクトロポレーションの特徴を教えてください。
ニキビ痕の治療のほか、使う薬剤によってさまざまな症状にアプローチできます。
エレクトロポレーションは、特殊な電気パルスを皮膚表面に与えることで一時的に小さな穴を開け、美容成分を肌の奥深く、真皮層まで浸透させる美容機器です。
使用する薬剤の組み合わせによって、ニキビ痕の改善や保湿作用、肌のキメを整える作用など、さまざまな症状にアプローチできるのが特徴です。
たとえば、ニキビ痕の改善のためケミカルピーリングをおこなった後に、エレクトロポレーションの施術を組み合わせると、肌の赤みや乾燥を軽減する作用も期待できます。
エレクトロポレーション単体でもさまざまな症状にアプローチできますが、ほかの施術と組み合わせることで、ダウンタイムの軽減を促してくれる点も魅力です。
ニキビ治療で大切にしていることを教えてください。
早期治療とホームケアを大切にしています。
ニキビ痕はケミカルピーリングやエレクトロポレーションで治療を試みることができますが、一度ニキビ痕になってしまうと治療が難しくなります。まずは痕を残さないために早期治療をおこなうことが大事です。この点を、患者さんにも意識していただけるような説明を大切にしています。
ストレスもニキビを悪化させる要因になります。ニキビができたことをネガティブに捉えるのではなく、これからどのようなケアをして改善を目指していくかを前向きに考えるようアドバイスしています。
また、ニキビ改善のためにはご自宅でおこなっていただくホームケアがとても大切です。ホームケアも治療の一環と考えて、お一人おひとりの肌に合わせたケアをアドバイスしています。
ホームケアに力を入れているのはなぜでしょうか?
クリニックで施術をおこなう時間よりも、ご自宅でケアする時間のほうが長いからです。
患者さんがクリニックに来院されるのは月に1回程度ですから、ほとんどのケアはご自宅でおこなっていただくことになります。もちろん、クリニックでは私たちにできる精一杯の診療をいたしますが、毎日のホームケアのほうが大事だということを説明し、ご理解いただくよう努めています。
実際、クリニックで施術をおこなっても、ホームケアを何もせずにいると肌の変化を実感しにくいのです。
ホームケアは、治療のゴールと期間を決めて取り組んでいただきます。期間を区切るのは、ゴールがあれば「そこまでは頑張ろう」という気持ちが芽生えやすいためです。「まずは半年間、頑張ってみましょう」とお伝えしています。
ホームケアは、いろいろな種類を取り扱っていますので、その方のご予算や生活スタイルに合わせて取り組みやすいものをご提案します。
シミの治療で大切にしていることは何ですか?
シミにはさまざまな種類があるので、まずはどのシミなのかを診断することが大切です。
シミは種類によって治療方法が異なります。まずは、シミ(日光性黒子、老人性色素斑)・ソバカス(雀卵斑)・肝斑・ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)のうち、どれにあたるのかを診察によって診断することが大切です。
60代以上の方に多く見られる盛り上がったイボのようなシミは、脂漏性角化症の可能性もあり、治療する場合は炭酸ガスレーザーを使って物理的に切除する必要があります。
一般的なシミであれは、レーザーやIPL光治療など機器による治療を中心に、内服薬や外用薬を併用することもあります。IPL光治療であれば治療期間は半年ほど、3~4回に分けて照射をおこないます。
肝斑の場合は、レーザー治療の前にトラネキサム酸やビタミンCの内服治療をおこなっていただくため、半年にプラス2か月と考えていただくとよいでしょう。
機器、内服薬、外用薬による各治療法の持つメリットとデメリットをお伝えしたうえで、患者さん自身に選択していただきます。シミの種類やご要望によっては連携するクリニックをご紹介する場合もあります。
シミの治療でもホームケアは大切なのでしょうか?
はい。その方の生活スタイルに合わせたケアをご提案します。
シミ治療も、施術を受けて終わりではなくホームケアで維持していただくことが大切です。継続の重要性と共に、日焼けの予防法やおすすめのホームケア用品を、お一人おひとりに合わせてご説明します。
たとえば、ゴルフが好きで外に出ることが多い方と屋内にいることが多い方では、おすすめのケアも変わるので、その方の生活スタイルに合わせたアドバイスをおこないます。
また、何度も施術を受けられない方にはホームケアを中心にご提案しますし、ご予算も考慮してホームケア用品を選択します。お一人おひとりの個性に寄り添ったホームケアをご提案するため、問診票には趣味や生活習慣の記入もお願いしています。
患者さんとのコミュニケーションで大切にしていることを教えてください。
患者さんの話に耳を傾けることで、話しやすい空気を作ることです。
お悩みを打ち明けるのに抵抗を感じる方は多いと思いますので、まずは慌てることなくゆっくりとお話に耳を傾けることが大切だと考えています。
問診票に趣味をご記入いただけたら、その話題をきっかけに話がはずむのでご相談いただきやすくなります。患者さんと信頼関係を築くことでお話ししやすい雰囲気作りを心がけています。
美容のかかりつけ医として地域の方々の笑顔を守りたい
クリニックのコンセプトを教えてください。
当院の診療理念は「誠実・謙虚・不易」で、お悩みに寄り添う診療をコンセプトにしています。
当院では、患者さんお一人おひとりに対して誠実に向き合うことを大切にしています。よい薬があっても、患者さんが使ってくださらなければ意味がありません。まず、患者さん自身が治療に向き合ってくださることが大切です。それは、保険診療にも美容医療にも言えることです。
そのために、お悩みに寄り添う丁寧なカウンセリングを心がけています。そして、治療に対して理解を深められるように意識して診療をおこなっています。
また、医師だけではなく、クリニックのスタッフ全員が患者さんに影響を及ぼす存在です。当院のスタッフは皆、診療理念を理解していますので、対応が丁寧だというお声をよくいただきます。患者さんに寄り添うスタッフが揃っているのが当院の強みのひとつです。
クリニックと患者さんとの間で信頼関係を築ければ、患者さんは前向きに治療を継続しやすくなります。そうすることで、お悩みの改善につながり、患者さんの笑顔にもつながっていくのではないかと考えています。
私たち開業医の担う役割は、その地域の方たちの笑顔を守ることです。地域の方々が、病気に悩まされることなく笑顔で毎日を送れるよう、皆さんのお力になりたいと思います。
今後の展望があれば教えてください。
この地域で美容のかかりつけ医になることを目指したいと思います。
今後は、美容医療においてもさらに提供できる施術や機器を増やしていきたいと考えています。
現在も、「遠くまで行かなければならなかった施術を地元で受けられて嬉しい」というお声を多くいただきます。しかし、現状に満足することなく、勉強を怠らず、さらに患者さんのニーズに応えられるようにしていきたいですね。
この地域で、美容のかかりつけ医というポジションを担えるクリニックを目指したいと考えています。
また、三重県では形成外科という診療科目についてご存じない方もまだ多いかと思います。当院は、包茎手術や婦人科形成手術にも対応しています。包茎手術は整容面もご満足いただけるように、泌尿器科の院長と形成外科の私で手術をおこなっています。今後は形成外科の認知度も上げられるように努めていきたいと思います。
美容医療だからといってハードルを感じることなく、お気軽にご来院いただきたいと思います。
当院は、無理なご提案はしませんのでご安心ください。カウンセリングだけでもかまいません。時間をかけてお悩みを伺いますので、遠慮なくご相談ください。